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防災インタビューVol.216

火災で大切なものを失う前に

放送月:2023年8月
公開月:2024年4月

林 富徳 氏

株式会社ファイテック
代表取締役

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

火災保険の更新を忘れると人生が終わることも

火災保険の更新というのはついつい忘れてしまうことがあると思います。皆さんは、火災保険は自分のお家のために入っていると思っていらっしゃる方が多いと思います。しかし、実際に火災保険を使う時の大半は、自分の家で起きた火事ではなく、お隣さんや下の階からの「もらい火」の被害を受けた時です。「隣の家の火事からのもらい火だから、お隣さんの火災保険で支払ってもらえる」と考えがちなのですが、火災保険は自分の家が燃えた場合は自分の家の火災保険で賄うというのが大原則となっています。なので、どこから火が飛んできたとしても全部自分の火災保険で対処しないといけません。加入や更新を忘れてしまうと、大変なことになってしまうので忘れてはいけません。

もう1つ、例えばマンションの場合では、火事だけではなく上層階で発生した火事の消防活動時の水で水浸しになってしまうこともあります。このような時のためにも、今一度火災保険の確認をしていただきたいと思います。また、地震保険とセットで加入できるものもありますので、お家の家財が増えたり、リフォームなどをした際には見直しも必要となってきます。大震災が発生した時の地震保険でも必要となりますので、スマートフォンで契約番号だけでも写真で撮影し保管しておくことも大切な備えとなります。

防災訓練は失敗させる、本気でやる

防災訓練を担当させていただくこともありますが、遊びのような防災訓練は全く意味がありません。特に企業の場合は、防災担当の方が責任を取ってくれるのであれば、細かな説明は一切なしで、消火器の使い方も教えません。その状態で突然、火災発生や地震が来たと想定して慌てさせます。そうすることによって、すごく緊張感が走りますが、やはり危機感を持って防災訓練を行うということが最も重要だと思っています。
失敗の経験をしてもらう。消火器を間違って下に噴射してしまう、使い方が分からず、教えてもらえない状況で、自分で考えて行動し失敗するという経験は必ず脳裏に焼きつきます。緊急時に、瞬時に正しい判断ができるかどうかというのは、このように頭の中に染み付いているかどうかで決まると思っています。

また、本気で防災訓練をやるのであれば、例えば小さいお子さんを抱え、さらに防災バッグを抱えて避難行動をするべきだと考えています。実際の火事や大地震の時は、そうやって避難されると思いますので、同じような体験をしていただくと、いかに無駄なものが多いかということに気づくきっかけとなります。本当の災害時には訓練の100倍以上の緊張感が走りますので、ぜひ、本気の防災訓練を行っていただきたいと思います。

最初に首都直下型地震をテーマにお話しましたが、消防隊の方たちも助けに来てくれないと思ってください。火災から自宅や家族を守れるのは自分しかいないと考えていただいた方が良いと思います。その覚悟で、どうしたら良いかと防災について改めて考え直していただき、自助・公助という言葉がありますが、各家庭では「自分たちで自分たちの身を守る」という自助の意識を持つことが、都市全体の防災、都市全体の人たちの命を守ることに繋がると思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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