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光ファイバーケーブルの仕組みは?安定通信を利用する方法もチェック

光ファイバーケーブルは通信インフラとして必要不可欠のものになっており、さまざまな場面で大きな役割を果たしています。光ファイバーケーブルと聞くと、光回線を思い浮かべる方も少なくないでしょう。また、オフィスや自宅で光回線を使用しているという方も多いと思います。

このように日常的に利用している光ファイバーケーブルであっても、その仕組みや通信方法について詳しく理解していないこともあるでしょう。そこでこの記事では、光ファイバーを使用した通信の仕組みを詳しくご紹介します。

安定した光回線を使用するコツについても見ていきますので、通信環境に不満をお持ちの方は、この機会に通信環境を一度見直すのもよいでしょう。光ファイバーケーブルの仕組みや特徴を知れば、快適な通信環境を構築するポイントを学べます

光ファイバーケーブルとは?


光ファイバーケーブルは高純度のガラスやプラスチックで作られており、内部に光を通す目的で使用します。通信用の伝送路や照明器具、計器類のセンサーなどに使用するもので、現代社会において欠かせないものです。

ガラスやプラスチックはそのままでは強度が弱く、社会インフラとしてさまざまなところに敷設するのに向いていません。この弱点を補うために、光ファイバーケーブルはガラスやプラスチックのケーブルの上からシリコンなどを主成分とする被覆で覆って強度を高めています。

光ファイバーケーブルによる通信の仕組み

通信用の光ファイバーケーブルは光信号(光の明滅によって表現する信号)を送受信するための伝送路です。しかし、一般的なコンピューターは直接光信号を送受信できません。この問題を解決するために、光回線を使用した通信では以下のように信号を変換します。

1. コンピューターから送信した信号(電気信号)を送信側のONUで光信号に変換する
2. 光信号を受信側のONUで再び電気信号に変換して相手のコンピューターに届ける

電気信号はデータを電圧の有無で表現しており、光信号とは全く異なる仕組みです。信号自体に互換性がなくそのままでは通信できないため、上記のプロセスで電気信号と光信号を相互に変換しています。

一般的に使われている光ファイバーケーブルは主に2種類


通信用の伝送路として使用されている光ファイバーケーブルは、シングルモードとマルチモードの2種類です。それぞれ特徴が異なるケーブルなので、適材適所で使用します。

利用者が日常の中で光ファイバーの違いを意識することはほぼありませんが、コストを最適化しつつ安定した通信インフラを実現するためには使い分けが欠かせません。

シングルモード

シングルモードの光ファイバーケーブルはコアの直径が9μm程度となっており、単一周波数の光信号のみを伝送します。異なる周波数の信号がケーブル内を通過しないため、干渉を受ける心配はありません。

シングルモードの光ファイバーは伝送損失が小さく、長距離高速通信に向いているケーブルです。光回線は安定した長距離通信を実現する必要があるため、基本的にシングルモードの光ファイバーケーブルを使用します。

マルチモード

マルチモードの光ファイバーケーブルは直径50μmもしくは62.5μmのコアを使用しており、複数種類の光信号を伝送できるのが特徴です。シングルモードの光ファイバーケーブルと比較すると耐久性が高く、敷設しやすくなっています。シングルモードに比べて安価なのもメリットです。

一方で光信号が分散しやすく、長距離通信には向いていません。これらの特徴があることから、マルチモードの光ファイバーケーブルはLANをはじめとした近距離~中距離の通信回線として使用されています。

シングルモード光ファイバーの種類


光回線向けのケーブルとして使われているシングルモード光ファイバーケーブルを大きく分けると、以下の3種類です。

・汎用シングルモード
・分散シフト・シングルモード
・非零分散シフト・シングルモード

同じシングルモード光ファイバーケーブルでもそれぞれ特性が異なるため、適材適所で使用しています。

汎用シングルモード

シングルモード光ファイバーケーブルのうち、ゼロ分散波長が1,310nmになるように設計したものが汎用シングルモードです。伝送損失が低く末端部で信号の歪みが発生しないため、長距離伝送用のケーブルに向いています。

信号の歪みが発生すると受信側で検波したときにデータを復元できなくなるため、長距離通信を実現するためには欠かせない性能です。品質・速度を重視する幹線向けのケーブルとして使用します。

上位互換の規格として広帯域低損失シングルモードケーブルも存在しており、より広帯域で伝送損失を減らしたい場合に有用です。

分散シフト・シングルモード

分散シフト・シングルモード光ファイバーケーブルは、ゼロ分散波長が1,550nmになるように設計したケーブルです。伝送速度や距離は汎用シングルモード光ファイバーケーブルと同等ですが、損失が少ないという特徴があります。長距離の安定通信が求められ、より信頼性が重視される海底ルートなどで使用しているケーブルです。

非零分散シフト・シングルモード

非零分散シフト・シングルモードは、分散シフト・シングルモードケーブルのゼロ分散波長をずらすことで、自己位相変調や誘導ラマン散乱などの非線形現象を抑制する設計のケーブルです。

大容量かつ高速な通信を実現するのに向いており、容量が大きい幹線用のケーブルとして使用しています。

マルチモード光ファイバーの種類


LANなどに使用しているマルチモード光ファイバーケーブルにも複数の種類が存在します。2022年時点で存在しているマルチモードケーブルは以下の3種類です。

・ステップ・インデックス
・グレーデッド・インデックス
・マルチステップ・インデックス

それぞれの特徴について見ていきましょう。なお、中には通信用として使用されていないケーブルも含みます。

ステップ・インデックス(SI)

ステップ・インデックスケーブルは、コアを太くすることで多くの光信号を伝送できるように設計したケーブルです。コア内で光が反射することにより、信号の歪みや通信速度の低下が発生しやすいというデメリットがあります。

これらのデメリットがあるため、2022年時点では通信用の光ファイバーケーブルとしてはほとんど使用されていません。

グレーデッド・インデックス(GI)

グレーデッド・インデックスケーブルは、屈折率を分散させることで信号の歪みを軽減する設計になっています。

ケーブルやネットワーク機器が安価というメリットがあるため、LAN用のケーブルがメイン用途です。一方で長距離の伝送には向いておらず、公衆網には使用されていません。

マルチステップ・インデックス(MI)

マルチステップ・インデックスケーブルは、屈折率が外側に行くに連れて小さくなる性質を持った光ファイバーケーブルです。ステップ・インデックスに比べて信号の歪みを軽減できるものの、グレーデッド・インデックスほどではありません。

両者の中間的な性質をもっている光ファイバーケーブルですが、ステップ・インデックスケーブルと同様に通信用としてはあまり使用されていないタイプのものです。

光ファイバーケーブルに使用する心線の種類

光ファイバーケーブルは、ガラスやプラスチックでできた光ファイバーをシリコンなどの被覆で保護する構造になっています。この構造体を心線といい、ケーブルを構成する基本的な要素です。一言で心線といってもその構造は多種多様なので、ここで主要なものをチェックしておきましょう。

・0.25mm素線: 光ファイバーを被覆で覆い、直径0.25mmに整形したもの
・0.9mm素線: 光ファイバーを2重の被覆で覆い、直径0.9mmに整形したもの
・テープ心線: 0.25mm素線を複数並べて被覆で保護したもの

一般的に、0.25mm素線は多心ケーブルを作成するときに、0.9 mm心線は少心ケーブルを作成するときに用います。テープ心線には、さまざまな心数がありますが、インターネットなどに利用される光ケーブルには2心テープ心線や4心テープ心線を用います。

光ファイバーを利用した光回線の特徴とは?


光ファイバーを使用した通信回線を光回線と呼んでおり、社会の通信インフラを支える基本的な設備です。光回線はメタル回線や無線通信に比べて通信速度面や安定性の面で大きなメリットがあります。

ここからは光回線の特徴を3つまとめました。光回線の特徴を知ることで。日々のビジネスをスムーズに進めるために欠かせないものであることが分かるでしょう。

通信速度が速く安定している

光回線はメタル回線に比べて通信速度が速く、安定しているのが特徴です。過去に使用されていたメタル回線を使用した通信回線の最大速度と比較してみましょう。

・光回線: 最大1Gbps~20Gbps
・ADSL: 最大50Mbps
・ISDN: 最大64kbps~128kbps

上記の速度はいずれも一般向けに提供されているサービスの速度です。最大20Gbpsの光回線は提供エリアが限られていますが、1Gbpsのサービスは全国各地で提供しています。

メタル回線で存在していた「電話がかかってくると回線が切れる」といったトラブルもなく、通信安定性が高いのも大きなメリットです。

通信量の制限がない

光回線は多くの場合、通信量の制限がありません。そのため、大容量通信を必要とするユーザーでも安心して使えます。

ただし、一部のサービスには「1日あたりアップロード30GB」「3か月連続で20TB以上を超えると通信制限」などのルールがあるので、念の為に契約前に使いたいサービスの約款を確認しておくとよいでしょう。

他にも、使用したデータ通信量に応じて料金が変動する従量制プランも存在するので注意しましょう。

ひかり電話やテレビサービスを利用できる

光回線を契約する場合、オプションとしてひかり電話や テレビサービスといった付帯サービスを利用できます。特にひかり電話は基本料金・通話料金が安く、加入電話や他社の直収電話を使用しているなら乗り換えを検討してもよいでしょう。

オプションサービスをセットで利用することで、利便性を高めつつオフィスの固定費を削減できます。

光ファイバーを使用した通信回線をより安定させるには?


光回線を提供している通信会社は多数存在しており、通信品質は一様ではありません。ビジネスで使用するなら、安定性を重視する必要があるでしょう。

そこで、ここからはより安定した通信を実現するためのコツを3つご紹介します。ビジネスの妨げにならない安定した通信回線を探している方は、回線選びの前に一度チェックしてみましょう。

ギャランティ型の通信サービスを契約する

ギャランティ型は一定の速度が出ることを保証するタイプの光回線サービスです。一般的な光回線はベストエフォート型と呼ばれ、最大速度が出る可能性はあるが保証しないというスタイルで提供しています。

ギャランティ型のサービスであれば一定の帯域を占有できるため、通信速度が極端に低下して困ることはありません。通信の安定を重要とする業務が含まれている場合は、ギャランティ型の光回線がおすすめです。

専用回線を敷設する

自社で重要なサービスを運用している場合など、どのようなときでも安定した通信環境を実現しなければならないなら専用回線がおすすめです。通常の光回線は、加入者同士で回線を共有して利用します。そのため、アクセスが多くなると遅延などのトラブルが起こることもあります。

専用回線の場合は、1つのインターネット回線を独占できるため、安定的に高速の通信環境を利用できます。外部の影響を受けないため通信が安定し、一時的な輻輳や公衆網側のトラブルの影響を受けることはありません。

一方で専用線の価格は一般的な光回線に比べて非常に高いため、コスト面で問題がないか事前にチェックする必要があります。

芯線貸しサービスを契約する

拠点間を接続して利用する際は、芯線貸しサービスがおすすめです。 通信会社によっては、自社が所有している光ファイバーを芯線単位で需要者に貸し出すサービスを提供していることがあります。

利用したい区間に空き芯線がなければ利用できないなどの制約がありますが、 拠点間で映像などの大容量ファイルの共有が必要な場合や、事業所間で高セキュアな情報共有を行いたい際に最適でしょう。 芯線貸しサービスは電気通信事業者の他、電力会社や鉄道会社が提供していることもあります。

イッツコムでは光ファイバーケーブルを活用した通信サービスを提供!


イッツコムでも専用線や芯線単位の貸し出しなど、高速で安定した光回線を利用できるサービスを提供しています。オフィスで使用している回線が遅くて業務に支障が出ている、安定しなくて困っているなどの際は、イッツコムの光回線サービスをご検討ください。

伝送損失が少ない光ファイバーを芯線単位で使用できる「光ファイバー貸借」

イッツコムでは、拠点間を接続する光ファイバーを芯線単位でお貸しいたします。一般的な汎用シングルモードケーブルより性能が高く伝送損失の少ない「広帯域低損失シングルモードケーブル」を使用して敷設した回線で、少ない伝送損失での接続を可能とします。

イッツコムおよびケーブルテレビ品川のサービスエリア内全域に対応していますので、利用を検討している方はぜひ一度ご相談ください。利用区間と芯数をご提示いただければ都度見積もり可能です。

専用線サービスも提供している「イッツコム光接続サービス」

一般的な光回線や専用線の利用を考えている方は、イッツコム光接続サービスをご検討ください。イッツコム光接続サービスの下り通信速度は最大2Gbpsとなっており、一般的な1Gbpsより速いのが特徴です。

また、光回線とプロバイダサービスを一体提供しており、契約が複雑化したりトラブル時の問い合わせ窓口で迷ったりする心配がありません。基本サービスは回線のみで、ドメインなどの付加サービスは全て別途オプションサービスとして 提供しています。

不要サービスが標準付帯していて必要以上にコスト負担が増大する心配がなく、コストパフォーマンスを重視する方にもおすすめです。最大速度上下1Gbpsの専用線も取り扱っていますので、こちらをご検討中の方もぜひお問い合わせください。

まとめ


光ファイバーケーブルは安定した高速通信を実現するのに欠かせない重要なインフラです。ケーブルにはさまざまな規格が存在し、適材適所で利用することでコストを最適化しつつ快適な通信環境を提供しています。

日々のビジネスで使用する光回線も、光ファイバーケーブルを使用した通信回線です。イッツコムでも、一般的な光回線や専用線アクセスサービス、芯線単位の貸し出しサービスを提供しています。

ニーズに合わせて最適なプランをご提案いたしますので、利用を検討中の方はぜひ一度お問い合わせください。