大人数参加のWeb会議におすすめのデバイス環境・プランや設定方法
目次
会議室から大人数参加のWeb会議を行う際、カメラ・マイク・スピーカーの選定や設置の問題から、Web会議特有の映像・音声トラブルが生じる場合があります。よく使用されるツールはZoom Workplaceですが、プランによっては大人数参加のWeb会議に対応しにくいこともあるでしょう。
そこでこの記事では、大人数のWeb会議に対応するデバイス選びやZoom Workplaceのおすすめプランを解説します。カメラ・マイク・スピーカーが一体型の機種や、Zoom Roomsの導入も検討しましょう。
大人数のWeb会議でよくあるトラブルに備える前提条件
大人数が集まってWeb会議を行う際、「音が聞こえない」「ハウリングやエコーが発生している」「カメラに参加者全員が映らない」などの問題が起こることもあります。参加者数が多いほど、不測の事態は起こりやすくなるでしょう。
前提として、大規模ミーティングに問題なく対応できるWeb会議システムを利用することが重要です。例えば「Zoom Workplace」なら、無料版でも最大100名まで、有料版なら最大500名(アドオン追加で最大1,000名)まで参加できます。Zoomチームチャット・Zoomホワイトボード・Zoom Docsなど、大規模ミーティングに役立つ機能も豊富です。
Zoom Workplaceは狭帯域でも利用できますが、会議室のセッティング次第ではトラブルも発生します。会議室のレイアウトや参加者数によって、最適なカメラ・マイク・スピーカーを選ぶことも大切です。
大人数のWeb会議に対応するWebカメラの選び方
Web会議システムの利点の1つは、離れた拠点の参加者同士が映像をリアルタイムに共有できることです。映像品質は会議進行の円滑さや満足度に影響するため、大人数のWeb会議に向いたWebカメラを選ぶ必要があります。
画角(視野角)の広さで選ぶ
大人数でWeb会議をする際のよくある問題の1つに、「Webカメラに参加者全員が映りきらない」ということがあります。Webカメラは搭載するレンズによって画角(視野角)が異なります。会議用テーブルなどをセッティングして複数名を映す場合、Webカメラの画角や設置場所によっては、何名かが見切れてしまうこともあるでしょう。
複数名を同時に映したい場合、広角レンズを搭載したWebカメラの使用をおすすめします。一般的なWebカメラの画角は70~90度程度です。テレワーカーなどが1人で使用するには問題のない画角ですが、複数名を映そうとする場合、人物との距離を確保しないと見切れてしまいます。
10名以上など大人数を同時に映す場合、100~120度程度など、画角の広いWebカメラを選びましょう。
画素数・ビデオ解像度で選ぶ
画素数やビデオ解像度にも注目しましょう。Webカメラの画質が悪いと、発言している人物の表情などが読み取りにくく、会議参加者から不満が出ることもあります。
基本的には、100万画素以上あれば、滑らかな映像を送信できるとされます。ホワイトボードの文字など細部まではっきりと表示させるなら、200万画素以上のWebカメラを選びましょう。
ビデオ解像度に関しては、Web会議システムの仕様上、高画質過ぎる映像を送信できません。Webカメラは720p(HD)や1080p(フルHD)に対応していれば十分です。大人数が参加するWeb会議でHDビデオを送信しようとすると通信遅延の懸念もありますが、より鮮明な映像を送信する必要がある場合は1080p(フルHD)に対応するWebカメラを選びましょう。
手元の資料を提示したいときは書画カメラを選ぶ
Web会議システムの基本機能に、特定のファイルや画面を共有する機能(画面共有機能)が挙げられます。
一方、手元の書類や商品を表示してプレゼンテーションなどに活用したいシーンもあるでしょう。こういった場合には、「書画カメラ」を使うのがおすすめです。書画カメラは基本的に自立型で、上方向から短距離にある書面や物品をスキャンし、スクリーンに拡大して投影できます。
一般的なWebカメラは接写に対応できるほど最短撮影距離が短くなく、物品の撮影などだとピントが合わず使いにくさを感じることもあるでしょう。書画カメラを併用することで、この悩みを解消できます。またOCR機能搭載の製品なら、テキストを抽出して編集することも容易です。
大人数のWeb会議に対応するマイク・スピーカーの選び方
音声品質も大人数が参加するWeb会議の円滑さや満足度に影響します。マイクやスピーカーは、ノイズキャンセリング・エコーキャンセリング機能のある機種を選びましょう。会議室全体の集音なら、全指向性(無指向性)マイクを選ぶのがおすすめです。
ノイズキャンセリング・エコーキャンセリング機能のある機種を選ぶ
大人数でWeb会議をする際によくある問題に、ハウリングやエコー(反響音)の発生を挙げられます。
- ハウリング:スピーカーの音をマイクが拾うことで、「キーン」という甲高い不快な音がする現象
- エコー:自分や相手の発言内容が何度も繰り返し山びこのように聞こえる現象
どちらもスピーカーとマイクの位置関係などによって頻発する現象です。特に大人数が会議用テーブルを囲んで各自のノートPCからWeb会議に参加するような場合、複数のスピーカー・マイクが近距離にあるため、よく起こります。
大人数でWeb会議をする際、マイク・スピーカーはノイズキャンセリング機能やエコーキャンセリング機能のあるものを選びましょう。使用するマイクとスピーカーを1台ずつに絞ることや、デバイス間の位置をなるべく離すことも、ハウリングやエコーの基本的な対策です。
会議室全体の集音なら全指向性(無指向性)マイクを選ぶ
大人数が1つの会議室などに集まると、マイクと人物の距離が遠いなどの理由で、発言者によって音声の拾いやすさに違いが出ることもあります。マイクには指向特性があり、製品の指向性によってどの範囲まで音を拾えるか(拾いやすいか)が変わります。主な指向性は単一指向性・双指向性・全指向性(無指向性)の3種類です。
- 単一指向性のマイク:1つの方向の音だけ拾うため、ノイズは乗りにくいが、複数名の発言を集音するには不向き
- 双指向性のマイク:向かい合った2つの方向の音を拾うため、テーブルを挟んで参加者が両側にいる場合に適している
- 全指向性のマイク:360度全方向の音を拾うため、ノイズは乗りやすいが、複数名の発言を集音することに向いている
Web会議用に会議室をセッティングする場合、参加者全員の声を明瞭に集音するには、全指向性かつノイズキャンセリング機能を備えたマイクの設置がおすすめです。
AI搭載の一体型機種もおすすめ
大人数のWeb会議用にカメラ・マイク・スピーカーを設置する際、座席やディスプレイとの位置関係などの調整が難しい場合もあるでしょう。手間をかけずにセッティングするなら、一体型機種を選ぶのもおすすめです。
例えばマイクとスピーカーが一体型のスピーカーフォン、カメラも一体型のビデオバーなど、さまざまな一体型機種が販売されています。一体型機種は、カメラとマイクの連携機能などを備えている機種も豊富です。特に便利な機能として、AIが発言者を自動認識してピントを合わせ、その他の参加者のビデオ・音声をカットする機能が挙げられます。
他にも、全参加者の声量を自動的に均一化する機能を備えた機種もあります。こういった高機能な一体型機種を選ぶことで、大人数のWeb会議の悩みを効率的に解消できるでしょう。
Zoom Workplaceで使用するデバイスの動作チェックや切り替えをする方法
Zoom Workplaceは、小規模チームのコラボレーションにも大規模なWeb会議にも活用される、ビジネスの基本ツールです。導入したカメラ・マイク・スピーカーはZoomミーティング本番前に動作チェックをし、ミーティング中に使用デバイスを切り替える方法も確認しておきましょう。
Zoomミーティング本番前にデバイスの動作チェックをする方法
Zoomミーティングで使用するカメラやマイク・スピーカーを接続したら、本番前にZoomテストミーティングを行い、正しく動作するか確かめておきましょう。手順は以下の通りです。
1.Zoom公式の「ミーティングテストに参加」ページ(https://zoom.us/ja/test)にアクセス
[参加]をクリック
2.ダイアログが表示されたら[開く]をクリック、またはWebページ内の[ミーティングを起動]をクリック
3.Zoomアプリが起動し「自分自身が見えますか?」ダイアログが表示されるため、使用するカメラを選択し、問題なければ[はい]をクリック
4.「着信音が聞こえますか」ダイアログが表示されるため、使用するスピーカーを選択し、問題なければ[はい]をクリック
5.「少し話してみて返答があるか確認してください」ダイアログが表示されるため、使用するマイクを選択し、問題なければ[はい]をクリック
6.「デバイスは正常に動作しています!」ダイアログが表示されるため、[テストを終了]をクリックして完了
【関連記事:Zoomミーティングのテスト方法とトラブル解決方法をまとめて解説】
Zoomミーティング中に使用デバイスを切り替える方法
Zoomミーティング中に360度カメラと書画カメラの切り替えなど、使用するデバイスの設定を変えたいこともあるでしょう。
マイクやスピーカーは[オーディオ]メニュー右の[^]をクリック、カメラは[ビデオ]メニュー右の[^]をクリックすると、接続済みのデバイスを切り替えられます。現在使用中のデバイスは、[マイク][スピーカー][カメラを選択]欄のチェックマークが付いているものです。
また、同じく[^]から[オーディオ設定]や[ビデオ設定]をクリックし、音声や映像の詳細設定をミーティング中に調整することもできます。
大人数のWeb会議に対応するZoom Workplaceのおすすめプラン
Zoom Workplaceをビジネスシーンで使いこなすには、有料プランへのアップグレードが必須です。参加者数100名以内のミーティングの生産性向上なら「プロ」プラン、参加者数100人超なら「ビジネス」プラン以上をおすすめします。1拠点から大人数がまとまってWeb会議に参加するなら、「Zoom Rooms」の導入も検討しましょう。
参加者数100名以内のミーティングの生産性向上なら「プロ」プラン
Zoom Workplaceは無料の「ベーシック」プランでも最大100名参加のミーティングを主催できます。ただし個人向けのプランのため、多くの機能制限があり、大人数が参加するWeb会議を管理するための便利な機能は利用できません。また無料ユーザーのホストが主催する全てのミーティングには、40分の時間制限があります。
「プロ」プランにアップグレードすると、ミーティング時間は最大30時間/1回まで大幅拡張されます。クラウドレコーディングによる議事録の簡単作成ができるようになり、共同ホストを指名して参加者を複数名で管理することも可能です。
またZoom Clips(クリップ)やZoom Docs(ドキュメント)を無制限で利用できるようになり、AI Companionによる下書き作成や要約などのアシスタントも受けられるため、大規模ミーティングの生産性向上にも大いに役立ちます。
参加者数100人超なら「ビジネス」プラン以上がおすすめ
100人超が参加する、より大規模なWeb会議を主催したい場合、「ビジネス」以上のプランにアップグレードするのがおすすめです。ビジネスライセンスユーザーが主催するZoomミーティングは、最大300名まで参加できます。
プロプランで大規模ミーティングアドオンを購入して最大参加人数を500名や1,000名に拡張することもできますが、参加者数の想定が300名未満であれば、プロプランより高度な機能を利用できるビジネスプランへのアップグレードが有利です。
例えばZoomホワイトボードは、プロプランだと編集可能なボード数は3つまでに制限されていますが、ビジネスプランに制限はありません。管理ポータルによる組織内全ユーザーの詳細管理やSSO(シングルサインオン)なども利用できるようになるため、社内でZoom Workplaceの利用規模が大きくなってきた場合にぜひ検討したい選択肢です。
1拠点から大人数がまとまってWeb会議に参加するなら「Zoom Rooms」
会議室などから大人数がまとまってZoomミーティングに参加したい場合、「Zoom Rooms」の導入がおすすめです。
Zoom Roomsは、会議室やフリースペースなどに液晶ディスプレイやコントローラーといった専用機器を備え付け、その共有スペースにライセンスを割り当てます。Zoom Roomsからは、個人のデバイスも有料ライセンスも不要で、何人でもZoomミーティングに参加できます。
遠隔会議用の会議室を整備する他の方法としてテレビ会議も考えられますが、1室当たり数百万円の初期費用がかかることも珍しくありません。Zoom Roomsなら、大幅に費用を抑えて、特定の場所からいつでも何人でもZoomミーティングに参加できる環境を整備できます。カメラやマイク・スピーカーを会議のたびにセッティングする必要もありません。
大規模ミーティングに最適なZoom Workplaceの導入ならイッツコム!
大規模ミーティングに対応できるWeb会議システムとして、候補の筆頭に挙げられるのは「Zoom Workplace」です。AI CompanionやZoom Docsなど、コラボレーションを効率化する機能も続々と実装され、ますます使い勝手が向上しています。
ただし、ミーティングの時間制限を解除し、AIアシスタントによる業務効率化の恩恵を享受するには、「プロ」以上の有料プランにアップグレードすることが必要です。有料ライセンスが必要なユーザーは会議の主催者(ホスト)のみで、参加者は無料版ユーザーで問題ありません。
イッツコムなら、プロプラン1ライセンスの最小規模からの契約に対応できます。全ての有料プランに日本語サポート窓口が標準付帯するため、初めての有料プラン運用でも安心です。
Zoom Roomsの導入もお任せください。360度カメラ・マイク・スピーカーが一体化した「ミーティングオウル」や「KAIGIO CAM360(カイギオ カム)」の一括導入にも対応でき、快適に大人数のWeb会議ができる環境を整備できます。
まとめ
会議室から大人数参加のWeb会議を行う際、参加者の見切れやハウリング・エコーなどの問題が起こりがちです。こういった問題は、360度カメラ・マイク・スピーカーが一体型の機種を設置することで、シンプルに解決できます。
Zoom Workplaceはプロ以上のプランにアップグレードし、特定のスペースを頻繁に利用するならZoom Roomsの導入も検討しましょう。
大人数参加のWeb会議をより快適にするなら、最適なデバイス・ツールを一括整備できるイッツコムにご相談ください。