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防災インタビューVol.4

災害時に情報を役立てるために

放送月:2005年2月
公開月:2006年12月

市川 啓一 氏

レスキューナウ・ドットネット 代表取締役

災害には日ごろの備え

災害のための備えというのは、普段から使っているというのがすごく大事なポイントです。それは情報についても同じで、例えば安否確認の話をしましたが、災害時に無事ですかというメールを社員に出すとしても、安否確認などしょっちゅうあるものではないので、急に送ろうとしても社員がメールアドレスを変えてしまったとか、迷惑メール対策で着信拒否をしているとか、そういうこともあります。1年もしたら果たして何割の人にメールが届くか、非常に怪しくなってしまいます。また単に物理的にメールが届けばいいのではなく、使う側がそのことについて習熟しているかどうかも大切です。この携帯はいざというときに、災害時に、情報を取るためのツールである、これを通して会社とコミュニケーションをはかるんだ、ということが分かっていないと、実際に災害時に使えるとは言えません。

そうはいっても大災害というのはめったにありませんので、平時からどういうふうに使っていくかということが重要です。災害にも大災害から小さな危機まであり、日ごろの生活にちょっと困ってしまうこと、そのことによって計画通りに行動ができなくなってしまうようなことも、すべて危機というふうに考えられます。例えば大雨が降ってきたが傘を持って出なかったので、どしゃぶりになって困ったとか、電車が止まったので予定のアポイントメントに遅れてたとか、そういうことを避ける、これも危機管理です。

普段からいろいろな生活に役立つ危機管理情報を受け取り、使っていただくことによって、携帯電話が自分にとっての危機管理の情報の端末なんだ、何かあればここにくるんだと思っていれば慣れていきます。それが天気予報だと晴れですとか雨ですとか降水確率何パーセントから始まるわけですが、それが何かのときには大雨警報になり、それが何かのときには地震ですよという情報になり、そしてあなたは無事ですかというところまでつながっていきます。そういうふうに平時から使っていくことが大切だと思います。

究極の情報を災害時に生かすには

災害には情報が大事だという話をしてきましたが、実際、平時でもいろいろな情報を受け取っていくことが大事です。必ずしも私どもの会員になって、レスキューナウの情報を取っていかなくてはならないということではありません。例えば、いろいろなニュースのサイトがあると思いますが、そうした中で例えばニフティのサイトとかマイクロソフトネットワークのサイトとか、そういったところに災害情報が出ていますが、その情報をお送りしているのが当社です。あるいはラジオだったりケーブルテレビだったり、その中で災害情報を裏で24時間すべて配信しているのも私どもであり、カーナビの中でその情報が生かされていたり、いろいろなところに出しています。ですので、情報を得るにはレスキューナウの会員にならなければいけないということではなく、私たちはともかく24時間情報センターを運用して、そこでありとあらゆる方法で情報を集めています。それを今度はいろいろな会社、いろいろな情報サービスに情報をおろしていますので、日ごろ皆さんが生活の中で受けている情報の中で、災害時にも必要な情報が届く仕組みをつくっていこうとしています。これは決してパソコンの端末でないといけないわけではなくて、携帯電話も今やインターネット端末ですし、カーナビもそうです。今後は魔法瓶や冷蔵庫、腕時計などの電気製品、家電なども通信機能を持ってくるかもしれません。テレビも地上波デジタル放送になってくると、かなり多様な情報を受け取れるようになります。そのようにいろいろなものが通信機能を持ってきていますので、そこの中で情報を受け取っていくことができるようになると思います。

例えば、私が究極の情報ではないかと思っているのは、今から地震の大きな揺れが来るという情報があります。これは地震予知とは微妙に違います。地震予知ではなく、地殻変動としてもう起こっている地震が、私たちの住んでいる足下に来るまでには時間があるわけです。震源から自分のところに来るまでに2つの周波数で伝わってくるのですが、1つがS波で、もう1つがP波です。P波というのは動物が感じると言われるようなもので、これは速く進んできます。秒速7キロというスピードで来ますが、私たちは気付きません。人間は感じないのです。その後にS波という横揺れの波が来ます。これは秒速4キロで来ます。7キロと4キロで3キロのスピードの違いがあるので、先にP波がきて、後から本当の大きな揺れをもたらすS波が来ますので、この3キロのずれを利用してP波で分析すれば「今から何秒後にあなたのところに震度6強が行きますよ」と伝えられます。あとはネットワークの問題です。今後どんどん通信環境が良くなっていきますし、いろいろなことが進んでいますので、私たちの手元に、わずか10秒・20秒・30秒の中でパッと伝わってきて「すぐ伏せてください」「あなたのところに今大きな地震が来ますよ」ということが伝えられるようになってきます。このようなことも、もう夢の話ではなく、その情報自身は気象庁のサーバーにはあるのです。あとは私たちにどうやって伝えるかという問題で、もう1つは受けた私たちがパニックにならないで、どう行動すればいいかということです。これがないとやみくもに情報を渡しても、かえってパニックが起きてしまいます。こうしたことの社会実験はもう始まっています。

これは究極の情報の1つの例ですが、災害情報というものは確実に進んでいます。技術も進んでいますし、届く情報も進んでいます。ぜひ皆さん今後とも関心を持って、できることから、その情報を受け、生活の中で、そして災害のときに役立ててほしいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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