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防災インタビューVol.197

AI技術で未来を予測する防災 ~Spectee~

放送月:2022年2月
公開月:2022年5月

村上 建治郎 氏

株式会社Spectee
代表取締役

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は、株式会社Spectee(スペクティ)という会社を起業して、AIと防災を組み合わせたソリューションを展開しています。起業する前はサラリーマンをやっていましたが、東日本大震災が発生した2011年にこの会社を起こしました。東日本大震災が起こった時は、サラリーマンとして東京のオフィスで働いていましたが、この時はオフィス自体も非常に揺れました。この地震の直後から「何かしなきゃいけない」という思いで、ボランティアとして東北の各地を回りましたが、テレビで見ている情報と実際の各地の状況には大きな乖離があることに気付きました。東日本大震災が発生した直後の4月に入ってからボランティアに行くためにテレビを見ながらどこに行くかを探していたところ、石巻市からのテレビ中継を見ました。そこには長蛇の列が出来ていて、リポーターが「全国からこんなにボランティアの方が集まっています」というような情報を伝えていました。それを見ると「こんなにたくさんのボランティアが来ているのだから、今からボランティアに行っても人がたくさんでやることはないのではないか」と感じました。その中継があった数日後、石巻の隣の東松島市にボランティアに入って市のボランティアセンターに行くと、ボランティアは全くおらず、受け付けの方も「本当に今人手が足りなくて困っている」ということでした。津波で住宅の家具を出さなければならないし、泥かきをしないといけないが、人手が非常に不足している、ボランティアがなかなか来てくれないという話をしていました。数日前テレビで見た石巻では、ものすごい人数が集まっていたのに、隣の東松島市では、全然光景が違っていました。やはりテレビのマスメディアの情報だけでは、なかなか必要なことが伝わらないということをすごく感じました。

一方、当時のSNS情報、Twitter情報をネットで見ていると、「ここでボランティア募集していますよ」「ここでこんな救援物資を募集していますよ」というのがたくさん出てきていました。テレビなどのマスメディアの情報だけでなく、一般の方から発信されるSNSの情報をもっと生かせないか」ということを考えたのが、起業のきっかけでした。

防災を見える化 ~Specteeの防災~

SNSの情報は、災害時においては非常に重要な情報のツールになりますので、「これを整理して、何とか見える化していこう」というのが、Specteeという会社になります。

Specteeでは、防災に関するいろいろなソリューションを展開していますが、特にSpectee Proというサービスでは、まずSNSの情報、Twitter、Instagramなどのいろいろな情報を解析し、気象の情報や天気の情報、交通関連の情報など、さまざまな情報を重ね合わせて解析して、今どこで何が発生しているかを的確に伝えていくサービスを行っています。

立ち上げた当時は、これは実は一般の方が使えるようなスマートフォンのアプリでしたが、今は、個人向けのサービスではなく、法人や自治体の防災担当向けに、いろいろな情報を集め、解析して、今災害の状況はどうなっているかというのを見える化していくサービスを展開しています。

2011年の年末頃に株式会社Specteeを設立し、個人向けにいろいろな情報を提供してきた後、2014年以降は、テレビ局や新聞社などの報道機関向けにサービスを提供しています。実は、この個人向けのサービスを最初に使っていただいていたのが、報道機関の方々、記者の方々で、災害が発生したときに現地に入る際に、初報や災害状況を把握して、記者をどこに送ったら一番いいかを判断するために、このSpecteeが広がっていました。このような経緯から、報道機関にとってもSpecteeは非常に有効なツールなのではないかと思い、個人向けのサービスはいったんやめて、法人向けに作り替えていきました。

AIを活用した情報解析

Spectee Proでは、非常に膨大な数のSNS情報を、AIを活用して情報解析を行っています。4、5年前ぐらいの統計で言うと、日本の中で、日本語で呟かれているツイートの数が大体1日に5億件ぐらいと言われていましたので、今はもっとすごい数になっているかなと思います。まずは、その膨大な数の情報の中から災害に必要なものを抜き出していくことが重要です。Specteeのすごいところは実はそこにあります。膨大な量の情報の中から災害情報を抜き出していく際に、AIが活用されていて、AIは膨大な数の情報を解析して、その中から災害に必要な情報をピックアップしていきます。そのピックアップの過程は、昔は書かれているテキストの文章からキーワード検索を行い、そこから情報を抽出していたのですが、最近は画像解析を利用して、画像に何が映っているかを抽出できるようになってきました。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。