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インターネット回線は複数契約できる?メリットや注意点をチェック

障害対策や用途ごとの使い分けなど、さまざまな理由でインターネット回線を複数契約しようと考えている企業担当の方もいるのではないでしょうか。インターネットの複数契約は可能ですが、事前に複数契約のメリット・デメリットや注意点を把握しておく必要があります。

この記事では、インターネット回線を複数契約する主な目的や方法について紹介します。メリット・デメリットや注意点についても解説するので、自社のニーズにマッチしたインターネット回線を選ぶためにも、ご一読ください。

インターネット回線を複数契約することは可能?


インターネット回線の複数契約(1か所の設置場所に2回線以上敷設すること)自体は可能です。物理的に光回線を敷設できないなど、状況によって2回線目以降を引き込めないケースはありますが、イレギュラーが発生しなければ問題なく契約できます。

複数契約するときは目的をはっきりさせ、ニーズを満たすところを選ぶとよいでしょう。複数契約にはメリット・デメリットの両面があるため、契約してから後悔しないためにも事前のチェックが大切です。

インターネット回線を複数契約する主な目的


インターネット回線を複数契約する目的は、障害対策や負荷分散、使い分けなどさまざまです。ここでは、複数契約することがそれぞれの目的を達成する上でどのような効果があるのかを見ていきましょう。

障害時のバックアップ

複数のインターネット回線を使い分ける主な理由のひとつが障害時のバックアップです。利用できる回線が1回線のみだと、通信事業者側の設備トラブルや光ファイバーケーブルの断線、ONU(光回線の終端装置)の故障などが発生したときにインターネットを利用できなくなってしまいます。

事前に複数回線契約しておけば、メインとして使っている回線に障害が発生したときでももう一方の回線を使用して業務を継続できます。可能な限り業務を停止させたくないと考えているなら、バックアップ用の回線を用意しておくのがおすすめです。

負荷分散

インターネット回線の負荷が増大すると通信速度の低下などが発生し、利便性が下がります。複数回線用意することで、接続する機器を適切に振り分ければ双方の回線にかかる負荷を軽減できます。

インターネット回線側(公衆網側)の負荷が増大して通信速度が低下している場合でも、別の回線に切り替えることで問題なく通信できる可能性もあります。

用途ごとの使い分け

複数回線を用意して用途ごとに使い分けるのもおすすめの方法です。一例として、同じ建物内に店舗とオフィスを構えているなら、店舗用とオフィス用の回線を分けられます。

他にも、店舗内の回線をスタッフが使うものと来店客に開放するもので分けることも可能です。適切に使い分ければセキュリティ強化や利便性向上に役立ちます。

インターネット回線を複数契約する2つのパターン


インターネット回線の複数契約には、「光回線は1本でISPを2つ以上契約する方法」と「物理的に2本以上の光回線を引き込む方法」の2種類があります。

同じ複数契約でもどちらの形態を選ぶかで設定方法や使い方が異なるので、事前にチェックしましょう。それぞれの特徴を理解した上で、目的にマッチしたほうを選ぶのがおすすめです。

ISPのみを2つ契約する

物理的に引き込む光回線は1本のみで、ISP(プロバイダ)のみを2つ以上契約する方法があります。NTT地域会社が提供しているフレッツ光であればマルチセッションに対応しているため、標準で2つまでの同時接続が可能です。

ONUやルーターを複数用意する必要はなく、マルチセッション関連の設定を行うだけで自動に接続できます。デバイスごとに接続するISPを指定することも可能なので、目的に応じて使い分けましょう。

この方法を選択した場合、どちらか一方のISPに障害が発生したときは別のISPに切り替えることで業務を継続できます。ただし、光回線の断線やNTT網内の障害など、回線自体に障害が発生すると両方とも使えなくなるのがデメリットです。

関連記事:「ISPとはどんなもの?契約してから後悔しないためのポイントもご紹介!」

光回線を2回線分引き込む

複数契約のもうひとつの形態は物理的に光回線を2回線以上引き込むものです。フレッツ光とNURO光あるいはケーブルテレビのように、提供会社が違う光回線を使い分けたい場合にこの方法を選択します。

光回線そのものを複数引き込む場合は、それぞれONUやルーターを設置して独立した回線として運用可能です。片方の回線に断線や障害が発生した場合でも、もう一方の回線が無事なら接続先を変更してそのまま利用できます。物理的に回線数が増えているため、バックアップとしてより有用です。

インターネット回線を複数契約するメリット


インターネット回線を複数契約することには、運用面や経理面でいくつかのメリットがあります。ここでは複数契約での主なメリットについて見ていきましょう。1回線のみの契約で何らかの不便を感じている方は参考にしてください。

一方の回線に障害が発生しても業務を続けられる

インターネット回線を複数用意し、どちらか一方に障害が発生したときのバックアップとして使えるようになっていれば可用性が高まります。オフィスのインターネットが1回線しかない場合、障害によって接続できなくなると業務そのものが停止しかねません。

しかし、バックアップ用の回線があれば切り替えることによってこれまで通り業務を続けられます。業務が停止するリスクを軽減したいと考えているなら、複数契約してバックアップ回線を用意するとよいでしょう。

割引を受けられるケースがある

光回線を提供している通信事業者によっては、複数回線を契約すると一定金額の割引を受けられるサービスを実施しています。

店舗とオフィス、メインオフィスとサテライトオフィスのように同一事業者の回線を複数引き込みたい場合は、割引を行っている回線を選ぶとよりお得です。

すべての光回線事業者がいずれも複数回線契約による割引を提供しているわけではないため、事前に提供約款を確認しましょう。

料金負担を明確化できる

店舗とオフィスそれぞれで光回線を必要としている場合は、複数回線契約してそれぞれの回線を分けることで料金負担を明確化できます。1回線を使い分けている場合、費用負担を明確化するのは難しいものです。

複数回線を使い分けることで、どちらの回線でどの程度の請求が発生したのか明らかになり、経理がスムーズになるでしょう。オフィスが分散している企業でも同様の効果に期待できます。

インターネット回線を複数契約するデメリット


インターネット回線を複数契約することにはパックアップ面や経理面で多くのメリットがありますが、見逃せないデメリットもあるので注意が必要です。主にコスト面や管理面でいくつかのデメリットがあるため、導入してから後悔しないためにもここでチェックしておきましょう。

契約数分の費用がかかる

複数の回線を契約して使用することになるため、契約数分の費用が発生します。ISPのみ複数契約するケースと物理的に複数の光回線を引き込むケースの両方に当てはまり、具体的な費用負担は以下の通りです。

・ISPのみ複数契約するケース: 1回線分の光回線料金+契約数分のISP料金
・物理的に複数回線を引き込むケース: 引き込んだ回線数分の光回線料金+ISP料金

いずれの場合でも、回線を増やした分だけ支払うコストが増えると覚えておきましょう。コスト負担の増加に見合うリターンを得られるのか考慮することが大切です。

管理の手間が増える

回線数が増えれば、その分管理する手間も増えます。複数回線を引き込むとONUやルーターも回線数分必要になり、それぞれに接続設定やセキュリティ設定を行わなければなりません。

ISPのみ複数契約するケースでも、それぞれPPPoE認証の設定を行ってデバイスごとに適切なISPに振り分けるように設定する必要があります。1回線のみ契約する場合と比較して設定・管理の手間が増えるため、適切に管理する体制を整えましょう。

設備の都合で導入できないケースがある

設備の都合によっては、複数回線導入したくても導入できないケースがあります。ISPのみ複数契約するケースでは問題ありませんが、物理的に2回線以上引き込みたい場合は注意が必要です。主に以下の理由によって導入不可になることがあります。

・配管の空きがなく新たな光ファイバーを通せない
・2回線目の光回線がサービスエリア外だった
・建物全体で契約している光回線事業者がある

特にオフィスビルや雑居ビルにテナントとして入居している場合に起こりがちなトラブルなので、事前にビルの管理者に確認しておくとよいでしょう。分譲マンションの一室にオフィスを構えているケースも該当します。

インターネット回線を複数契約するときの注意点


複数契約を検討している方は、手続きを進めてから導入できずに計画が頓挫してしまわないためにも、事前にいくつかのポイントをチェックしておきましょう。ここでは、契約前にチェックしておきたい特に重要なポイントをピックアップしました。

契約したい回線の提供エリア内か確認する

各通信事業者が提供する光回線を使用するためには、オフィスが当該光回線の提供エリア内に存在しなければなりません。NTT地域会社が提供するフレッツ光なら提供エリアが広いため問題になるケースは少ないものの、auひかりやNURO光などを検討しているなら注意が必要です。

多くの通信事業者でエリア検索サービスを提供しているため、オフィス所在地がサービスエリア内かどうかをはじめに確認しましょう。

オフィスまで問題なく引き込めるか確認する

導入したい光回線のサービスエリア内であることを確認したら、オフィス内まで問題なく引き込めることをチェックしましょう。特に重点的に見ておきたいポイントは以下の通りです。

・MDF室からオフィスまで配管が通っているか
・配管に損傷があったりすでに埋まっていたりしないか
・MDF室内のスプリッタに空きポートがあるか

雑居ビルやオフィスビルで自社だけでは確認できない場合は、管理者に問い合わせることをおすすめします。回線工事日にはMDF室の鍵を開ける必要があるため、同時に手配しておくとスムーズです。

サービス内容に問題がないか確認する

契約する光回線のサービス内容に問題がないかチェックすることも忘れないようにしましょう。ビジネスで使用する場合、固定IPやVPN、ドメインなどが必要になることがあります。

これらのオプションサービスを必要とする方は、契約予定の通信事業者が提供しているかチェックしてから手続きを進めましょう。必要なサービスを提供していないところと契約してしまうと、業務に支障が出たりすぐに乗り換えが必要になったりします。

なぜインターネット回線を複数契約する必要があるか原因を考えよう

自社のニーズにマッチした光回線を選ぶためには、なぜ複数契約が必要なのかをはっきりさせることが大切です。バックアップ用の回線が必要なのか、セキュリティを確保するために使い分けたいのかによっても適切な光回線は異なるでしょう。

中には、すでに使用している光回線の速度が安定しておらず、業務に支障が出ていることもあるのではないでしょうか。そのような理由で複数回線契約を検討しているなら、安定した光回線に乗り換えることで解決する可能性があります。

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まとめ


インターネット回線は不具合で接続が切れたり、不安定になったりすることがあります。このようなトラブルが発生したときの対策として、複数のインターネット回線を用意するのが有効です。

複数回線を用意することで、障害発生時のバックアップとして活用したりセキュリティを強化するために用途ごとに使い分けたりできるようになります。現在、使用する光回線の速度が安定しておらず業務に支障が出ている場合は、複数回線契約にする以前に、安定した光回線に乗り換えることで解決する可能性があります。

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