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防災インタビューVol.195

「逃げキッド」作成と防災のためのお片付けのすすめ

放送月:2021年12月
公開月:2022年3月

松丘 夕子(赤プル) 氏

太田プロダクション所属 夫婦コンビ「チャイム」 防災士

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

「逃げキッド」でマイタイムラインを作成しよう

「逃げキッド」でのマイタイムラインの作成で、一番最初にやっていただきたいことは、1枚目のマイタイムライン作成のためのチェックシートです。こちらは3つの項目に分かれていて、まず1つ目が、「洪水ハザードマップや浸水想定区域図などでチェック」です。ここには「あなたの住んでいる場所の浸水深は何メートルですか?」「あなたの住んでいる場所の浸水継続時間は何時間ですか?」「あなたの住んでいる場所は家屋倒壊等氾濫想定区域ですか?」ということが書かれていますので、実際にハザードマップを見て記入をします。もし、ご自身のお住まいの自治体から配布されているハザードマップがなければ、スマホで国土交通省の「重ねるハザードマップ」というサイトを見ていただいて、自分の住所を入れると自分の家が洪水になったときに浸水するのかしないのかが分かります。その場合何メートルまで水が来るのかも分かるようになっているので、確認していただきたいと思います。私の実家の場所の浸水深は0.5から3メートル、家に入ってきた水が何時間で抜けるのかを表す浸水継続時間は、24時間でした。一晩どこかに避難できれば、家に戻れるのではないかと思います。ただ、0.5メートルから3メートルの浸水深だと、もしかしたら2階も水が入ってしまうかもしれないということが分かりますので、やはり家での垂直避難は難しいということになります。自分の住んでいる場所で川が決壊したときに家が流されてしまう場所かどうかは、ハザードマップを見れば、家屋倒壊等氾濫区域として示されているので分かります。うちの実家はハザードマップで網がけになっておりまして、鬼怒川が決壊したときにちょっとでもずれていたら、家が流されてしまっていたかもしれない地域でした。まず、ハザードマップを見ながら、このようなことを最初の項目としてチェックします。

そして2つ目の項目で家庭の状況もチェックします。車はありますか、ペットはいますか、持病薬はありますか、避難に支援が必要な、高齢者や障害者、乳幼児、妊婦さんなどがいますかという項目になっています。これはやはりマイタイムラインですから、自分の家の状況は皆さんそれぞれ違うので、まずそれをチェックしていただきたいです。うちの場合は、車が2台あります。茨城は、多いところでは、1軒に7台あるところもあって、1人1台持っていたりして、避難が大変だと思いますけれど、そういうことも書いていただきます。そしてペットは猫なのか、犬なのか、鳥なのかなどを書いていき、ペットも家族なので、一緒に避難するのか、家に残していくのかも考えないといけないので、それもチェックシートに記入します。そして最後の3つ目の項目が避難先のチェックになります。「あなたが避難する場所はどこですか?」ということですが、避難先というのは決められた場所があるわけではなく、ハザードマップには避難所の場所が記載されていますが、どこに行ってもいいのです。うちの実家の場合だと、小学校中学校は2階以上でないと、1階は浸水してしまうことになります。それなので、地域の避難所ではなく、親戚や知人の家に行かせていただくということもひとつの方法です。その他、近くの浸水しない場所で、頑丈な堅牢な建物の2階とか3階とかに避難してもいいですし、例えば駐車場であっても、水から逃れられれば命は守られるので、避難先はたくさん候補をあげておいて、チェックしておいてもいいと思います。これがまずやっていただきたいチェックシートになります。

その次は、チェックシートをもとに自分自身のマイタイムラインを作っていくという作業になります。まずは資料1のシートを見ていただきたいのですが、これはちょっと学びのシートになっています。「台風が発生してから川の水が氾濫するまでを知ろう」ということで、大体台風や大雨が降る前の5日から3日ぐらい前には、実際にはすでにニュースになっています。そこからどんなふうにして川が氾濫するのかということをお子さんたちと学べるシートになっています。例えば、①5日から3日前に台風が発生するよ。②1日前に、台風が近づいて雨や風がだんだん強くなるよ。③半日前、雨が集まって川の水がだんだん増える。④7時間前、激しい雨で川の水がどんどん増えて河川敷にも水が流れる。⑤そして、5時間から3時間前で、川の水がいっぱいで溢れそうだね。⑥そして0時間、もうこうなってくると発災で、川の水が氾濫します。この順番を見ていくと自分たちがどの時にどういうふうな行動を取るかということにつながっていくので、まず川の溢れるまでを学びます。

そして資料2では、並べ替えクイズみたいになっていて、やはりここにもちょっと楽しく作っていただくような工夫があるのですが、自分がどう行動するのかというヒントになる(ア)から(カ)の行動があります。

例えば、(ア)安全な所に移動を始める (イ)避難しやすい服装に着替える (ウ)避難する時に持っていく物を準備する (エ)今後の台風を調べ始める (オ)川の水位を調べ始める (カ)住んでいる所と上流の雨量を調べ始める、ということで、この6つの行動について、自分たちがどんなふうに行動するのかを考えていただきます。

例えば、(ア)安全な所に移動を始めるとありますが、きっと一番最初に、「台風が発生した、安全な所に移動を始めよう」という人はいないと思うので、これが一番下かな、というように、ヒントをお伝えしながら皆さんで考えていただく楽しいコーナーになっています。でもここが結構重要なポイントで、この後、この並べ替えをした状態で自分のマイタイムラインにも反映させていただくわけですが、この資料2にはその並べ替えをするためのヒントのクイズもあります。例えば「台風の何を調べるの?」「台風の進み方、台風の名前どうだろうね」みたいな順番でクイズがあるり、例えば、「避難の時に使うカバンは?リュックサックかな、手提げ袋かな?」というように子どもたちが考えやすいようなクイズがあるので、考えていくためのヒントになっています。そしてこの並べ替えは、実は答がないのです。人によって違うということもあるのですが、大体、安全な所に移動を始めるが一番下で、避難しやすい服装に着替えるが下から2番目になってくるわけですが、持っていく物を準備する、今後の台風を調べる、川の水位を調べ始める、上流の雨量を調べ始めるというところは、どんな順番でも大丈夫です。ここで(ア)から(カ)の並べ替えをしていくことで、自分で「こういう行動をすればいいんだな」という大枠が決まってくるわけです。実はこの(ア)から(カ)がシールになっています。空白のシールもあって、自分でこれ以外の書かれていない行動を考えて記入していきます。それをもとに、最後に「マイタイムラインを作ってみよう」という紙に、5から3日前の時点から、発災までの自分の行動を貼っていきます。一番左には行政や気象庁から発信されるような情報が載っています。そして川の水が氾濫するまでも次の欄に載っているので、そこに主な備えとして自分の行動を貼っていくわけです。

私の並べ替えは、エウカオイアになっているので、マイタイムラインをちょっと発表させていただくと、まずは台風が発生したよということで、今後の台風について、気象庁や日本気象協会のサイトやアプリで調べ始めてという細かいことまで書いてあります。そして家の周りに出ている物を中にしまう、これはもともと選択肢になかったものですが私が自分で記入したものです。それから、避難の時に持っていく物を準備する。普段から準備はされているけれど、そこに足したりする物を確認します。そして病院へ薬をもらいに行ったり、ここでスケジュールの確認をし、変更できるところは変更するということもします。次に、住んでいる所の上流の雨量を調べ始め、川の水位を調べ始め、ここを調べるのもやはり国土交通省の川の防災サイトや水位情報です。決して川を見に行かないということも赤文字で書いています。そこには、家族と連絡、車を高台へ移動、スマホの充電、充電器も充電というようなことも書いてあって、一番大事なことは川が氾濫する前に避難を完了することです。私は防災士ですから、「防災士たる者、率先避難者たれ」ということで、近所の方にも「私は避難します」ということを皆さんにお伝えしながら、誰よりも先に避難をすることで、皆さんの命が守られていくというところも自分のマイタイムラインに落とし込んでいます。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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