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防災インタビューVol.199

天気と知育 ~いろどりくらうど~

放送月:2022年4月
公開月:2022年6月

三宅 惇子 氏

気象予報士
防災士

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

天気と知育の研究所「いろどりくらうど」

私は今4歳になる娘がいますが、子育てを経て、子どもにも天気に興味を持ってもらうために「天気と知育」というところに注目して、イラストレーターをしている姉と共に天気と知育の研究所「いろどりくらうど」を設立しました。「いろどりくらうど」の名前の由来は、まず「いろどり」というのは漢字で書くと色彩の「彩」です。クラウドは「雲」なので、「彩雲」という意味になります。この「彩雲」というのは、結構晴れていて、多少雲がある日に、太陽のちょっと離れた所を見ると光の具合で七色に彩がかかった雲が見えることがあります。それを見ると「吉兆」、いいことがあると言われています。「いろどりくらうど」は、そこから取っていまして、その色取り取りの雲で、子どもたちも色取り取りという意味でそこを掛けて作りました。

この「いろどりくらうど」で、私がプロデュースして作った、「天気カード」というものがあるのですが、この「天気カード」は、娘が1歳半ぐらいの時に天気の言葉を覚えてもらおうと思って作った漢字カードが元になっています。表側に大きな文字で漢字の「晴」という字を書いて、裏面に姉が描いたイラストで晴の絵を描いてもらいました。晴、雨、曇というような15種類の「天気カード」で、B5のサイズで文庫本よりちょっと大きめで、15種類のカードが2枚ずつ入っています。それを子どもに見せながら、雷のカードが出たら、「雷が鳴ったらどうする?」と話しながらカードを見ていくうちに、「雷」という漢字も読めるようになってきますし、それに対して知識を付けていくことを繰り返してやっていたら、「雷が鳴ったら、頑丈な建物に避難しよう」というようなことを言うようになりました。「竜巻は怖いよー」「竜巻ぐるぐる強い風が吹いているよ」というようなことをいろいろ教えて、天気に興味を持ってもらう最初の一歩として、「天気カード」を作っています。

この「天気カード」を通して、親子でコミュニケーションが取れるようになることも結構大きくて、散歩で外に出ると、自然と空を見上げて、「今日は晴だね」「今日は曇りだね」という会話から「この後どうなるかな?」というような話に広がっていくので、天気予報にもどんどん興味を持ってもらえるようになってきたかなと思っています。

娘が2歳の時には、まだ平仮名も読めなかったのですが、漢字を形で見て、「晴」というのを覚えたり、天気予報のマークだけではなく、「雷」と漢字で書いてあるのも読めるようになっていたので、「雷だって」みたいなことを言ってくれたりするようになりました。「月」という漢字もその天気カードにあるのですが、子どもたちはお月さんが大好きです。まん丸の満月が浮かんでいたら「お月さん、お月さん」とずっとお月さんに話し掛けることもあったりして、その天気カードのおかげもあって「月」という字は、平仮名を書き始める頃には、漢字で書けるようになっていました。このように視覚的に「天気カード」を見ていて興味を持ったことで漢字も知らずに書けるようになっていましたし、天気に興味を持ってもらう第一歩のカードになったのかなと思っています。

この「天気カード」は、最初は自分の子どものためだけのものだったのですが、周りのママ友に漢字を読んでいる様子を見せると、「もう漢字も読めるの?」「私も欲しい」と言われて、2021年9月に一般に向けて発売することになりました。

「天気カード」で学ぶ防災

最近は気候変動で激しい現象が多くなってきていますので、これから育つ子どもたちにも将来に向けて防災の知識を小さな頃からつけてほしいと思って、制作、販売するようになったこの「天気カード」ですが、現在は、実際に幼稚園、保育園、小学校などで幅広く使っていただいています。このカードには、漢字で「晴」「雨」「曇」などの文字とその言葉が英語表記で書かれており、平仮名は一切書かれていません。イラストも子ども向けのかわいいものではなく、水彩画のきれいな絵になっています。小さい子どもは、初めて漢字を目にするので、なかなか最初は覚えにくいと思うのですが、形で漢字を覚えているようで、平仮名よりも早く漢字の方が読めるようになるようです。うちの娘も2歳ぐらいから漢字の「晴」とか、「曇」とか、「雷」も読めていましたし、「天気カード」で天気のことや、それに関する言葉も身に付けることができました。英語表記もしてありますので、「天気カード」を使って英語だけでゲームをする時もありますし、天気カードで「今日はお天気なあに?」と日本語で聞いたり、英語で聞いたり、実際そのカードを持ちながら外に行って、「今日の天気はどれだ?」みたいな感じでやったりすることもあります。

最初は子ども向けにと思って作っていたのですが、最近では、老人ホームなどでも認知症予防のためのゲームとして使っていただいています。今販売している「天気カード」は裏がトランプのように絵になっていて、2枚ずつ同じ柄が入っているので、伏せて神経衰弱をして使えます。晴と晴、雨と雨というようにゲーム感覚で天気カードを見ながら遊ぶことができるので、年配の方にも使っていただくことができています。

最初は天気と知育の研究所として作ったので、年配の方は全然想像しておらず、子ども向けだったのですが、「3世代にわたって使っています」というコメントも頂いており、子ども向けカードではなく、親子みんなで、家族みんなで使っていただける「天気カード」になったことを非常にうれしく思っています。

小学校5年生の理科の授業で天気について習うのですが、その時に「天気カード」で「台風」を学んで、「台風が来るとどんな現象が起きますか?」というような形で使ってもらったりしています。やはりみんなに天気に興味を持ってもらうには、みんなにこの「天気カード」を使ってもらって、楽しみながら学ぶのが一番いいんだということも、この「天気カード」を通して分かりました。

例えば、「霧」というカードが出て来たときに、都会に住んでいると見たことがないのか「霧って何?」と言ってくる子たちも意外といますし、「霧」という漢字を見たことがない子もいたりするのですが、「霧」を知ってもらう最初のきっかけになったり、「竜巻はこんなにグルグル回っている雲なんだ」ということも知ってもらえるきっかけになったので、天気にまず興味を持ってもらう第一歩のカードになっていると思っています。

現在は、この「天気カード」は、AmazonとBASEで販売していまして、Amazonだと翌日とかにすぐに届きますけれど、BASEだと私が直接注文を受けて、手紙やサイン入りカードなどもつけてお送りしています。インスタもやっていますので、平仮名で「いろどりくらうど」と入れていただくと出てきます。そこで詳しく「天気カード」の遊び方や使い方なども動画で紹介しております。カードを1枚1枚解説していまして、「このカードを使って知育するには」という知育と結びつ付けた記事も書いておりますので、ぜひ見ていただければと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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