法人携帯の格安SIMを比較!料金プランや注意点も解説
目次
通信費の経費削減や経理の業務効率化などを目指すなら、法人携帯に格安SIMを導入するのもよいでしょう。ただし、個人向けプランとは特徴やサービス内容が異なることがあるため、選び方には注意が必要です。
料金プランはもちろん、かけ放題や端末補償、サポート体制など、業務での使用シーンをイメージし、自社に最適なサービスを見つけましょう。
格安の法人携帯の特徴
まずは、法人携帯の特徴や個人向けプランとの違いを見ていきましょう。携帯電話を法人として契約するメリットについても解説します。
個人向けプランとの違い
法人向けプランと個人向けプランの違いは、「契約プロセス」「支払い方法」「料金プラン」「管理方式」に現れます。
・契約プロセス
個人向けのSIMは、ほとんどの場合オンラインで契約できます。一方、法人向けのSIMは、多くの回線を契約する場合、窓口での契約が必要になることがあり、担当者が対応します。契約時には、本人確認書類や社員証など追加の書類が必要で、紙ベースでの提出が一般的です。
・支払い方法
個人向けSIMでは、クレジットカードのみの支払いが主流です。対して法人向けSIMでは口座振替が標準的であり、銀行振込も可能な場合があります。
・料金プラン
個人向けのキャンペーンやセット割引は法人には適用されないことが多いですが、法人向けの割引プランでコストが抑えられることがあります。個人向けでは適用されない大口割引が受けられるケースもあるでしょう。
・管理方式
法人では複数のSIMカードを契約することが一般的なため、従業員のスマホを一括管理できる機能や、通信量を部署単位で割り当てられる機能などがあります。契約の際には、こうした管理機能が充実しているサービスを選ぶとよいでしょう。
法人契約のメリット
法人契約は業務効率化につながるのが大きなメリットです。例えば、経費精算の手間を大幅に削減できます。個人名義の携帯だと毎月の請求書を一人ひとりが経理に提出する必要がありますが、法人契約なら会社宛に一括請求されるので、経理担当者の工数を大きく減らせます。
また、個人の携帯を業務に利用されると不注意や紛失による情報漏えいが不安ですが、法人携帯ならプライベートで使われることは基本的にありません。紛失・盗難時のリモートロックや、情報漏えいを防ぐアクセス制限など、管理ツールが充実しているのも法人プランのメリットです。
端末の調達もサポートしてくれる格安SIMなら、従業員のスマホを一括で購入・管理できます。また、故障時の代替機の手配まで対応してくれるサービスもあります。
法人携帯の格安SIMはどれくらい安い?料金相場の比較
「格安」というからにはリーズナブルな価格が強みですが、実際にはどのくらい安いのか、相場を見てみましょう。
データ容量での相場と比較
■~3GBまでの月額料金プラン(データ通信 +音声通話)相場
A社 | 980円 |
B社 | 900円 |
C社 | 1,000円 |
D社 | 1,200円 |
■~5GBまでの月額料金プラン(データ通信 +音声通話)相場
A社 | 1,200円 |
B社 | 1,500円 |
C社 | 1,000円 |
D社 | 1,500円 |
小容量プランの場合、1,000円未満から1,500円程度が相場で、かなりリーズナブルといえるでしょう。
■~20GBまでの月額料金プラン(データ通信 +音声通話)相場
A社 | 2,500円 |
B社 | 3,500円 |
C社 | 4,000円 |
D社 | 5,000円 |
大容量プランになっても、月額は2,500円ほどから契約できる法人携帯もあります。2回線以上の契約で割引になったり、複数従業員でシェアできるプランもあったりと、各社で特色があります。
かけ放題オプションの比較
かけ放題オプションは法人携帯を選ぶ上で見逃せないポイントの1つです。従業員同士の通話が頻繁にある企業なら、かけ放題を付けることで大幅な通話料節約につながるでしょう。
A社 | 1,700円 |
B社 | 1,800円 |
C社 | 2,700円 |
D社 | 980円 |
データ通信+音声通話料金の中にかけ放題オプションを含んでいるプランや、IP電話サービスを利用する会社など、こちらも各社さまざまです。また、対象範囲(社内通話や携帯・固定電話など)の他、通話品質も重要です。料金だけでなく、その点も含めて検討しましょう。
格安の法人携帯の選び方
法人携帯として格安SIMを選ぶ際には、通信コストの削減だけでなく、業務の効率化や従業員の利便性も重要です。適切なプラン選びやサポート体制、端末補償などを考慮することで、最適な通信環境を構築できるでしょう。
会社の通信ニーズに合ったプランの選択
会社の通信ニーズに合ったプランを選ぶことが肝心です。従業員数や通信の用途、必要なデータ容量などを考慮しましょう。例えば、営業部門のように外出が多い部署では、かけ放題オプションが重宝するでしょう。一方、オフィスワークが中心の部署では、データ容量を重視するのがよいでしょう。
また、繁忙期や閑散期で通信量が変動する場合は、データ繰り越しサービスがある格安SIMを選ぶのも一案です。
会社の通信ニーズは、部署によって異なります。格安SIMを選ぶ際は、各部署の特性を踏まえ、最適なプランを選びましょう。
端末補償サービスや保険の確認
端末補償サービスや保険の有無も確認しておきたいポイントです。万が一、端末を紛失したり故障した場合、業務に支障をきたすことがあります。
端末補償サービスや保険があれば、スムーズに代替機を用意でき、業務の継続性を保てます。ただし、補償内容や保険料は格安SIMによって異なるので、よく比較しましょう。
専用サポート体制の充実度をチェック
格安SIMは、大手キャリアとは異なり、実店舗が少ないことが多く、サポート体制に違いがあります。
この傾向は法人契約でも同様ですが、必ずしも「格安SIM=サポートが不十分」とは限りません。サービスによってサポート内容は大きく異なります。
契約前に、サポート内容や故障時の対応策を確認することが重要です。契約後にトラブルを避けるためにも、事前にサポート内容を十分に理解しておきましょう。
格安の法人携帯の注意点
格安の法人携帯はコスト削減の解決策として魅力的かもしれませんが、個人向けプランとは異なり、いくつかの注意点が存在します。一部のプランやキャンペーンが適用されないことや、サービス内容に一定の制約があることなどがその例です。以下に、代表的な注意点をいくつか紹介します。
個人向けプランやキャンペーンの適用外
法人向けの格安SIMプランを選ぶ際には、個人向けのキャンペーンや割引が適用されない場合があるため注意が必要です。例えば、「新規契約で初月無料」といった特典は個人向けに限定されていることが多いです。
さらに、法人契約では個人向けプランで提供される割引や特典を利用できないことが多いため、法人向けのメリットを重視する必要があります。例えば、ビジネス向けのセキュリティサービスなど、企業に特化したサービスを比較検討するとよいでしょう。
利用可能な機種が限定されることが多い
法人携帯の契約では、利用可能なスマホのモデルが限定されることが多くあります。主要なMVNOブランドの中にも、個人契約のみを受け付けているものがあります。特定の機種を業務用に使用したい場合は、そのモデルが法人契約でも利用可能か、リサーチしておきましょう。
キャリアメールが使えなくなる
格安SIMプロバイダーは、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供しているため、自社でキャリアメールを提供していないことが一般的です。そのため、格安SIMを利用する場合、キャリアメールは使えず、代わりにGmailやYahoo!メールといったフリーメールを使用することになります。
キャリアメールが使用できないことで業務に支障が出ないか、事前に十分検討してから契約を進めることが重要です。
必要な書類が多い
法人携帯の契約には、個人契約よりも多くの書類が必要です。まず、法人確認書類として「登記簿謄本(現在(履歴)事項証明書)」や「印鑑登録証明書」が必要で、これらは発行後3カ月以内の原本でなければなりません。
また、申し込み担当者の名刺、社員証、代表者からの委任状などの在職確認書類も求められます。さらに、支払いに関する書類として法人名義の預金通帳、法人印、クレジットカード情報も用意します。具体的な必要書類はプロバイダーごとに異なるため、事前に公式サイトで確認しましょう。
【関連記事:法人携帯契約に必要な書類リスト!機種変更や乗り換え時の書類も紹介】
大手キャリアほどの通信速度は出ない
格安SIMは、大手キャリアと比較すると通信速度が遅くなる傾向があります。特に、お昼休みなどユーザーが集中する時間帯には、動画のストリーミングや大容量ファイルのダウンロードが遅くなることが多いです。
通信速度を事前に確認したい場合は、各プロバイダーが提供している試用期間や評価サイトを活用することをおすすめします。契約前に実際の使用感を確かめることで、予期せぬ通信速度の低下を防ぐことができます。
法人携帯の契約ならイッツコムの「法人データSIM」がおすすめ!
コスト面を考えると格安SIMは優秀な選択肢ですが、ビジネスでの幅広いシーンに対応するなら、使い勝手や通信の安定性も重要です。
イッツコムの「法人データSIM」は、NTTドコモのネットワークを利用しているため、NTTドコモのカバーエリア内であればどこでもスムーズに接続可能です。SIMカードとモバイルWi-Fiルーターとのセット契約もでき、チーム利用や複数デバイスの同時接続にも便利です。
「シェアプラン」オプションを利用すると、複数のSIMカード間でデータ容量を共有でき、ユーザーごとの月間通信量に大きな違いがあってもコストを節約できます。
外出先での営業活動、在宅勤務、短期的な使用が必要な工事現場やイベント会場にも適しています。さらに、POSシステムや監視カメラなど、SIMを利用する多種多様なデバイスへの適用が可能で、IoTデバイスからのデータ収集にも有効です。
【料金の一例(税別)】
・初期契約手数料:3,000円/SIMカード1枚
・月額費用:データ容量プラン利用料+SIMカード使用料(300円/1枚)
■シェアプラン
・10GBの場合:プラン利用料3,600円+SIMカード3,000円(10枚)=6,600円
・20GBの場合:プラン利用料5,600円+SIMカード1,500円(5枚)=7,100円
・50GBの場合:プラン利用料1万1,500円+SIMカード600円(2枚)=1万2,100円
まとめ
格安法人携帯は、コスト削減や経理業務の効率化に寄与する選択肢です。法人契約独自の管理機能が利用でき、従業員が私用のデバイスを使用するリスクも回避できます。
しかし、コスト削減に注目し過ぎると、ビジネスの多様なシーンに対応しきれないこともあります。自社のニーズに合った機能が搭載されているか、万一の事態に備えた補償やサポート体制が整っているかも、重要な検討点です。
イッツコムでは、多様なビジネスシーンを想定した「法人データSIM」を提供しています。セキュリティを重視される場合は、「モバイル閉域接続」との組み合わせもおすすめしています。詳細についてはお気軽にお問い合わせください。