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防災インタビューVol.195

「逃げキッド」作成と防災のためのお片付けのすすめ

放送月:2021年12月
公開月:2022年3月

松丘 夕子(赤プル) 氏

太田プロダクション所属 夫婦コンビ「チャイム」 防災士

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

防災は、お片付けから始めよう

実は私は、「お片付け」の資格を持っています。勉強をしていく中で、防災とお片付けは切っても切り離せない関係だということに気付きまして、安全に皆さんが暮らせるようなお手伝いができたらという思いから、そういった活動もさせていただいて「お片付け」の資格をとりました。お片付けというのは、もともと私はすごく苦手でしたが、それでもプロになることができました。このことは、お片付けが苦手な方にとっても、ちょっと希望になるのではないかと思いますので、そのきっかけをお伝えしたいと思います。私は実家が寿司屋で、共働きの両親の元で育ちまして、親の目の届かないところで歳が近い1つ上の姉と2つ下の妹と共に、とんでもなく自由に過ごしていました。ですので、家の中は本当にジャングル状態になっていて、毎日朝出掛ける時に「あれがない、これがない、お母さんどこにやったの?」と騒いでいると、お母さんはどこにあるかを知るわけはないのに必ずどこかから見つけてきてくれるという感じでした。学校には黄色い帽子をかぶって通学することになっているのですが、その黄色い帽子がないという理由で学校を休んだことが何回かありました。そのぐらい探し物をしても見つからないような家でした。

そんな私が20歳を過ぎて、お笑い芸人になろうと一人暮らしを始めたのですが、仕事もうまく行かず、いろいろなところで行き詰まっていきました。そこで東京のお母さんみたいな存在の方が、私の家に来てくれて、お部屋の掃除、片付けをしてくれたのです。すると、お部屋もみるみる片付きましたし、そうこうしているうちに人生も好転していきました。「もしかして、部屋がスッキリすると頭の中もスッキリするのかな」と考えて、片付けに目覚めてしまった私は、お笑いもすごく好転して、いいお仕事をたくさん頂けるようになりました。もちろん一筋縄には行かないので、いろいろなところでバイトなどをさせていただいて、先輩のお店でも働きましたが、どこでも私は本来やらなければいけないお客さまの接客よりも倉庫の片付けをしたりしていました。すると松竹芸能のお友達が、「コジマジックさんが持っているお片付けの資格みたいのを取った方がいいよ」と言ってくれたので、私も整理収納のアドバイザーの資格を取り始め、今1級の資格を持っていて、お片付け芸人として有名なコジマジックさんが作られた「収納教育の収育指導士」という資格も取りました。本当に片付けをするとたくさんのメリットがあります。特に、時間、お金、精神面でのメリットが大きいです。例えば、物を探している時間というのが一番無駄な時間なのですが、きちんと片付けることによって探し物がない、本当にストレスフリーな時間が保てます。片付けを仕事にしたからお金を稼げるということではないのですが、例えば、ないと思って醤油を買ってきたのにまだ2本ぐらいあったというような、お金の無駄は省けます。そして精神面はやはりスッキリしていると過ごしやすいです。そういうように、片付けをするということは、いろいろなメリットがあるわけですが、それ以外にも安全安心に暮らせるメリットがとても大きいと私は考えています。これは、防災士ならではの視点かもしれませんが、やはりお片付けのメリットとして安心安全に暮らせるということはとても大きいと思います。

お片付けと防災は切っても切り離せないものなのですが、皆さんは、家の中に床置きしている物はありませんか? 床置きをしている物につまずいて転んで骨を折ってしまって一生寝たきりになってしまったという高齢者のお話も伺ったことがありますし、家の中に物が溢れているということは、危険がいっぱいなのです。地震の時に起こり得ることを想像してみてください。今危ないと思っている物は、実際の地震の際にも本当に危ないものになります。特に、寝室に危険がないかということもきちんと確認していただきたいと思います。倒れてくる物はないか、落ちてくる物はないか、そういったことを片付けをすることで解決ができるのです。レイアウトを変えるだけでも命が守れるので、一番無防備な寝ている時の状態を安全にしておくことが、とても大事です。「お家シェルター化計画」と私は呼んでいるのですが、自分がいる場所をとにかく安全な場所にしていただきたい、お家の中の1カ所だけでもいいので何も倒れてくる物がない、落ちてくる物がないというような状態を作っておくことが命を守ることにつながると思います。ぜひ皆さん、まず片付けから防災を始めていただきたいと思います。

水害の際に、危険な場所にいる方は、まず逃げないといけないのですが、浸水しない場所に家がある方は、やはり在宅避難になるわけです。地震の時も在宅避難が推奨されていますが、お家が安全でないと在宅避難はできません。片付けることで安全に在宅避難ができるのであれば、まず災害対策として、ぜひ1歩進めていただきたいと思います。

お片付けと防災のプロからの提案

私のこれからの活動において、お笑いに力を入れていくことは大前提なのですが、お片付けのプロにもなりましたので、片付けと防災についても皆さんにお伝えしていきたいと思っています。例えば、お家の中の点検を1人でやるのはなかなか難しいという方の所に行って、「片付けサポート」というサービスをしています。その際に、一緒に防災のためのお家の中の安全チェックなんかもできていったらいいなと思っていますので、1人では心細い方はそういったサービスも利用されるのもいいのではないかと思います。どうしてもご年配の方ですと、上の方にすごく重い物を置いてしまっていて、移動したいけれど移動できないということもありますが、どなたかの力を借りて安全に移動出来たらよいと思います。行政でもそういったサポートがあるかもしれませんので、ぜひ調べていただいて、お家の中を安全に作り込んでいただければと思います。

また、先ほどお話ししたマイタイムラインもぜひ作って災害に備えていただければと思います。「逃げキッド」と検索していただければ、国土交通省のホームページからダウンロードもできますし、実物が欲しいという方は、河川情報センターが提供していますので、ぜひ03-3239-8447に電話をかけて送ってもらってください。利用方法なども教えてもらえます。使い方、作り方については、ぜひ「赤プル」の動画も見てください。

最後に一言言わせてください。「おめえら、いつまでもいつまでも防災なめてっと承知しねえかんな。ほんじゃ今日はここまで」。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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