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便利なGoogleスプレッドシート関数19選!基本ルールから独自関数まで

Googleスプレッドシートはテレワーク環境と相性が良く、Excelに代わって標準の表計算ツールとして採用する企業が増えています。自社でもGoogleスプレッドシートを使う機会が増えており、便利なGoogleスプレッドシート関数を知りたい企業担当の方も多いのではないでしょうか。

Googleスプレッドシート関数のバリエーションや使い方を知ることで、テレワーク環境で表計算ソフトを便利に活用できます。Googleスプレッドシートを使いこなすツール整備にも目を向け、より効率的なビジネス環境を整えましょう。

そこでこの記事では、Googleスプレッドシートの基礎的な関数から独自関数までの構文と使用例、組み合わせて利用したいクラウド型サービスについてご紹介します。

Googleスプレッドシート関数の使い方


GoogleスプレッドシートはWebブラウザやモバイルアプリから誰でも無料で使えます。インターフェースや関数・構文の仕様はExcelと同様です。Excelを使い慣れていれば簡単に利用できますが、サポート機能もあるので初心者でも使いやすいでしょう。まずはGoogleスプレッドシートの関数の特徴や基本ルールを解説します。

関数の使い方はExcelとほぼ同様

Googleスプレッドシート関数の構文は「=関数名(参照セル,要素A,要素B)」のような形が基本で、関数名も構文もExcelと変わりません。

Excelの関数はマイナーなものも含めれば500近くに及びますが、Googleスプレッドシートはそのほとんどをカバーします。GoogleスプレッドシートはGoogleサービス関連の関数があるなど、お互い独自の関数がありますが、スキルは流用可能です。

参照セルや要素を記述するルール

関数でセルを参照する場合、ひとつのセルを参照するなら「A1」、範囲を参照するなら「A1:A10」や「A1:B10」と表記します。

要素にアルファベットや日本語を記述する場合、テキストは二重引用符で囲うことが必要です。例えば言語コードの「jp(日本語)」や「en(英語)」は「”jp”」「”en”」と表記し、「合格」「不合格」は「“合格”」「“不合格”」と入力します。このルールを守らなければエラーが出ることに注意しましょう。

サポート機能で初心者も使いやすい

スプレッドシート関数を使い分けるには、関数の名前や使い方を記憶する必要があって大変というイメージがあるかもしれません。

Googleスプレッドシートは構文を手入力しなくても、メニューバーの「Σ」またはセル入力欄の「fx」をクリックすると、関数一覧から目的の関数を使用できます。入力中にも構文を守って記述できるようにサポート表示があるため、基本的な使い方を覚えれば誰でも関数を活用できるでしょう。

【基本編】便利なGoogleスプレッドシート関数10選


使用頻度の高いGoogleスプレッドシート関数は、IF関数やSUM関数、AVERAGE関数などです。ここでは、基本的なスプレッドシート関数を構文と使用例とともに解説します。なお、構文内の「[ ]」で囲んだ要素は追加要素なので省略可能です。

IF関数:ひとつの条件で真偽判定

IF関数とは、「はい(真)/いいえ(偽)」で答えられる論理式を与えて、TRUE値またはFALSE値を返すスプレッドシート関数です。指定した条件を満たすかどうかという真偽判定に用いられます。

構文は「=IF(論理式, TRUE値, FALSE値)」です。論理式には「=(等しい)」の他、「>(未満)」や「>=(以下)」、「<(より大きい)」や「<=(以上)」も使えます。 例えば「=IF(D3>=80, “合格”, “不合格”)」と入力すると、D3セルが80未満なら「不合格」、80以上なら「合格」と表示されるといった具合です。

IFS関数:複数の条件で真偽判定

IFS関数とは、複数の条件を段階的に真偽判定できるスプレッドシート関数です。「Yes or No」ではなく、「○ならA,○ではなく△ならB、△でもなく□ならC…」といった論理式を与えられます。

構文は「=IFS(条件1, 値1, [条件2, 値2, …])」です。例えば「=IFS(D3>90,”A”,D3>80,”B”,D3>70,”C”)」と入力すると、D3セルが95なら「A」、88なら「B」を73なら「C」を返します。

SUM関数:指定範囲の合計

SUM関数とは、指定範囲の合計値を表示するスプレッドシート関数です。購入した備品や売上の合計金額などを返す場合に用いられます。

構文は「=SUM(値1, [値2, …])」です。例えば「=SUM(D3:D100)」と入力すると、D3セルからD100セルまでの数値の合計を返します。

SUMIF関数:条件に一致する指定範囲の合計

SUMIF関数とは、範囲内の条件に一致するセルを合計するスプレッドシート関数です。項目名で条件を指定して、合致したものだけを合計する場合などに用いられます。

構文は「=SUMIF(範囲, 条件, [合計範囲])」です。例えば「SUMIF(C1:C10, “支払済み”, D1:D10)」と入力すると、C1~C10セルの中で「支払済み」と入力された行だけを抽出し、対応するD1~D10セルの合計を返します。

AVERAGE関数:指定範囲の平均値

AVERAGE関数とは、指定範囲の平均値を表示するスプレッドシート関数です。点数や稼働時間の平均値を算出する場合などに用いられます。指定範囲の数値だけを対象とするため、テキストや空白が含まれていても問題ありません。

構文は「=AVERAGE(値1, [値2, …])」で、複数範囲の指定も可能です。例えば「=AVERAGE(D3:D100,G3:G100)」と入力すると、D3~D100セルとG3~G100セルの範囲内の数値を全て抽出し、平均値を返します。

AVERAGEIF関数:条件に一致する指定範囲の平均値

AVERAGEIF関数とは、範囲内の条件に一致するセルの平均値を表示するスプレッドシート関数です。経費の中で特定項目のものだけの平均値を出したい場合などに用いられます。

構文は「=AVERAGEIF(条件範囲, 条件, [平均範囲])」です。例えば「=AVERAGEIF(C1:C10, “交通費”, D1:D10)」と入力すると、C1~C10セルの中で「交通費」と入力された行を抽出し、対応するD1~D10セルの平均値を返します。なお条件には「”<80"」などの数値判定も指定可能です。

COUNT関数:指定範囲の数値の個数

COUNT関数とは、指定範囲内の数値の個数を表示するスプレッドシート関数です。数値情報を入力済みの項目をカウントしたい場合などに用いられます。指定範囲の数値だけを対象とするため、テキストや空白が含まれていても問題ありません。

構文は「=COUNT(値1, [値2, …])」です。例えば「=COUNT(A2:A100,B2:B100)」と入力すると、A2~A100セルとB2~B100セルの中に含まれる数値を抽出し、その個数の合計を返します。

COUNTIF関数:条件に一致する指定範囲の要素の個数

COUNTIF関数とは、範囲内で条件を満たす要素の個数を表示するスプレッドシート関数です。年間のプロジェクトの内、特定条件に合致するものの個数を抽出する場合などに用いられます。

構文は「=COUNTIF(範囲, 条件)」です。例えば「=COUNTIF(A1:A100,”新規開拓”)」と入力すると、A1~A100セルの中で「新規開拓」が含まれるものを抽出し、その個数を返します。

MAX関数:指定範囲の最大値

MAX関数とは、指定範囲の最大値を表示するスプレッドシート関数です。最もコストのかかったプロジェクトや月間最高の成績を抽出する場合などに用いられます。

構文は「=MAX(値1, [値2, …])」です。例えば「=MAX(D2:D100,G2:G100)」と入力すると、D2~D100セルとG2~G100セルの中から、最大値を返します。

MIN関数:指定範囲の最小値

MIN関数とは、指定範囲の最小値を表示するスプレッドシート関数です。MAX関数とは逆に、最もコストのかからなかったプロジェクトや月間最低の成績を抽出する場合などに用いられます。

構文は「=MIN(値1, [値2, …])」です。例えば「=MAX(D2:D100,G2:G100)」と入力すると、D2~D100セルとG2~G100セルの中から、最小値を返します。

【応用編】便利なGoogleスプレッドシート関数6選


Googleスプレッドシート関数を活用すると、通し番号の自動振りや重複する行の破棄、テキストの部分抽出や行と列の入れ替えなども可能です。ここでは、応用的なスプレッドシート関数を構文と使用例とともに解説します。なお、構文内の「[ ]」で囲んだ要素は追加要素なので省略可能です。

ROW関数:通し番号の自動振り

ROW関数とは、指定したセルの行番号を返すスプレッドシート関数です。これを応用すると、自動で通し番号を振れます。

ROW関数の構文は「=ROW([セル参照])」です。例えば「=ROW()-3」と入力すると、ROW関数で自セルの行数を抽出し、その数値から3を引きます。これにより4行目なら「1」、5行目なら「2」と表示される仕組みです。通し番号を手入力するのは手間ですが、この方法なら任意の列に同じ構文を自動入力するだけで済みます。

UNIQUE関数:重複する行の破棄

UNIQUE関数とは、指定範囲の重複したテキストや数値を削除し、ユニークな(重複のない)行のみを返すスプレッドシート関数です。重複セルの削除の他に、ユニークなセルの組み合わせだけを抽出する目的にも活用されます。

構文は「=UNIQUE(範囲)」です。例えば「=UNIQUE(A2:B26)」と入力すると、指定範囲内のセルの組み合わせから重複するものを削除し、ユニークな組み合わせのセルだけを抽出できます。指定範囲に「東京都」「中央区」の組み合わせだけが複数あるなら、それ以外の組み合わせの行だけを返す仕組みです。

MID関数:テキストの部分抽出

MID関数とは、特定セルの文字列から、指定文字数だけを抽出するスプレッドシート関数です。顧客リストから都道府県を抜き、市町村だけを表示する場合などに活用されます。

構文は「=MID(文字列, 開始位置, セグメントの長さ)」です。例えば「東京都」は3文字なので、「=MID(B2,4,4)」と入力すると、B2セルの「東京都」を抜いた4文字以内(中央区など)を返します。

FILTER関数:条件に一致するセルの抽出

FILTER関数とは、指定範囲の条件に一致するセルのみを返すスプレッドシート関数です。複数エリア内の特定属性の顧客のみを抽出する場合などに活用されます。

構文は「=FILTER(範囲, 条件1, [条件2, …])」です。例えばC列に顧客名、D列にエリア名、E列に「見込み顧客」や「既存顧客」を入力しているとしましょう。この場合に「=FILTER(C3:E20, E3:E20 =”見込み顧客”)」と入力すると、「見込み顧客」のみを抽出したリストが表示されます。

SUBSTITUTE関数:指定テキストの置き換え

SUBSTITUTE関数とは、検索対象内の既存テキストを新しいテキストに置き換えるスプレッドシート関数です。類語の表現方法を変えたい場合などに活用されます。

構文は「=SUBSTITUTE(検索対象, 置換する文字列, 置換後の文字列, [置換回数])」です。例えば「=SUBSTITUTE(E3,”見込み顧客”,”リード”)」と入力すると、E3セルの既存テキスト「見込み顧客」を「リード」に置き換えられます。

TRANSPOSE関数:行と列の入れ替え

TRANSPOSE関数とは、指定範囲内の行と列を入れ替えるスプレッドシート関数です。読みにくい表の行と列を入れ替えたい場合などに活用されます。

構文は「=TRANSPOSE(配列または範囲)」です。例えば「=TRANSPOSE(C3:E20)」と入力すると、入力セルを基準に、行列を入れ替えた表が生成されます。

Googleスプレッドシート独自の便利関数3選


Googleスプレッドシートには、Excelでは対応していない独自の便利関数もあります。例えば、特定関数を指定範囲に適用するARRAYFORMULA関数や、Google翻訳による自動翻訳ができるGOOGLETRANSLATE関数などです。ここでは、Googleスプレッドシート独自の関数を、構文と使用例とともに解説します。なお、構文内の「[ ]」で囲んだ要素は省略可能です。

ARRAYFORMULA関数:特定関数を指定範囲に適用

ARRAYFORMULA関数とは、本来1セルずつ入力する必要がある関数を、指定範囲に適用できるスプレッドシート関数です。IF関数と組み合わせて、多数の行をひとつの数式だけで真偽判定する場合などに活用されます。

構文は「=ARRAYFORMULA(配列数式)」です。例えば「=ARRAYFORMULA( IF(C3:C200>=90,”合格”,”不合格”))」と入力すると、C3~C200までを一気に合否判定できます。ひとつの数式を編集するだけで下位行の真偽判定や数値計算などを一括変更できるため、セル数が多くなるほど便利な関数です。

GOOGLETRANSLATE関数:Google翻訳による自動翻訳

GOOGLETRANSLATE関数は、Google翻訳による自動翻訳ができるスプレッドシート関数です。多言語対応で表作成する場合などに活用されます。

構文は「=GOOGLETRANSLATE(テキスト, [ソース言語, ターゲット言語])」です。例えばB3セルの日本語「はじめまして」を英訳する場合、「=GOOGLETRANSLATE(B3,”ja”,”en”)」と入力すると、関数を入力したセルに「Nice to meet you」と表示されます。

ソース言語に「”auto”」と入力すると、言語の自動判別も可能です。テキストを書き換えると自動で翻訳されるので、使い方によっては高速な翻訳ツールとして活用できます。

IMAGE関数:Webから参照した画像を挿入

IMAGE関数とは、URLを参照してセルに画像を挿入できるスプレッドシート関数です。企業ロゴやWebサイトのトップ画像といった、定型的な画像を挿入したい場合などに活用されます。

構文は「=IMAGE(URL, [モード], [高さ], [幅])」です。例えば「=IMAGE(“https://www.google.com/images/srpr/logo3w.png”)」と入力すると、セル内にGoogleのロゴを表示できます。

なおIMAGE関数のモードは1~4です。

・1 :アスペクト比を維持してセル内に収まるように画像のサイズを変更する
・2 :アスペクト比を無視してセル内に収まるように画像を引き伸ばすか縮める
・3 :元サイズのまま画像を表示する(トリミングされる場合あり)
・4 :カスタムサイズに変更する

高さと幅はピクセルで指定しますが、カスタムサイズの場合はモードを4に指定することが必要です。

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まとめ


GoogleスプレッドシートはWebブラウザやモバイルアプリから無料で利用できる上、独自関数も含めて多数の便利関数を活用できます。共有も容易であるためExcelよりも使い勝手が良く、テレワーク環境の表計算ソフトとして標準利用する企業が増えている状況です。ただし保存先となるGoogleドライブは容量制限が厳しいことや、顧客関連情報の管理には向かないことに注意しましょう。

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