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防災インタビューVol.214

災害が起きる前にできること

放送月:2023年6月
公開月:2023年9月

奥村 奈津美 氏

防災アナウンサー・環境省アンバサダー

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

防災アナウンサーとして全国の被災地を12年間取材しています。また、環境省で森里川海プロジェクトのアンバサダーも担当しています、奥村奈津美と申します。

東日本大震災の時に仙台の放送局でアナウンサーをしていて、被災しながら災害報道に携わる中で、地震が起きる前ならできることはたくさんありますが、起きた後には手遅れということで、普段から備えや防災について知っていただくことが大事だなと感じました。以来、この12年間は全国の被災地などを取材しながら、防災の啓発活動に携わっています。例えば、NHKやTBSのラジオなどのメディアでの発信、小学校や中学校での防災授業、自治体で開催されるパパママ向けの防災講座などをやらせていただいています。

防災は、関心がない人に取り組んでいただくのがすごく大事なことだと思っていて、関心のある方は意識が高い方が多いのではないかなと思いますが、関心がない方にも届けたいという考えから、最近はSNSでの発信にも力を入れています。今、Instagramで1.5万人以上の方がフォローしてくださっているのですが、普段の生活の中で触れているSNSで、たまに防災の情報が流れてくると、意識を高めることにも繋がりますし、何かあった時に「こういう風に備えておけばいいのだ」と知ってもらう機会になるかと思い、今はSNSでの発信も取り組んでいます。

育児中の備えについて

「妊娠・出産したら読む 防災の本」というキャッチコピーで、防災の備えについての本を出版しました。タイトルは『子供の命と未来を守る防災新常識 パパママができる水害・地震への備え』です。備えと言っても様々ですが、ピンポイントに妊娠中の備えや、乳幼児の備え、それから障害のあるお子さんの備えというのは、なかなか必要な人に必要な情報が届いていないなというのを感じていました。自分自身も妊娠して切迫早産で緊急入院して3ヶ月程度動けない状態で、自分1人では逃げられないとか、自分以外に守らなくてはいけない命がある時にはどのような備えをしたらいいのかと色々と調べましたが、欲しい情報がまとめてある本に出会えませんでした。そこで、いろんな専門家の先生方にご協力をいただきながら、この本を出版しました。

本の特徴としては、読み進めながら備えをしてもらえるように、優先順位の高い順に書いています。例えば、防災対策で1番大事なのは、地域のリスクを知ることや、家の耐震性・安全性を確認することだと思いますが、そのような内容から順番に書いています。特に乳児がいるご家庭では、家具が倒れても赤ちゃんは自分で動いて逃げられないので、赤ちゃんがいる空間や家の中を安全にしておくことがとても大切ですし、母乳育児かミルク育児かによって備えるものが全く変わってきます。母乳の場合は、お母さんが安心して授乳できるような環境を整えることや、お母さん自身の食料をしっかり備えておくことが大事ですが、ミルクの場合はミルクが命綱となり、行政からも2週間分ぐらいは備蓄しておくように言われています。他にもカセットコンロやガスボンベなど、災害時にライフラインが寸断されてもミルクを作ってあげられるような備えをしておくことが大事です。このような乳児の備えに特化した内容も書いています。

また、避難の仕方についても、避難情報では「高齢者」という言葉が先に出て来てしまいますが、避難に時間がかかる方は、高齢者等避難のレベル3で避難して欲しいと思っているので、赤ちゃんがいる家族もレベル3で避難の必要があることなどの情報も書いています。日々の生活でも忙しくて、子育てをしながら防災対策をするのはとても難しいと思いますが、普段の生活にも役立つし災害時にも役立つという情報を、知っていただければなと思っています。

例えば、被災時にご主人が不在の場合はお母さん1人で避難をすることになると思いますが、そういった時に、赤ちゃんを抱っこして、重い防災リュックを持ち出して移動することはなかなか難しいと考えられます。そのような時に、普段から使っているママバッグやママリュックの中に、防災ポーチを入れておくとか、ちょっと多めに液体ミルクを入れておくという風に備えておけば、普段持ち歩いている荷物がそのまま防災リュックになるというような方法も説明していますので、ぜひ読んで知っていただきたいと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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