1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. 天気と知育 ~いろどりくらうど~
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.199

天気と知育 ~いろどりくらうど~

放送月:2022年4月
公開月:2022年6月

三宅 惇子 氏

気象予報士
防災士

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

気象予報士・防災士の三宅惇子です。2012年から気象キャスターとして、NHK仙台放送局、NHK大阪、NHK総合の「ニュースチェック11」などの番組で気象情報を担当しました。現在、4歳になる娘がおり、子育てを経て、子どもにも天気に興味を持ってもらおうということで、天気と知育の研究所「いろどりくらうど」を設立して、今プロデューサーもしています。

私は2010年から気象予報士として活動しているのですが、この12年間ぐらいで、毎年のように大雨や局地的な豪雨、猛烈な暑さが多くなってきており、私の小さかった頃の気象の状態と全然違うと感じるようになったのが、防災に関わるようになったきっかけです。その間、北日本で天気予報をやっていた時期もあったのですが、東北地方に住んでいても本当にスコールみたいな雨を経験したり、40度を超えるような気温も関東地方でも観測されるようになってきて、小さい頃から感じていた四季の移り変わりがどんどん変化してきていると感じるようになりました。

その経験を通して、ただ天気予報だけをしているのではなく、災害が発生しないように事前に防ぐことができないかということを考えて、防災士の資格を2012年に取りました。天気と災害というのは非常に関わりが強く、直結している問題ですので、今はそういう形で天気予報と防災情報をキャスターとして伝えていきたいという思いで活動しています。また、東北に住んでいた時には、大きな地震がかなりありましたので、子どももいますし、自分の身は自分で守るということで、家の中で自分が被災しないように、家の中の防災を工夫しています。特に寝る所の横は広い空間を取って、上からも横からも何も落ちてこないようにしていますし、夜中に落雷があったり、突風が吹いて窓ガラスが割れてしまうこともあるかと思いますので、窓の周りにも近付かないようにしています。寝ている時間は非常に無防備なので、自分の身に危険が降り掛からないように、家の中の配置や寝る所には特に気を付けています。

気象キャスターの言葉で伝える防災情報

気象キャスターとして約8年間テレビなどで解説をしてきましたが、ニュースの中では、まずアナウンサーが「今こういう状況で、どこどこで大雨になっています」という感じで説明をして、最後に「こういうことに注意をしてください」と伝えた後に気象キャスターが出てきて何かを言うわけです。ニュースで見通しや防災情報が伝えられている中で、その後、自分は何を話すのかを考えることが、非常に難しいと感じながらも、台風などのように刻一刻と大雨や暴風の場所が変わる場合は、「今一番危険な場所はどこなのか」「これから一番危険な雨の降り方をする所はどこなのか」ということを真っ先に解説するように心掛けてきました。台風とはまた別で、局地的に急に湧き出した積乱雲から大雨が降って豪雨になるというパターンの場合は、非常に予測が難しく、その後雨雲がどこに動くか分からないこともありますし、風向きや地形の影響で同じ所でずっと降り続く可能性もあります。そういう時には、予報士からのメッセージとして結構強めに、「今本当に強い雨が降っていて、このまま雨雲が動かない可能性もあります」と伝えながら、今皆さんが一番知りたいこと、大切なことを伝えるということを頭に置いて、時と場合によっては、臨機応変に変えていました。

ニュースの原稿は、気象庁や気象台から取材したことをもとに原稿を作っているのですが、予報士の見解は、実はニュースの中には入っていないので、気象キャスターが自らの言葉で話している予報士のメッセージが一番の防災情報になると思っています。従って、自分たちで作った原稿に責任を持って、「こういう見通しだ」ということを伝えています。ニュースの部分とは違って、予報士が今一番これを伝えたいということを話している本人が生の言葉で伝えていますので、ぜひ耳を傾けていただければうれしいです。

防災情報なので、気象キャスターが最悪の事態を想定して話すことも多く、たまに悪く言い過ぎることもあるのですが、「何もなかったらそれはそれでいい」と感じてもらえるといいのかなと思っています。防災情報においては、最悪の事態を想定して、危機感を持って自分の身を守ってもらうために、「最悪のパターンだとこうなるよ」ということを強く伝えていますが、そうなるかもしれないと思って耳を傾けるだけで、行動というのは変わってくるものだと思いますので、それで「結果何もなかったら、それはそれでよかった」と思ってもらえればうれしいです。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

会社概要 | 個人情報保護方針