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オフィスの鍵管理方法は何がベスト?デジタル管理で課題解決を目指そう

オフィスの鍵は、閉め忘れや受け渡しの手間など、管理上のさまざまな課題を抱えがちです。より安全で効率的な鍵管理の方法を検討している方も多いのではないでしょうか。こうした課題を解決するためには、アナログ管理からデジタル管理へ移行することが効果的です。

この記事では、鍵管理方法の基礎知識や具体的な手法の比較、そしてデジタル管理による対策について解説します。スマートロックを導入してドアの解錠権限をコントロールすれば、鍵管理に伴うリスクや煩雑さを軽減できます。

オフィスの鍵管理方法の基礎知識

オフィスで使われる鍵・錠前には、さまざまな種類があります。物理的な鍵を安全に管理するには、鍵管理台帳の作成・運用やラベル貼付、鍵管理ルールの策定といった取り組みが欠かせません。まずは鍵管理方法の基礎知識を確認しておきましょう。

オフィスで使われる鍵・錠前の種類

オフィスで使用される鍵・錠前は、アナログ式とデジタル式の2種類に大別されます。デジタル式はオートロック対応のものが多く、システム上で入室制限や入退室履歴などを管理できるのが特徴です。

【アナログ式】

鍵・錠前の種類特徴
シリンダー錠・出入口の扉やキャビネットなどで広く使われる、鍵を鍵穴(シリンダー)に差し込み、回して施解錠するタイプ
・鍵の紛失やピッキングなどのリスクがある
・片側・両側のギザギザが特徴のピンシリンダーやディスクシリンダー、防犯性を高めたディンプルキーなどの種類がある
ダイヤル錠・ポスト・ロッカー・金庫などで採用される
・ダイヤルを回して番号を合わせる(暗証番号を入力する)ことで施解錠する
・鍵が不要で紛失の心配はないが、暗証番号の漏えいには注意が必要

【デジタル式】

鍵・錠前の種類特徴
テンキー認証・専用パッドに暗証番号を入力して解錠するタイプ
・複数暗証番号の使い分け、キー配置のランダム変更、のぞき見防止などのセキュリティ機能を備えている
カードキー認証・カードを専用リーダーに差し込んだりタッチしたりして、磁気テープやICチップに登録された情報を読み取って解錠するタイプ
・カードは物理鍵より複製が難しく、個人情報に紐づけて管理しやすい
スマホ認証・認証コードを送信したスマホを専用リーダーにタッチして解錠するタイプ
・スマホは個人の所有物であるため、本人確認の精度が高い
生体認証・指紋・静脈・虹彩などの生体情報を読み取って解錠するタイプ
・高いセキュリティが求められる施設で採用されることが多い

鍵管理台帳の作成・運用とラベル貼付

オフィスでは物理的な鍵を使用する場面が多く、大小さまざまな鍵を適切に管理しなければ、「誰が鍵を持っているか分からない」「紛失や不正利用があっても早期に気付けない」といった問題が発生します。

こうしたリスクを防ぐためには、鍵管理台帳の作成と運用が基本です。ExcelやGoogleスプレッドシートで表を作成し、すべての鍵の基本情報を入力しておきましょう。貸出状況などの情報は随時更新することが重要です。
記録項目の例としては、鍵の種類・管理番号・利用場所・保管場所・利用者名・貸出理由・貸出日時・返却日時などが挙げられます。

また、鍵管理台帳の運用とあわせて、管理対象の鍵にはラベルを貼付しておきましょう。管理番号を明記することで、識別が容易になり、紛失防止にも役立ちます。

鍵管理ルールの策定・運用

鍵管理の実効性を高めるには、明確なルール作りが欠かせません。求められる厳密さは組織の規模や事業内容によって異なるため、無理なく運用できる範囲で次のようなルールを設定しましょう。

  • 管理担当者を決める:使用場所や部門ごとに任命し、ガバナンスを効かせる
  • 保管場所を限定する:管理台帳と異なる場所や出入口付近など、盗難リスクの高い場所を避ける
  • 利用範囲を制限する:誰がどの鍵をいつまで使用できるか明確にし、担当者の責任で貸出可否を判断する
  • 紛失時の対応を定める:報告先や合鍵作成の手順・制限を明文化する
  • 定期的に棚卸しを行う:管理台帳と実物の照合を実施し、管理状況を確認する

オフィスにおける鍵管理方法4選のメリット・注意点


オフィスで使用する物理的な鍵は、管理者のデスク内やキーボックスで保管する方法が一般的です。セキュリティを重視する場合は、鍵管理機や鍵管理システムを導入する方法もあります。さらに、ドアの鍵についてはスマートロック(入退室管理システム)を活用するのも有効です。

ここでは、4種類の鍵管理方法について、それぞれのメリットと注意点を解説します。

管理者のデスク内で管理

比較的小規模なオフィスや店舗では、管理者が自席の引き出しに鍵を保管するケースがあります。手軽な方法ですが、防犯面などのリスクも伴います。

【メリット】
鍵の出し入れを管理者のみに限定できるため、責任の所在が明確になります。持ち出しや保管も把握しやすく、特別な備品やシステムが不要のためコストを抑えられます。管理対象の鍵が少ない場合は、台帳記入やタグ付けの手間も軽減されます。

【注意点】
引き出しを施錠したまま管理者が不在になると、鍵を取り出せず業務が滞るおそれがあります。返却も管理者のスケジュールに左右されやすい点に注意が必要です。

また、施錠を怠り誰でも開閉できる状態では、盗難・不正利用・無断複製といったリスクが生じます。

大量の鍵のキーボックス管理

大量の鍵を保管する場合は、専用のキーボックスを使用する方法が有効です。壁掛け型、据え置き型、持ち運び型など種類が豊富で、ドライバー1本で簡単に設置できる製品もあります。

【メリット】
製品によっては数百本の鍵を集中管理でき、定位置が決まることで台帳を使った貸出管理や棚卸しが容易になります。これにより、鍵の紛失リスクを減らすことが可能です。

キーボックス自体の錠前によって一定の防犯効果もあり、ダイヤル錠を採用すれば管理者不在時でも持ち出しや返却が行えます。アナログ管理のため、高機能システムに比べ導入コストを抑えられる点も利点です。

【注意点】
多数の鍵を扱うため、タグ付けや台帳の管理には手間がかかります。ダイヤル錠は利便性が高い反面、持ち出し状況が把握しにくく、暗証番号漏えいによる不正使用のリスクもあります。

一方、シリンダー錠の場合は管理者が不在だと鍵を取り出せないなどの不便さが残ります。さらに、キーボックス自体が盗難や破壊被害を受けた場合、中の鍵すべてが危険にさらされるおそれがあります。

鍵管理機・鍵管理システムの運用

鍵管理に高いセキュリティが求められる場合は、鍵管理システムと連動した高機能キーボックス(鍵管理機)の導入が有効です。本体はICカードや暗証番号などの認証によって解錠権限を制御し、施解錠や取り出しの履歴を自動的に記録します。

【メリット】
権限を持つ利用者のみが鍵を使用できるため、不正利用を防止できます。持ち出しから返却までを権限ごとに管理でき、記録はPCに取り込めるため、別途台帳を作成する必要がありません。管理者の役割は利用者情報の管理と履歴確認に限定されます。また、システムによっては遠隔管理や入退室管理システムとの連携も可能です。

【注意点】
通常のキーボックスに比べ、安全性や効率性は高いものの、本体価格が高額で、10本程度の鍵管理でも大きな初期費用が発生します。管理できる本数は機種やプランによって制約があり、多数の鍵を扱う場合はコストが見合わないケースもあります。

さらに、システム利用料が継続的に発生する点にも留意が必要です。堅牢な仕組みであっても、物理的な鍵を扱う以上、不正使用などのリスクを完全に排除することはできません。

スマートロック(入退室管理システム)の運用

物理的な鍵の管理にはキーボックスや鍵管理機が有効ですが、スマートロック(入退室管理システム)を活用してドアを電子的に制御する方法もあります。スマホ・ICカード・暗証番号などを利用し、「誰が・いつ・どのドアを解錠できるか」を細かく設定でき、施解錠の状態をシステム上で遠隔管理することが可能です。

【メリット】
ドアの解錠権限をユーザー単位で付与できるため、物理的な鍵の貸出や返却、合鍵作成が不要になります。管理対象の鍵を減らせることで、紛失・盗難・無断複製などのリスクを低減できます。

また、解錠キーの発行や入退室管理を遠隔で行え、履歴は自動で記録されるため、管理者と利用者の双方の負担を軽減します。さらに、入室可能な時間帯をユーザーごとに調整できるため、一時的な利用者への共有も安全に行えます。

【注意点】
製品によって取り付け可能なドアの種類が異なり、工事不要のものが多い一方で、場合によっては加工が必要なケースもあります。

ICカードやスマホ認証タイプでは、オートロック機能による締め出しのリスクがあるため、遠隔解錠に対応した機種を選ぶと安心です。スマートロックは電池駆動で停電時にも使用できますが、電池切れを防ぐための定期点検や保守が欠かせません。

【関連記事:オフィス向けスマートロックの比較ポイントは?安全な鍵管理のコツ

従来のオフィス鍵管理方法の課題とデジタル管理による対策

物理的な鍵には、閉め忘れや受け渡し、紛失・盗難・無断複製といった懸念があります。より安全で効率的な鍵管理を実現するには、「物理的な鍵を管理する」という考え方から、「ドアの解錠権限をコントロールする」という発想へ転換することが重要です。

ここでは、アナログ管理における課題と、デジタル管理による対策を解説します。

鍵の閉め忘れ問題はオートロックで対策

【アナログ管理の課題】
物理的な鍵では、閉め忘れが代表的な問題です。社内でルールを周知していても、施錠は最終的に個人の注意に依存します。出入口や裏口、保管庫などのドアが長時間開放されたままになると、防犯上のリスクが高まります。

【デジタル管理による対策】
確実な施錠が求められるドアには、スマートロックの導入が効果的です。多くの製品がオートロックに対応しており、入退室後は自動的に施錠されます。施解錠の状態はシステム上で確認でき、製品によっては遠隔操作も可能です。さらに、ドライバー1本で後付けできる製品も多く、賃貸物件でも原状回復を気にせず導入できます。

鍵の受け渡し問題は解錠キーの遠隔配布で対策

【アナログ管理の課題】
鍵をキーボックスで保管している場合、受け取りや返却のたびに保管場所まで移動する必要があります。直近で鍵閉めを担当した従業員が休暇や外出中で未返却だと、「必要なときに鍵がない」「回収が難しい」といった問題が発生します。

さらに、保管場所への移動によって業務時間が圧迫されたり、貸出や返却のために直行直帰ができなかったりと、受け渡しに伴う非効率も生じます。

【デジタル管理による対策】
スマートロックであれば、遠隔で解錠キーを配布でき、ドア・ユーザー・時間帯を指定して権限を付与できます。操作は場所や時間に制限されないため、リモートワークなど柔軟な働き方を採用する企業でも、効率的な入退室管理が可能です。

鍵の紛失・盗難・無断複製は解錠権限のコントロールで対策

【アナログ管理の課題】
物理的な鍵には、紛失・盗難・無断複製といった防犯上のリスクが常につきまといます。すべての鍵を厳密に追跡するのは現実的ではなく、合鍵の追加や錠前の交換など、安全に管理するためには手間と費用がかかります。

【デジタル管理による対策】
スマートロックなら、解錠キーの配布機能を利用して権限を遠隔管理でき、不要になった権限は即時に無効化できます。物理的な鍵に依存するリスクを解消できるう上、誤って権限を付与した場合でも錠前交換の必要はありません。

さらに、IPカメラと連携することで各ドアのセキュリティを強化できます。

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鍵管理が煩雑なドアをLINEアプリだけで解錠できる「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」

貸出頻度が高いドアの鍵をキーボックスなどで管理すると、利用者・管理者双方に負担がかかり、未返却や紛失が発生すると業務へ大きな影響を及ぼすおそれがあります。

このような鍵を効率的に管理するには、LINEアプリだけで利用申請からスマートロック解錠までを完結できる「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」の導入が効果的です。施設のLINE公式アカウントを「友だち登録」するだけで利用できるため、専用アプリのダウンロードは不要です。

利用申請が行われると自動的に時限キーが発行される仕組みで、管理の手間を最小限に抑えられます。予約状況やライブ映像などは専用ダッシュボード(Webページ)から一覧でき、煩雑になりがちな鍵管理を大幅に効率化できます。

ユーザーごとの柔軟な権限付与が魅力の「Connected Portal(コネクティッドポータル)」

複数のドアを一元的に管理する場合には、特定のユーザーに特定の期間のみ利用可能な時限キーを発行できる「Connected Portal(コネクティッドポータル)」が最適です。ユーザーごとに解錠できるドアや曜日・時間帯を個別に設定でき、部門や職位などに応じた柔軟な権限付与が可能です。

対応するスマートロックは、ICカードや暗証番号による認証に対応しており、利便性重視・セキュリティ重視など、運用方針に応じて認証方法を選択できます。解錠トラブルが発生した際は、遠隔からの解錠操作にも対応しています。

さらに、IPカメラ・センサー・家電コントローラーとの連携により、鍵と連動した動画撮影や空調の自動制御も可能です。これにより、施設全体の管理効率を高めることができます。

まとめ

オフィスで使用するシリンダー錠の鍵は、キーボックスや鍵管理機で管理する方法が有効です。ただし、物理的な鍵には閉め忘れや受け渡し、紛失・盗難・無断複製といった懸念が伴います。

鍵管理の課題を根本的に解決するには、「物理的な鍵を管理する」という考え方から、「ドアの解錠権限をコントロールする」という発想へ転換することが重要です。法人向けのスマートロックと管理システムを導入すれば、より効率的で安全な鍵管理を実現できます。

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