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防災インタビューVol.198

シティコン海底山脈と防災

放送月:2022年3月
公開月:2022年6月

原 香織 氏

シティコン海底山脈研究会 事務局長
株式会社土屋 災害対策アドバイザー

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

介護と防災 ~重度障害者と地域を結ぶ~

私は防災に興味をもって活動を開始した後、2016年に介護についても学び、初任者研修と重度の障害を持った方がお家で生活をしていくときに介護に行くための重度訪問介護の2つの資格も取りました。他の仕事もやっているので、その後も週に1回か2回のペースで、技術を忘れないために活動を続けてきましたが、2021年1月から重度訪問介護をしている株式会社土屋に入社することになりまして、その中で防災の仕事を担当させてもらっています。現在も、本社の人も現場に出るというプロジェクトを進めており、認知症対応型のグループホームに行って、利用者のケアなども行っています。

株式会社土屋は全国展開している会社で、ホームケア土屋という重度訪問介護の部分だけでも全国に47拠点あり、それ以外にも訪問介護のステーションや研修事業など、かなり大きな規模でやっている介護事業所もありますので、各事業所で事業継続計画(BCP)の作成に携わっています。

その他、現在は重度の障害を持つ利用者、クライアントが600人ぐらいいますので、その一人一人の方に向けた、災害時の避難計画、個別避難計画を作るための、「災害対応パーソナルブック」という冊子を私が作りまして、今全国の社員がそれを元に、クライアントに聞き取りを行いながら、各方面で個別の避難計画を作っているところです。このパーソナルブックも今後外部に向けて販売を始めることにもなっています。なかなか個別避難計画は、全国的に進んでいない部分もあるのですが、私は、現在クライアントを中心に据え、それぞれの方に関わっている各事業所が行政や地域の方をつないで、災害チームを作って、災害支援ができるように進めていくための計画を行っているところです。

このように個別避難計画をしっかり立てることで、クライアント(利用者)の命を守り、そこに行っているアテンダント(ヘルパー)の命もしっかり守るだけでなく、地域の方を巻き込んで意識を高めていくことで、連携を深めた災害対応訓練なども出来るようになってくると思っています。なかなか重度の障害を持っている方は、外に出る機会も少ないため、この家にどういう人が住んでいるのかということすら地域の方は知らなかったりしますので、「災害対応訓練をやるので参加してください」ということでお誘いして、周りを巻き込むことで、みんなで意識を高めていき、災害があったときも訓練通りみんなでそれを実行することができるとみんなが助かる道になるのではないかということで今計画を進めているところです。

事業継続計画(BCP)の方は、株式会社土屋の各事業所でも、だいぶ進んできていますが、他の重度訪問介護や、訪問介護をやっている事業所というのは小さい事業所も多く、大変な思いをしている所も多いと思います。そこで、私たちのような大きな会社が重度訪問介護や訪問介護のBCPのひな型的なものを作って、他の訪問介護の事業者にも役立てていただくことができればいいのではないかという構想のもとで、弊社の研究所、土屋総研でも、BCPの講習などを始めようとしています。特に弊社は全国展開しているという強みから、いろいろな事業所と連携することができていますので、例えば東北地方の宮城県で大きな地震があり、隣の岩手県ではそれほど被害がなければ、岩手の事業所の人が助けに来てくれたり、宮城のクライアントを岩手の方で一時的に見てもらうことが出来るようになっていますが、今後は自分たちの事業所間だけではなく、外部の事業所との連携も進めていければいいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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