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ペーパーレス化に必要な環境とは?事例で分析するペーパーレス化のメリット

税金関係や労務の手続きでの電子化など、政府主導のペーパーレス化が進んでいます。最近は企業のペーパーレス化も進んでいるため、どのようなメリットがあるのかを知りたい方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ペーパーレス化のメリットやペーパーレス化に必要な環境について紹介します。ペーパーレス化で業務の効率が改善された成功事例も取り上げているので、ペーパーレス化の方法をより具体的に把握できるでしょう。

ペーパーレス化推進が求められる背景

ペーパーレス化という考え方は、1970年頃に生まれています。しかし、当時はパソコンやタブレットなどの電子媒体はなく、ペーパーレス化を進めるのは困難でした。50年経過した現在ではスマートフォンやインターネットの普及などにより、ペーパーレス化が加速しています。ここでは、ペーパーレス化が求められる背景を2つ紹介しましょう。

地球の自然環境の改善

ペーパーレス化が推進される理由のひとつは、地球の自然環境の改善です。紙の原料となる森林を伐採するスピードと、植林による森林の再生スピードが比例していないために、ペーパーレス化による森林の保護が叫ばれています。

古紙の利用などによるリサイクルも進んでいますが、古紙も元をたどると原料は木材です。企業内のペーパーレス化を推し進めれば、環境の保全にも貢献できるでしょう。また、紙の生産工程や焼却で大量の二酸化炭素も排出されています。森林を保護することで、二酸化炭素による地球温暖化の対策にもなる仕組みです。

日本政府の施策

世界的なペーパーレス化や電子化が進む中で、日本政府もペーパーレスによる労働環境の改善や機密書類の維持管理を推し進めています。2013年には「世界最先端IT国家創造宣言」により、行政データ連携標準の導入や自治体クラウド導入などが取り入れられました。

また、2018年には「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」により、行政サービスの大幅な改善がなされています。2019年度以降の政府の政策は以下の通りです。

政策名具体的な取り組み
行政サービス改革デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップなどの、デジタル化による行政サービスのスマート化を実現させる
地方のデジタル改革クラウド導入の促進やオープンデータの推進、キャッシュレスによる経済の拡大を進める
民間部門のデジタル改革共有可能な産業データの活用や情報銀行によるデータの活用を推進する

ペーパーレス化で改善された社内環境の事例


総務省の情報通信白書(2020年版)によると、2020年はコロナウイルス感染症の拡大をきっかけにテレワーク導入の増加や電子契約の利用などの、対面によらない生活様式への取り組みが加速しています。

その結果、この機会にペーパーレス化を推進する企業も増えるようになりました。ここでは、ペーパーレス化で改善された社内環境の事例を2つ紹介します。

野村総合研究所の取り組み

東京都千代田区に本社を置く野村総合研究所では、ペーパーレスの取り組みだけではなく、紙にとらわれない働き方改革を進めることでペーパーレス化に成功しました。具体的には、以下の取り組みによる企業のペーパーレス化を進めています。

・整理整頓による「捨て捨て」の取り組み
足元や共用キャビネットになどの整理整頓を実施し、紙で保管していた不要な書類を廃棄処分しました。5回に渡る整理整頓により、合計で920箱の書類の廃棄に成功しています。

・オフィスの改善
本部で勤務する社員全員にノートパソコンを普及して、ペーパーレスで仕事ができる環境に変えました。

また、ミーティングスペースや休憩スペースを設置して、社員がどこでも自由に仕事ができる環境作りを図っています。ペーパーレス化を社員にも還元したことで、社員にもペーパーレス化に対する意識が高まりました。

長野県長野市の事例

地方自治体では、長野県長野市がペーパーレス化の推進に成功しています。毎回の会議で使用する大量の紙が問題となっていましたが、情報通信技術を活用してペーパーレスを可能にしました。

・会議資料の作成方法のルール化
資料データをA4版、指定のソフトウェアに統一したことで、スムーズな会議を実施しています。パソコンで表示させるのが難しい資料は、大型プロジェクターによる表示で問題を解消しました。

・会議資料の提出のルール化
資料の準備を当日ではなく、指定日までに専用のフォルダに保存するように徹底しています。またアクセス権を使うことにより、利用して公開が可能な資料は全職員が閲覧できるように、公開が不可能な資料は会議参加者のみが閲覧できるように分けました。

ペーパーレス化の7つのメリット

経営者の中には、ペーパーレス化は自社にどのような利益をもたらすのかと考える方もいるのではないでしょうか。企業のペーパーレス化には、「コストの削減」「リスクの軽減」「企業のイメージアップ」などの利益をもたらします。ここでは、ペーパーレス化の主なメリットを7つにまとめました。

業務効率が上がる

情報がデータ化されることで、容易な検索が可能です。また、パソコンやタブレットを利用すればデータの共有などもスムーズにできます。データを使用すると、コピーして資料をホチキスで留めて配布する行為が不要なため、業務効率が上がるでしょう。

コストが削減される

印刷機の購入費用やメンテナンス費用、資料の郵送費、シュレッダーや廃棄業者の手配など、紙の資料には紙代の他にもさまざまな費用がかかります。ペーパーレス化をすると、パソコンやタブレットの購入費用はかかりますが、維持費の削減が可能です。企業のコスト削減につながるでしょう。

スペースを広く使える

企業は「会議の資料」「自社のデータ」「契約書」など、さまざまな紙媒体を保管しなければなりません。ペーパーレス化をすれば、書類を端末で管理できるので、書類などを保管する場所が不要になるでしょう。空いたスペースを会議室にしたり、従業員を増やしたりと別の目的に活用できます。

劣化や紛失のリスクが減る

データで管理すれば、書類のように劣化しません。書類は盗難や火災などで紛失するリスクがあり、状況によっては復元が難しいでしょう。データであればクラウドなどへのバックアップも可能なので、万が一のトラブルが起きたときも安心です。

情報漏洩のリスクが減る

書類の場合、保管場所を特定されると持ち出されるリスクがあります。閲覧だけでなく複製も可能なので、悪用される恐れもあるでしょう。データであれば、特定のメンバーのみにアクセス可能にした上での管理が可能です。また、セキュリティソフトを使用すれば、外部からのアクセスも防げます。

環境にやさしい企業イメージがつく

ペーパーレス化は森林伐採による環境破壊や、二酸化炭素の排出防止への貢献が可能です。そのため、環境に配慮した企業というイメージがつくでしょう。好ましいイメージを消費者や取引先の企業に与えれば、販売向上や利益のアップにつながります。

ペーパーレス化に必要なITインフラ環境

インフラとは下部組織や基盤という意味を持つ英単語です。ITインフラとはパソコンやサーバーなどのハードウェアと、OSやアプリケーションなどのソフトウェアを指しています。

企業のペーパーレス化を導入するには、機密情報の漏洩やデータ改ざんなどを防ぐために、最初にITインフラを整備しなければなりません。ここでは、ペーパーレス化に必要なITインフラ環境を紹介します。

パソコン・OS

ペーパーレス化を進めるには、オフィスにどのくらいのパソコンをそろえるべきか、業務をスムーズに行うにはどのくらいのスペックが求められるのか、パソコンはどのOSが適しているのかなどを検討しましょう。

特にOSについてはWindowsとMacで互換性が求められるため、専門家に相談しながら進めます。最近ではタブレットなど、端末機器の選択肢も増えました。タブレットは簡単に持ち運びが可能で、営業ツールやプレゼンテーションに役立つアイテムです。社内だけでなくお客様に対してもペーパーレス化できるので、揃えておくとよいでしょう。

ネットワーク

ファイルをパソコンの中で管理するのがペーパーレス化です。適切な管理をするには、ネットワークの構築が求められるでしょう。

ネットワークにはケーブルを使用する有線タイプと、Wi-Fiを使用する無線タイプがあります。有線タイプは通信速度が速いメリットがありますが、無線タイプならケーブルを使用しないので自由度が高いのが特徴です。ただし、外部アクセスからのリスクがあるので、セキュリティ対策も欠かせません。

共有システムの導入

紙の資料を保管するキャビネットがあるのと同じように、ペーパーレス化したデータを保管する場所や共有するシステムが必要です。USBやメール添付でファイルを共有することもできますが、効率的とはいえません。パソコンのローカルに保存していく方法も限界があります。

社員が自由に閲覧でき、ファイルの共有ができるシステムを用意しておきましょう。強固なセキュリティ対策を施せば、社外からでもアクセスできるようになります。

窓口ひとつ!ペーパーレス化の環境設定ならイッツコムへ

ペーパーレス化を進めるには専門的な知識、手間や時間がかかります。これからペーパーレス化を試みるという方は、システム構築からネットワーク回線の導入まで窓口ひとつのイッツコムにお任せください。ここでは、イッツコム自慢のサービスを4つ紹介します。

高セキュアで高速通信「イッツコム光接続サービス」

データ通信やファイル共有にはネットワーク回線が欠かせません。イッツコムの回線は、東京・川崎・横浜をメインとした法人用の光回線サービスです。イッツコム光接続サービスには以下の特徴があります。

・高速回線サービス
世界標準の通信規格で設計したFTTHサービスをベースに下り2Gbps、上り1Gbpsの高速回線のサービスを提供しています。大容量のファイルや動画の送受信もストレスフリーで扱えるでしょう。

・安心のサポート体制
FTTH回線網とプロバイダーサービスを一括で提供しており、トラブルが発生したときも気軽に相談できます。専門スタッフがスピーディーにサポートするので、安心してサービスを利用できるでしょう。

来客やサイネージにおすすめ「かんたんWi-Fiサービス」

店舗看板・メニュー・ポスターもデジタル化にしたい企業には、かんたんWi-Fiサービスがよいでしょう。主な特徴は以下の2つです。

・簡単に利用可能
Wi-Fiを設置するためには、無線LANの環境整備をしなければなりません。しかし、かんたんWi-Fiなら、Wi-Fiアクセスポイント装置に電源コードとLANケーブルを挿すだけですぐに利用可能です。

・ネットワークシステムの変更が不要
社内ネットワークや社内システムの設定変更は不要なので、すでに社内ネットワークを構築している企業でも簡単に切り替えられるでしょう。

データ化した書類をスマートに共有「box」

大切なファイルを安全かつスピーディーに利用したい方は、boxがおすすめです。主に2つの特徴があります。

・容量無制限
動画や画像などの大容量ファイルの送受信もストレージを気にせずに利用可能です。会議などの長時間動画の管理も簡単にできるでしょう。

・簡単なコラボレーション
1か所でファイルの編集・共有・検討が可能なので、煩わしさがありません。編集時のリアルタイム通知により、いつでも最新の情報を入手できます。

・さまざまなファイル形式に対応
boxの対応ファイル形式は120以上です。専用ソフトをインストールしなくてもファイルを閲覧できます。

名刺をデジタル化して顧客管理「ホットプロファイル」

ホットプロファイルは名刺や顧客の管理を実現させた高性能の名刺管理ツールです。主に以下の特徴があります。

・お客様カルテ
効果的な営業活動をするには、名刺の交換だけではなく管理の仕方にも注意しましょう。ホットプロファイルは1画面に顧客に関する情報を表示するため、スピーディーな情報収集が可能です。

・セキュリティシステム
名刺交換による顧客や取引先の情報も企業にとっては大切な資産です。経済産業省のクラウドセキュリティガイドラインに準じたセキュリティシステムで情報を守ります。

まとめ


企業の成長にはペーパーレス化が欠かせません。導入するにはネットワーク回線を引いたり、端末機器を揃えたりと準備が必要です。しかし、紙で情報共有するよりも便利で多様性があるため、業務効率化にもつながります。ただし、ネットワークを通じての情報交換には危険なリスクも多くあります。

イッツコムでは、企業の安全を守る高セキュアなネットワークシステムを提供することが可能です。ネットワークだけではなく、業務を効率化する拡張サービスも豊富に取り揃えていますので、お客様の環境に合わせてご提案いたします。この機会にぜひイッツコムをご利用ください。