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防災インタビューVol.4

災害時に情報を役立てるために

放送月:2005年2月
公開月:2006年11月

市川 啓一 氏

レスキューナウ・ドットネット 代表取締役

災害時に必要とされる情報とは

情報が必要だという話をさせていただきましたが、災害時に知りたい情報とは何だろうかということを話したいと思います。

もちろん、災害が起こってからだけではなく、普段から災害について知っておくことが大事です。身の回りでどういうところが危険なのか、どういう災害が起こる可能性があるのか、起こったらどうすればいいのかを考えたり、そのときにどこに逃げればいいのか、こういうこともすべて情報ですので、ぜひアンテナを伸ばして、しっかり知ってほしいと思います。

また災害が発生したときに、まず知りたいことというのは「何が起こったんだろうか」ということです。私たち人間が分かるのは揺れだとか、何か爆発が起こった音がしたとか、爆破だったとか、そういうことですが、それがなぜなんだろう、何なんだろうということを知りたいという思いがあります。揺れであれば地震だということになるわけですが、例えばグラグラグラと大きく揺れて、自分のところで感じる地震は、震度で言えば5強ぐらいだとして、それが自分のところが一番ひどくて、震源の上にいる震度5強なのか、それとも、もう少し離れたところに震源があり、そこでは震度7の地震があって、自分のところは離れているから震度5強なのか、それによっても違うと思います。自分のところが一番ひどいのであれば助けてもらえばいいのですが、周りがもっとひどいことになっているのであれば、助けは来なくて逆に助けに回らなければいけないかもしれないし、家族・知り合い・会社がどうなっているか、いろいろ考えなければいけません。ですので、何が起こったのだろう、そしてそれはどうして起こったのだろう、この辺がまず知りたいと思います。

例えば地震が起こるとテレビで、すぐ地震速報のテロップが出ます。まず、どこどこで大きな地震があって、と出てきて、数分すると分析された結果で、震源がどこで震度がいくつで、マグニチュードいくつで、各地の震度は以下の通りというふうに出てきますから、これで地震の状況が分かると思います。この後、知りたいのは、それによってどんな被害が出ているかということで、今度は被害状況にいくわけです。亡くなられ方がいるのか、火災が出ているのか、ビルの倒壊とか、どんなことになってしまっているのかということを、皆さん知りたくなるわけです。その中で、やはり自分の家族とか、もし会社であれば自分の会社の社員はどうなっているのか、自社のビルはどうなっているのかと、自分に何か関係する人の状況を早く知りたくなってきます。全体像を把握できたら次は、うちは、自社は、家族は、社員は、というふうな安否確認が必要になってきます。

安否確認の方法

安否確認という言葉が使われるようになったのは、阪神大震災以降だと思いますが、当時はまだ各自の安否を知るには電話ぐらいしかありませんでした。それからだんだんいろいろな仕組みができてきて、電話に登録するだけではなくインターネットのウェブサイトに登録するというものが出てきました。これらは現地にいる方が、自分から電話をかけて安否を伝え登録する、あるいはウェブサイトに入っていって、そこに自分の安否を登録するということになりますので、実際にどこにかければいいか、どこにアクセスすればいいのか覚えておくのも大変です。また、安否を伝えるという意識を持つことは結構大変なので、実際の災害のときに、あまり登録率がよくないのです。探すほうは心配していますから、どこかに登録されていないかな、と思うのですが、探しても、あまり知りたい人の安否が入っていないことが多くなっています。

最近はそれに対してメールとか、こちら側から、つまり会社で言えば本社の側から、皆さん無事ですかということを問い掛けられるようになったので、皆さんがそれに対して答えることになり、回答率が非常によくなっています。特にメールやインターネットの場合は、パケット通信を使うため良い点もあります。電話は災害時に電話局のほうで輻輳(ふくそう)制御がかかるので使えなくなってしまいますが、これと比べるとパケット通信というのは、1つは通信のデータが非常に小さいし、皆さんがずっとしゃべり続けるわけではなくて自分の携帯に打ち込んでから送信するので、一瞬だけしか電話回線を使わず、輻輳(ふくそう)しにくいので多くの情報のやりとりができます。ですから、災害時に非常に強いということがあります。メリットとして、通信の仕組みとして災害時に強いということと、もう1つはこちらから無事かと聞いて答えを集められるので、非常に回答率がよくなってきます。

事例で言うと、新潟中越地震のときに、私どものレスキューナウが提供している安否確認サービスにご契約いただいているお客様の中で、実際に新潟に社員さんがおられて、安否確認を取った会社が13社ありました。13社の1000人の方に一斉に安否を確認していただいたということがありました。例えばコンビニエンスストアのローソンさんにご利用いただいていますが、新潟に30人の社員が登録されていて、その30人の社員に自動的に安否確認の仕組みが動き、無事かと聞きました。地震があってから1時間以内に全員の回答が得られましたので、東京の本社の方で社員全員の無事を確認し、次の指示をしていくことができました。

このような仕組みに興味がある方は、ぜひこのレスキューナウドットネットをご覧いただいて、個人の方も法人の方も、ぜひご利用いただきたいと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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