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防災インタビューVol.194

ソーシャルグッドアクターとして ~災害関連死ゼロへ~

放送月:2021年11月
公開月:2022年2月

早瀬 マミ 氏

俳優・上智大学非常勤講師・防災士

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

「助けあいジャパン」との出会い

私が防災に関わる仕事をする直接のきっかけになったのは、「助けあいジャパン」との出会いでした。一般社団法人助けあいジャパンは、東日本大震災がきっかけで生まれた団体で、震災や災害時に被災者を支援する方々をサポートし、事故や災害の防止、および事故や災害後の復興支援をすることを目的としています。創立者は「明日の広告」や「ファンベース」などの著作も多いコミュニケーション・ディレクターの「さとなお」さんこと、佐藤尚之さんと、ソーシャルグッドプロデューサーの石川淳哉さんのお二人で、なんと震災の翌日にこの団体「助けあいジャパン」を立ち上げました。そして、震災の翌日から活動するために、助けあいジャパンでは「プロボノ」で人材を募集しました。「プロボノ」というのは、通常イメージされるボランティアではなく、専門職に就いている人が、そのスキルを生かしたボランティア活動をするもので、自分の時間を割いて専門領域でボランティアをすることで、いろいろな人とつながりながら、目的に向かって進んでいくというものです。このようにして、「助けあいジャパン」では、岩手、宮城、福島の被災状況や支援情報を被災している方々にインターネットで届けるという事業が始まりました。

その頃私は、写真家でCMディレクターでもある蓮井幹生さんが個人で東北支援に行く際に同行させてもらったり、インターネットでボランティア団体の情報をチェックしたりしていましたが、俳優の仕事というのは、「明日オーディションに行ってきて」と言われることもありますし、運良く仕事が決まると「来週からすぐに地方で撮影」ということもありますので、非常に先の予定が立てづらい状況になります。そのような中では、現地に何日も滞在したり、何度も被災地を訪れてボランティアをするというのは、非常に難しいです。たまに被災地に行けたとして、私はリフレクソロジーの開業資格を持っているので、ボランティアで1日に何名かの方に施術をして差し上げて帰ってくるのがやっとで、定期的に行けるのならばいいのですが、ほんの1日、2日のことだとすれば、それはどうなんだろうかと考えてしまいました。もっと問題の根本的な解決に関わりたいと考えていたところ、蓮井さんから「助けあいジャパン」のことを教えてもらいました。東京にいながらできる東北支援があることを知り、早速ホームページを検索して参加したい旨を連絡しました。プロボノでの募集ということでしたので、自分のキャリアとして、グラフィックデザインのディレクターや出版社での宣伝広報の経験があったので、「助けあいジャパン」でも製作物の進行管理や、イベントの台本製作と運営、司会などもプロボノとして参加しました。

このように、「助けあいジャパン」では、プロボノで関わらせていただいておりましたが、そうこうしているうちに共同代表理事の一人である石川淳哉さんから、「有償のお仕事としてもうちょっと一緒にやらないか?」とお声掛けいただき、そのポジションに変わりました。ちょうどその頃「助け合いジャパン」は岩手、宮城、福島の緊急雇用事業として30名を雇用して、現地の方が現地の情報を取材して日本や世界に発信するウェブサイトが始まりました。これは2015年の3月まで続きました。私も各地域でのヒアリングや、「情報レンジャー」と名付けた現地雇用メンバーとのコミュニケーションを取るために各地を回る日々を過ごしていました。石川さんと一緒に車で現地に向かっては、「今はどうですか?」と声掛けをしながら、仮設住宅で暮らしている方々とコミュニケーションを取ったり、現場を知る活動を行いながら、いろいろな地域を巡って見てまいりました。ボランティアとして、気持ちだけが先行して現地に行ってしまうと、かえって足手まといになったりすることもありますので、その辺りが心配だったのですが、母体がしっかりしている団体の中で、サポートとして就かせていただいたので、自分がイメージした通りの助け合いの活動ができたのかなと思っています。

実際に、有償でのお仕事になったことで、仕事のボリューム的に俳優業との両立が難しくなりまして、いったん「助けあいジャパン」でのそのポジションからは離れましたが、それから何年も、Facebookやイベントなどで石川さんや助けあいジャパンのメンバーとは交流がありました。去年食ロス関係のお仕事のお話がありまして、その現場に行ったのですが、この仕事の発注元が石川さんのところでした。その時に久しぶりに再会した石川さんも、以前はドリームデザインという広告会社の代表取締役だったのですが、そこを一度解体して、社会問題解決1本で生きていくということで、一人で仕事をされていました。いろいろな人材を募集されていたのですが、私は一度離れているので、気持ちはあっても、なかなかお手伝いしようと言いづらいところもあり、石川さんも私が女優として頑張っているのを見てくださっているので、何かそれに水を差すようなことは言えないなと、お互いにそんなふうに思っていたのですが、本当に奇跡的に9年ぶりにまたお仕事をさせていただくことになり、石川さんとの凸凹コンビが再結成となりました。

石川さんは、広告会社の代表として、ベストセラー書籍の「世界がもし100人の村だったら」や、現在もミラノ、ベルリン、ロンドンをはじめ世界中を巡回しているピースアートプロジェクトの「retired weapons」のプロデュースをされたことがきっかけで、今はソーシャルグッドプロデューサーとして社会問題解決に関わるプロジェクトを中心に仕事をされています。それが私にとっても本当に願ったりかなったりで、もともと興味のあったソーシャルグッド領域のお仕事を今一緒にさせていただいています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。