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防災インタビューVol.216

火災で大切なものを失う前に

放送月:2023年8月
公開月:2024年4月

林 富徳 氏

株式会社ファイテック
代表取締役

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

株式会社ファイテックの代表取締役 林と申します。私共は投げる消火器と言われる「投てき用消火用具」という、投げて火を消す商品や、家庭での揚げ物調理時での火災を消すスティック型の「天ぷら油用消火剤」、山火事が発生した時など自衛隊がヘリコプターで消火活動をする際に使用される消火剤などを製造しているメーカーです。社長を務めておりますが、防災士の資格も持っている防災のために人生を捧げている男でございます。

消火器メーカーや設備の会社などはありますが、消火剤の開発や研究に特化したメーカーというのは、日本国内では弊社だけです。海外でも多分ないと思われます。火災にもいろんな種類がありますので、それぞれの火災に適用できる消火剤の研究開発を行っております。

私共は、消化というところで、商品を通してお客様と防災の取り組みをしているのですが、例えば、北海道胆振東部地震や千葉県が襲われた台風15号などが発生した時には、鬼の一番に駆けつけて災害支援を行ったり、救援物資を送ったり、また、地域の方や企業様向けに防災訓練を実施しています。

首都直下地震が発生すると街はどうなるのか?

今、この関東地域で最も心配されているのが首都直下地震です。直下型地震の場合は、41万2000棟が火災で全焼し町が火の海になると想定されています。また、火災の死者数は1万6000人に及ぶという想定もされています。阪神・淡路大震災の映像を思い出していただきますと、町全体が火の海になっていたと思いますが、これは直下型地震の時、町全体から水がなくなってしまうからなのです。直下型地震の場合は縦揺れになりますので、地下の水道管が破裂することによって水がどんどん漏れてしまい、蛇口をひねっても水道から水が出ません。また、マンションの消火栓から水を出そうとしても消火栓からも水が出ないため火が消せず、それが町全体に広がって火の海になると想定されています。ガス管に関しては、ほとんどの地域で柔らかい耐震管というものに取り換えられているのですが、水道管は全国の地域でまだ耐震性のあるものになっていないということが、1つの大きな問題にもなっています。

本来であれば、火事の時には消防隊が消防車で駆けつけて火を消しますが、阪神・淡路大震災の時と同じように、想定されている首都直下型地震の際にも基本的には消防隊は火を消さないという方針になっています。消防隊の隊員数というのは限られています。もちろん火を消すということも非常に重要ではありますが、瓦礫に埋もれた人が生存できる時間も限られているため、緊急時には人命救助を優先するという方針がとられています。瓦礫などで道が塞がってしまい、消防車も入れず消火栓からも水が出てこないという状況では消火活動が出来ないので、瓦礫に埋もれた人を助けることに集中するのですが、災害時にはこのようなことが起こりうるということです。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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