社用携帯の管理に必須のルールとは?適切な運用のコツも紹介
目次
社用携帯を導入することで業務効率化を期待できますが、適切に管理しないと情報漏えいやコンプライアンス違反のリスクにつながります。利用ルールが曖昧だったり、運用が徹底されていなかったりする企業も少なくないでしょう。
社用携帯にまつわるトラブルを防ぐには、どのような管理方法が効果的なのでしょうか。基本ルールの策定から運用のポイントまで、社用携帯の適切な管理について紹介します。
社用携帯の管理に必要な基本ルールの策定
社用携帯の適切な管理運用には、基本ルールの策定が欠かせません。利用規程の作成と周知、セキュリティ対策の徹底、私的利用の禁止と罰則規定など、重要なポイントがいくつかあります。これらのルール作りのコツと、実際の運用に役立つ具体的な方法を見ていきましょう。
社用携帯利用規程の作成と周知
社用携帯の利用目的や禁止事項などを明文化した規程を策定しましょう。業務外での私的利用の禁止は当然として、セキュリティ対策としてパスワード設定やアプリのインストール制限を義務付けるなどの内容を盛り込みます。
作成した規程を周知徹底するために、メールやイントラネット(内部ネットワーク)での配布に加え、研修会の開催や啓発ポスターの掲示など、さまざまな方法で従業員の理解を促進しましょう。規程の内容を定期的に見直し、必要に応じて改定することも大切です。
セキュリティ対策の徹底
社用携帯にはパスワードを設定し、第三者が勝手にアクセスできないようにしましょう。また、業務に不要なアプリのインストールを制限することも重要です。アプリの中にはマルウェアが含まれているものもあり、情報漏えいのリスクにつながります。
さらに、MDM(モバイルデバイス管理)ツールの導入も検討するとよいでしょう。MDMを使えば、社用携帯の一元管理が可能となり、セキュリティポリシーの適用やアプリの配布、リモートロックなどを効率的に行えます。
社用携帯は業務遂行に欠かせないツールである一方で、適切な管理を怠れば大きなリスクにもなりかねません。セキュリティ対策の徹底は、企業にとって喫緊の課題といえるでしょう。
私的利用の禁止と罰則規定
社用携帯の私的利用を防ぐには、利用規程で明確に禁止事項を定め、違反した場合の罰則規定を設けることが有効です。例えば、「業務時間外での私的なSNSの利用を禁止し、違反した場合は懲戒処分の対象とする」といった具体的な内容を盛り込みましょう。
従業員に対して十分な説明をした上で同意を得ることも大切です。「なぜ私的利用を禁止するのか」「違反するとどのような影響があるのか」といった点を丁寧に伝えることで、従業員の理解と協力を得られるでしょう。
一方で、業務上必要な通話やメール、アプリの利用は、適切な範囲で認めることも必要です。全面的に禁止してしまうと、かえって業務効率が低下してしまう恐れもあります。
社用携帯の利用ルール作成時の注意点
社用携帯の利用ルールを策定する際には、会社の業務効率を最大限に保ちながら、従業員の利便性と公平性を確保することが重要です。効果的なルール作りは、業務の実態に即し、現場の声を反映させることで、従業員のモチベーションを維持しつつ、会社全体のセキュリティとコンプライアンスを強化することができます。
実務に支障をきたす内容にしないこと
まず、実務とかけ離れた非現実的な内容にしないことが肝心です。例えば、営業職の従業員に「外出先での携帯電話の使用を一切禁止する」といったルールを設けても、業務に支障をきたすだけでなく、ルール違反を招くリスクもあります。
むしろ、業務上必要な利用はできるだけ許可した上で、業務外の私的利用を制限するなど、メリハリのある運用が求められます。また、全社一律の画一的なルールではなく、部署や役割に応じて、ある程度の柔軟性を持たせることも重要です。
業務の実態を踏まえ、現場の声に耳を傾けながら、実効性のあるルール作りを心がけましょう。
部署間や個人間で不公平が生じないこと
部署間や個人間で不公平感が生じないよう、社用携帯の利用ルールは公平性に配慮して作成することが肝要です。
例えば、営業部門には外出先での利用を認め、経理部門には社内利用のみを許可する、といった差異は慎重に作成したほうがよいでしょう。また、役職に応じて機種やプランに差をつけることも、不公平感を招く恐れがあります。
定期的に見直しブラッシュアップすること
定期的な見直しとブラッシュアップも、社用携帯の利用ルール策定において重要なポイントです。テクノロジーの進歩やビジネス環境の変化に伴い、当初策定したルールが実情に合わなくなることもあるでしょう。そのため、定期的にルールの見直しを行い、必要に応じて修正・改善を加えていくことが求められます。
利用状況のモニタリングで浮かび上がった課題や、従業員からの意見・要望なども参考にしながら、より実態に即した、柔軟性のあるルールへとブラッシュアップしていきましょう。
社用携帯の運用と管理体制の構築
社用携帯の管理を適切に行うためには、運用・管理体制の構築が欠かせません。ここでは、管理責任者の設置と役割分担、利用状況のモニタリングと監査、紛失・故障時の対応手順の整備について解説します。
管理責任者の設置と役割分担
社用携帯の管理責任者を設置しましょう。責任者は社用携帯の利用ルール策定、従業員への周知徹底の他、日々の利用状況を監視する役目を担います。
万が一、紛失やトラブル、不適切な利用が発生した際は、速やかに対応できるよう、管理責任者が中心となって対応にあたりましょう。
利用状況のモニタリングと監査
社用携帯の利用状況を定期的にモニタリングし、不適切な利用がないか監査することも重要です。業務に無関係なアプリの使用がないか、私的な通話の頻度が高いなどの兆候がないか、利用履歴をチェックしましょう。
場合によっては抜き打ちで実機を確認し、ルール違反がないかを定期的に監査するのも必要かもしれません。モニタリングや監査で問題が見つかった場合は、速やかに従業員への注意喚起や再教育を行い、ルールの順守を徹底させましょう。
こうした地道な取り組みが、社用携帯の適切な運用につながり、情報漏えいなどのリスク防止に役立ちます。
【関連記事:情報漏えい対策の必須知識!現状と原因別の事例や対策を徹底解説】
紛失・故障時の対応手順の整備
社用携帯の紛失や故障は、多くのケースで業務に大きな支障をきたします。そのため、万が一の際に速やかに対応できるよう、明確な手順を整備し、従業員に周知しておくことが大切です。
例えば、紛失時の連絡フローや、データ消去などのセキュリティ対策、代替機の手配方法などを事前に定めておきましょう。また、故障時の修理依頼先や、修理中の代替機の利用ルールなども、あらかじめ決めておくと安心です。
いざというときに慌てないよう、シミュレーションを行い、手順の実効性を確認しておきましょう。
従業員教育と意識啓発の実施
社用携帯の適切な管理のためには、従業員1人1人のセキュリティ意識を高め、利用ルールを徹底することが欠かせません。会社の重要な情報資産を守るためにも、従業員教育と意識啓発に力を入れる必要があります。ここでは、効果的な取り組み方法を3つ紹介します。
社用携帯利用に関する研修の実施
社用携帯の利用規程の内容や、セキュリティ上の注意点、業務外利用の禁止などについて、分かりやすく説明する場を設けましょう。セキュリティ意識の低い従業員がいると、会社全体のリスクにつながります。定期的な研修を継続することで、従業員の意識を高く保つことが可能です。企業全体の信頼性を維持するために、従業員1人1人が責任を持って社用携帯を利用するよう努めましょう。
啓発資料の作成と配布
社用携帯の利用ルールやセキュリティ対策をまとめた啓発資料の作成と配布は、従業員の意識向上に大きな効果があります。イラストや図表を交えて分かりやすくまとめた小冊子を配布するのもよいですし、クラウドストレージ上にデータ置き、いつでも確認できるようにしておくのもよいでしょう。
一度作ったら終わりではなく、定期的に最新版に更新することで、従業員の意識を継続的に高めていくことができます。
違反事例の共有と注意喚起
社用携帯の不適切利用事例としては、業務時間中のゲームアプリの利用や、機密情報を含むメールの私用アドレスへの転送などが挙げられます。下記はあくまで想定される事例ですが、現実には十分起こり得るでしょう。
・営業担当者が顧客情報を私用のクラウドストレージにアップロードし、関係者以外も閲覧可能な状態にしていた
・社用スマホでSNSに不適切な投稿を行い炎上してしまった
このような事例は他人事ではなく、自分の身に起こりうる問題として認識してもらうことが大切です。セキュリティ意識の低い従業員の不注意から、会社の重要情報が流出するリスクは決して小さくありません。
社用携帯の適切な選定と設定
社用携帯を適切に管理するには、業務内容に合わせた機種選定と、必要最小限のアプリ導入が欠かせません。加えて、一元管理ツールを活用することで、端末の設定変更やアプリ配布を効率化できるでしょう。ここでは、社用携帯の選定と設定に関する重要なポイントを紹介します。
業務内容に合わせた機種選定
各部署や従業員の業務内容を詳細に分析し、必要な機能を洗い出しましょう。例えば、外回りの営業担当には、高性能カメラや大容量バッテリーを搭載した機種が適しているかもしれません。一方、社内での利用が中心の場合は、シンプルな機能の携帯電話で十分な場合もあります。
セキュリティ面での要件も考慮する必要があります。機密情報を扱う部署では、セキュリティ対策が施された専用端末の導入が望ましいでしょう。
必要最小限のアプリ導入
業務に必要なアプリのみを厳選して導入することは、社用携帯の適切な運用において重要なポイントです。不要なアプリをインストールすることで、セキュリティリスクが高まるだけでなく、業務に集中できなくなる可能性もあります。
ただし、業務効率化に役立つアプリは積極的に導入したいところです。社内コミュニケーションツールや、クラウドストレージサービスなどは、業務の円滑化に欠かせません。
アプリ導入の際は、セキュリティ面での評価を徹底し、信頼できるものだけを厳選しましょう。定期的なアプリの見直しも忘れずに行い、不要になったものは削除するようにしてください。
一元管理ツールの活用
MDMなどの一元管理ツールを活用することで、社用携帯の設定変更やアプリ配布を効率的に行うことができます。セキュリティポリシーに基づいたパスワード設定や、業務に必要なアプリの一斉インストールなども可能です。
MDMの活用により、個別の端末管理に煩わされることなく、全社的な社用携帯の運用が実現できるでしょう。また、リモートからのデータ消去や端末ロックなども可能なので、紛失・盗難時の対応も迅速に行えます。
料金プランの絞り込み
法人契約の料金プランは各社さまざまですが、一般的には通信量や端末台数、かけ放題などオプションの有無で変わります。また、端末の保証やサポート体制も見逃せません。故障時の代替機の提供や、迅速な修理対応が可能なメーカーを選ぶと安心です。
部門ごとに最適な端末とプランを組み合わせることで、コスト削減と業務効率化を両立できるでしょう。なお、すでに端末がある場合は、データSIMだけを契約するのも一手です。
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「シェアプラン」を選択すれば、複数SIMの通信容量をシェアできるため、ユーザー間で月間使用量に大きな差があってもコストの無駄を抑えられます。
外回りの営業担当者や在宅勤務者のビジネス用モバイル回線として、また工事現場・イベント会場などでの一時利用にも最適です。SIM対応のさまざまな機器に適用できるため、POSレジや監視カメラなどIoT機器からのデータ収集にも活用できます。
まとめ
社用携帯の適切な管理は、情報漏えいリスクの防止や業務効率化に不可欠です。基本ルールの策定と周知、セキュリティ対策の徹底、私的利用の禁止と罰則規定の設定が重要です。また、利用状況のモニタリングや紛失・故障時の対応手順整備、従業員教育による意識啓発も欠かせません。機種選定や設定の最適化、管理ツールの活用で運用負荷を軽減しましょう。
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