Win11新バージョンではどのような不具合がある?対処法を解説
Windows 11(Win11)の大型アップデートは、利便性が向上する一方、不具合が発生するリスクもあるため、不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
2026年6月現在における一般ユーザー向けの最新バージョンはWindows 11 25H2ですが、更新プログラム関連の不具合がいくつか報告されています。
中にはパソコンが起動できなくなる事例など深刻な影響も報告されており、日常使用やビジネスに支障を来す原因になる可能性もあるため注意が必要です。
今回は、Win11最新バージョンの不具合報告をまとめると共に、不具合が発生したときにユーザーが取るべき行動や、やってはならない対処法についてご紹介します。
この記事を読めば、現在報告されているWin11の不具合情報や、今後どうすべきかを判断しやすくなります。
Windows 11最新バージョンの概要

Win11の最新バージョンは大きく分けると24H2と25H2の2つに分類されます。
時系列では24H2→25H2の順に公開されましたが、両者は共通のシステム基盤を使用しているため、発生する不具合にも共通点が多く見られます。また、Win11ユーザーも24H2と25H2に分散されていることから、本記事ではそれぞれのバージョンについて取り扱います。
以下では、24H2と25H2それぞれのバージョンの概要についてまとめました。
24H2の概要
24H2とは、2024年10月1日に一般公開されたバージョンです。
一部機能については、AI機能をPC本体で高速かつ安全に実行するために設計されたCopilot+PC向けになっています。一方で、一般的なPCについても、UIの改善やWi-Fiアクセス制御の強化、Wi-Fi 7対応への正式サポートといったメリットを受けられます。
アップデートはWindows Updateから簡単に行うことが可能です。また、設定にて「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオンにしているユーザーなら、自動的に案内されている可能性があるでしょう。
25H2の概要
25H2は2025年9月30日に一般公開されたバージョンです。
Win11の年次アップデートの1つですが、前述した24H2と同じコードベースを使用しているため、24H2と比べて機能面にさほどの違いはありません。
アップデート方式も、月次更新にて新機能をPC内に非アクティブ状態で保存する有効化パッケージ(eKB)が採用されています。実際のアップデートでは、非アクティブ状態の新機能のスイッチをオンにするだけで済むため、ユーザーは再起動1回だけで簡単に更新できます。
こちらも24H2同様、「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」をオンにしていれば、自動で案内される仕組みです。
26H1は特定シリコン専用
ここまで一般PC向けに展開されている24H2と25H2について説明しましたが、実は両者の公開よりも後の2026年2月10日に26H1というバージョンが公開されています。
26H1は2026年6月現在、Win11の最新バージョンですが、Qualcomm Snapdragon X2 Seriesなど特定の新世代シリコンに対応したものであり、24H2や25H2とはコアを共有していません。
また、24H2や25H2から26H1へ直接アップデートはできません。対応シリコンを搭載したデバイスを持っていない場合はアップデートの対象外です。
以上の理由から、本記事では24H2および25H2のみの不具合をまとめています。
Win11最新バージョンで報告されている不具合

2026年6月現在、Win11の最新バージョンで報告されている主な不具合をご紹介します。
セキュリティ更新プログラム「KB5094126」のインストールエラー
24H2および25H2向けにリリースされたセキュリティ更新プログラム「KB5094126」では、インストールするとさまざまなトラブルが発生するという不具合です。
HPやDellなど一部メーカーの法人向けモデルで多く確認されており、「BitLockerの回復画面がループする」「ブルースクリーンが表示される」「Secure Bootの署名検証エラーが出る」といった事例が報告されています。
中にはアップデート後にブラックスクリーンが表示され、起動に失敗するケースも確認されています。
2026年6月23日現在、Microsoftはこの不具合を認識していますが、修正プログラムはまだ提供されていません。なお、一時的な対処方法として、以下のような対策が有効だったという報告があります。
- パソコンを再起動中に、UEFI(BIOS)に入るためのキーを押す
- BIOSメニューで「セキュリティ」または「起動(Boot)」などのタブから「セキュアブート(Secure Boot)」を選択してクリック
- セキュアブートが有効(Enabled)になっている場合、無効(Disabled)に切り替える
- BIOSメニューで変更を保存し、パソコンを再起動させる
なお、セキュアブートが有効になっているかどうかは、「スタート」→「ファイル名を指定して実行」→「msinfo32」と入力すると確認可能です。
ただし、セキュアブートを無効化すると、未署名のソフトウェアが実行可能になる関係上、セキュリティリスクが高まることが懸念されます。
そのため、問題が解消した後は、同じ手順で再度セキュアブートを有効化しておくことをおすすめします。
エクスプローラーからOneDriveにアクセスできない不具合
エクスプローラーのナビゲーションウィンドウに表示される、フォルダーツリー内の「OneDrive」をクリックしてもアクセスできないという不具合が報告されています。
この不具合は、ユーザーアカウント制御設定(UAC)を「通知しない」にしている環境で発生することが確認されています。そのため、一時的な対処法として「通知する」に変更することで改善できるようです。
なお、この不具合はエクスプローラーのナビゲーションウィンドウでのみ発生します。右枠(右ペイン)からOneDriveフォルダーを開いたり、ブラウザからWeb版のOneDriveにアクセスしたりすることは可能です。
そのため、現時点で特に不便を感じていない場合は、Microsoftによる修正プログラムを待つという選択肢もあるでしょう。
外部アプリからOfficeを開けない不具合
セキュリティ更新プログラムである「KB5094126」や「KB5094127」をインストールすると、外部アプリを介してOfficeを開けないという不具合が報告されています。
これは外部アプリからOfficeを呼び出す際に用いられるソフトウェアの連携・データ共有機能がクラッシュすることに起因しているようです。例えば、会計ソフト経由でExcelを呼び出すとアプリがクラッシュし、ドキュメントを開けなくなるケースが確認されています。
2026年6月23日現在、Microsoftは不具合の修正に取り組んでいますが、現時点では外部アプリを介さず、直接Officeを開く方法が一時的な回避策のようです。
ただし、毎回Officeを手動で起動する必要があるため、利便性の面では不便です。今後の修正プログラムの提供が待たれます。
ごみ箱に関する不具合
ごみ箱に入れたファイルを削除する際、ファイル名が正しく表示されないという不具合が報告されています。
通常、ごみ箱を開いた際にはユーザーが設定した元のファイル名が表示されますが、特定のファイルを完全削除しようとすると、ダイアログボックスに表示されるファイル名が内部的なファイル名($Rxxxxx.ext)になるところが特徴です。
この不具合はダイアログボックス上の表記のみに影響するものであり、削除処理自体は問題なく実行されます。
ただし、削除確認時に対象ファイルを判別しにくくなるため、ごみ箱からファイルを削除する際は誤って別のファイルを削除しないよう慎重にファイルを選択した方が良いでしょう。
なお、この不具合はMicrosoftも認識しており、今後修正が行われる見込みです。
セキュリティ更新プログラム「KB5089549」のインストールエラー
2026年5月に公開されたWindowsセキュリティ更新プログラム「KB5089549」をインストールする際、一部のデバイスにてインストールエラーが発生する事象が報告されていました。
原因はEFIシステムパーティション(ESP)の空き領域不足であり、特にデバイスの空き領域が10MB以下の場合に発生しやすい傾向があります。
この不具合は、インストール自体は正常に開始されるものの、途中でエラーが発生し、インストール失敗のメッセージが表示される点が特徴です。
ただし、この不具合に関してはすでにWindowsの更新プログラムによって解決済みであり、2026年5月26日以降にリリースされた更新プログラムを利用している場合、特別な対応は不要です。
一方、5月26日以前の更新プログラム環境で同様の不具合が発生した場合は、以下のような対策を講じるのが有効です。
ESPレジストリ設定を変更する
ESPレジストリ設定を変更し、更新プログラムのインストールを許可する方法です。
基本的な手順は以下の通りです。
- あらかじめレジストリをバックアップする
- 管理者としてコマンドプロンプトを開く
- コマンド「reg add “HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Bfsvc” /v EspPaddingPercent /t REG_DWORD /d 0 /f」を実行する
- PCを再起動して変更を適用する
- 更新プログラムのインストールを実行する
この方法は比較的簡単な対処法ですが、レジストリ設定の変更で誤るとシステムに深刻な影響が出る恐れがあります。
そのため、設定変更する際は事前にレジストリのバックアップを取り、問題が発生した場合に復元できるよう準備しておく必要があります。
なお、レジストリを手動でバックアップする方法は、以下の通りです。
- スタート→検索ボックスに「regedit.exe」を入力する
- レジストリエディターにて、バックアップするレジストリキーまたはサブキーを探してクリック
- 「ファイル」→「エクスポート」を選択し、バックアップコピーを保存する場所およびファイル名を決めて保存する
また、バックアップしたレジストリは以下の手順で復元できます。
- スタート→検索ボックスに「regedit.exe」を入力する
- レジストリエディターにてファイル→インポートを選択し、バックアップコピーを保存した場所からバックアップファイルを開く
ただし、前述したように現在は新たな更新プログラムを利用することで問題は解決できるため、あえてレジストリを変更して旧環境を維持する必要性は低いといえます。
既知の問題のロールバック(KIR)によるリスク回避
既知の問題のロールバック(KIR)とは、Windowsアップデートによって重大な問題が発生した場合に、不具合が起きている機能のみを対象として、更新前の正常に稼働していた状態へ戻して復旧を試みる仕組みです。
KIRは、一般ユーザーおよびIT管理者によって管理されていないビジネスデバイスでは、自動的に適用される仕組みとなっています。そのため、パソコンを再起動させれば、修正内容が反映され、問題が早期に解消される場合があります。
一方、Windows更新プログラムがIT管理者によって管理されている場合は、使用しているバージョンのグループポリシーをダウンロード&インストールして展開すればOKです。
まとめ

Win11の更新プログラムをインストールすると、インストールそのものにエラーが生じたり、インストール後に何らかの不具合が起こったりすることがあります。
中にはパソコンそのものが起動できなくなるような深刻な影響をもたらすものもあるため、これから最新バージョンに移行する人や、すでに移行済みの人は既知の不具合の内容を事前にチェックし、もしものときの対処方法を確認しておくことが大切です。
ただし、レジストリ設定の変更を伴うケースに関しては、工程を誤るとシステムにトラブルが生じる原因につながる可能性があるため、慎重に判断する必要があります。
また、既知の不具合に関しては今後のアップデートで修正される可能性があるため、Microsoftの最新の情報を定期的に確認することをおすすめします。