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防災インタビューVol.9

自分の命、家族の命を守るためにできること

放送月:2004年1月
公開月:2007年4月

目黒 公郎 氏

東大生産技術研究所 教授

関東大震災にみる耐震補強の重要性

1923年の9月1日の正午になる少し前に、M7.9 の大正関東地震が発生しました。この地震が引き起こした様々な障害を総称して関東大震災といいます。兵庫県南部地震と阪神・淡路大震災の関係と同様です。関東大震災は、皆さんご存じのように、東京が火災で壊滅的な被害を受けた地震災害として有名です。現在の東京23区の中心部にあたる旧東京市では、大規模な延焼火災が発生し、これが40時間以上にわたって燃え広がり、最終的には市全体の43%が焼失しました。被害総額は当時のGDPの4割を越えました。

延焼する市街地(長田区)

焼け野原に立った当時の専門家や政府の高官たちが、次のようなコメントをし、これが教訓として様々な報告書にも記載されました。強調された教訓とは「消防力を充実すべき」とか、「地震よりは火災のほうが怖い」という、火災に関係するものばかりです。これがその後の首都圏の、あるいは大都市圏の地震防災対策のポリシーに大きな影響を与えました。焼け野原に立った彼らは本当にそう思ったのでしょうが、これはあまりに結果のみを見た発言であり、なぜそうなったのかという原因と結果の因果関係の分析と、それに基づいた解決策の提示の面では全く不十分だったということです。

火災に対する対策はもちろん大事ですが、私自身は彼らの発言にどうしても納得がいかず、当時の様々な報告書をもう1回よく調べてみました。具体的には、「火災がどこで発生したのか」「消し止められたのか、延焼したのか」「各地域を延焼させた火災はどこで発生した火災だったのか」などを調査しました。さらに最近の研究成果として明らかになってきた地域ごとの地震動の強さや建物被害と、先ほどの調査結果を合わせて分析しました。その結果、非常に重要なポイントが明らかになりました。それは、関東大震災の被害を拡大させた最も大きな原因が、地震動による建物被害であったということです。すなわち、耐震性の低い建物の揺れによる被害が、その後の大規模延焼火災を引き起こし、多くの犠牲者と巨額の被害を出した本質的な原因だったということです。

建物の全壊率と初期出火率はきれいに比例します。同時多発の震後火災は、直後から大規模なものではありませんが、出火件数が多いので、公的な消防力の対応能力を遥かに超えてしまいます。数は多いが小規模な火災では、市民による自主的な初期消火活動が最も効率的な対応になります。しかし建物被害が甚大になるのと、次のような3つの理由から、これが難しくなるのです。1つ目は、建物が多数壊れると被災建物の下敷きになってしまう人が多数出るので、その人たちを助け出さなければいけない。この初期の救出活動も市民に期待される直後対応であり、これを優先するために初期消火が後回しになります。2つ目はつぶれた建物の下や中からの出火に対する消火活動は、一般市民には難しく、簡単には消せないこと。3つ目は多数の倒壊建物が発生すると、各所で狭い道路や路地が倒壊家屋によって閉塞するので、火災現場に近づくことが困難になることです。これら3つの理由から、建物が壊れてしまうと初期出火率が高まる上に、初期消火活動の効率が極端に低下するので、延焼を食い止めることが難しくなるのです。ですから、建物の耐震性を高めるということは、直後に被災建物によって亡くなってしまう人たちを大幅に減らすという意味で非常に重要なだけでなく、その後の火災の問題を解決する上でも本当に大きな意味を持っているのです。

ちなみに関東大震災当時の東京の木造建物の耐震性が、現行の耐震基準で造られている木造構造物並みの耐震性を持っていたと仮定すると、延焼火災はどれくらい減らすことができたのかを試算してみると、揺れによる被災建物が激減することで、延焼火災はなんと6分の1くらいに減らすことができた可能性が高いことが、私の研究室の研究成果として得られています。ところがこの重要な認識はまだ広く知られていません。例えば東京都の地域防災計画の中で、地震火災に対する予防対策として、この最も重要な「脆弱建物の耐震補強の推進」にかかわる記述は全く入っていません。

建物の耐震性が高まれば、火災の問題が大幅に改善することが全く反映されていない。これは大変な問題ですから、この部分は今後、役所のほうに十分考慮いただいて、改定していただくということが重要だと思っています。

耐震補強を促進するために

耐震補強が重要だということを繰り返し述べていますが、現実問題として、これはなかなか進展していません。どうすれば弱い建物の耐震補強が普及するのか、その環境づくりが課題になっています。耐震補強が進まない理由は様々ですが、いろいろと整理してみると、私は次のようにまとめられると考えています。

まずは、災害状況を適切にイメージできる能力が低いために、耐震補強の重要性の認識が低いこと。この災害をイメージする能力に関しては後で説明しますが、その次に技術と社会制度の問題があると思います。

「新潟県中越地震で倒壊した家屋」1階を店舗や車庫などに使っている古い建物が壊れている

技術としては、わかりやすく信頼性が高いこと、そして適切な価格と多様なメニュー化です。わかりやすく信頼性が高いという意味は、「著しく耐震性を高めなさい」という意味ではなくて、「補強の効果を信頼性の高い情報としてわかりやすく説明できるようにしなさい」という意味です。図面上での評価ではなくて、実際の建物、現在の利用状況を踏まえた定量的な評価が求められます。適切な価格というのは、「安ければ安いほどいい」という意味ではありません。補強効果に対して適正な価格設定がなされているという意味です。重要問題を解決するためには、一部の関係者にしわ寄せが生まれるような仕組みでは絶対にうまくいきません。全ての関係者の努力が報われるシステムが重要です。耐震補強業者に適切な利益が出ないような価格設定では、まともな業者は参入しません。悪徳業者を生む原因を作るということです。性能や価格に応じた多様なメニューの用意も重要です。耐震補強を依頼する側の視点と、それを受ける業者の両者の視点から魅力あるものになっていることがポイントです。

社会制度としては、耐震補強を推進する社会システムと、技術の持つ信頼性を担保する社会システムの構築です。現在の我が国においては、耐震性を高める技術的な課題(特に耐震補強技術)以上に、社会制度やシステムの問題が耐震性を高める活動の普及において重要な課題になっているのではないかと思います。

近い将来の地震で、全壊・全焼のみでも200万棟を超えるような被害が予想される中では、「事前に行政がお金を用意して進める現在の耐震補強支援策」も、今盛んに議論されている「行政による事後の手厚い被災者支援策」も財政的に全く成り立ちません。さらに副次的にも多くの問題を生むのです。前者では数を限って実施しても「やりっぱなしの一発勝負」の制度が、悪徳業者が入り込む環境を作っていますし、後者は最も重要な事前の耐震補強対策へのインセンティブを削ぐのです。いずれもオールジャパンを対象として、長期的な視点からわが国の防災に貢献する制度になっていませんし、公的な資金の有効活用の点からも説明責任が果たせるものになっていません。

防災における「自助」「共助(互助)」「公助」

防災においては「自助」「共助」「公助」が重要ですが、基本は「自助」にあります。また「共助」や「公助」は「自助」を誘発する仕組みがないと、大幅な無駄やモラルハザードを生むだけでなく、被害軽減に結びつかないのです。

地震防災における「自助」の最重要なアクションは持ち主による事前の「建替え」と「耐震改修」です。これを実現する「制度」として、私は「行政によるインセンティブ制度(公助)」、「耐震改修実施者を対象とした共済制度(共助)」、「新しい地震保険(自助)」を提案しています。これら3つの制度(目黒の3点セット)により、耐震改修が不要な高い耐震性の建物に住む人と耐震改修を実施した人は、将来の地震で万が一、全壊・全焼などの被害を受けても新築住宅の建設に十分な支援を地震後に受けることができる環境を整えることができます。

目黒提案の公助システム

わが国は自然災害については自力復興を原則としています。しかし実際には、被災者には各種の公的支援がなされます。阪神・淡路大震災の際には、ガレキ処理や仮設住宅の供給、復興住宅の建設などをはじめとして、全壊住宅世帯には1世帯当たり、収入にもよりますが最大1300万円とか1400万円、半壊でも1000万円規模のお金が使われました。もちろん被災者個人のポケットにキャッシュとして入ったわけではないので、被災者自身もそれほど多額の支援を受けたという自覚はないのですが、実際に彼らの生活を支援するために使われたのです。例えば、被災建物の瓦礫処理費とか、仮設住宅の建設や撤去費、復興住宅の建設費などです。被災世帯への税の減免なども公的支援のひとつです。これらの多くは建物被害がなければ費やす必要のないお金であり、その主な原資は公費です。

そこで私は次のような「行政によるインセンティブ制度」を提案しています。これは、事前に持ち主が自前で、耐震診断を受け改修の必要がないと判定された住宅、または改修をして認定を受けた住宅、すなわち地震後に必要となる公費の軽減のために事前に自助努力したものが、地震によって被害を受けた場合に、損傷の程度に応じて、住宅の補修や再建用の資金が行政から優遇支援される制度です。この制度は公的な資金を私的財産に運用するという点で自力復興の原則には反しますが、被災建物数が激減するので、事後に必要となる公的資金の出費を大幅に減らすことができます。私の試算によれば、行政は全壊世帯に1千万円を優に越える支援をしてもトータルとしての出費は大幅に減ります。

現行の耐震基準を満足しない耐震補強を必要とする既存の建物を既存不適格建物と言いますが、これが静岡県で50数万棟、神奈川県で80万棟、東京で120~130万棟も存在しています。自治体が事前にお金を用意して、市民に補強をお願いする現在の制度では、1軒当たりに、例えば100万円ずつ支援する場合、都道府県単位で地震の前に5千億から1兆円を越える予算措置が必要となるので、全く現実的ではありません。しかも建物の数を限って実施したところで、既に説明したように「やりっぱなしの一発勝負」の制度であり、「悪徳業者」を生んでしまいます。さらに高額の補助金を出す自治体では、市民がなるべく高い資金援助を得るために所得が低くなるまで改修を先送りしたり、高い支援金を見込んだ業者による改修が、他地域に比べて著しく高額になったりする問題が生じているのです。

一方、私の提案する制度では、行政は事前に巨額の資金を用意する必要がありません。また発生する被害を激減させ、行政と市民の両者の視点から地震時の出費を大幅に軽減し、税金の有効活用を実現します。しかも経契約建物の耐震性を継続的にウォッチングする仕組みが誘発され、これが社会ストックとしての住宅の継続的な品質管理に貢献し、さらに「やりっぱなしの悪徳業者」を排除し地元に責任あるビジネスをもたらし、地域の活性化にも貢献するのです。

また耐震補強が普及しない理由として、一般市民の目から耐震補強の効果が良く分からないだけでなく、せっかく耐震補強したものが将来の地震で被災した場合に誰も補償してくれないので、それが不安で補強に踏み込めないという人が大勢います。このような方々に対しては、私の制度では、「事前に自助努力してくれたあなたの家が、万が一将来の地震で被災しても、行政からの手厚い支援が受けられるので大丈夫です」といって補強に向けて、背中を押してあげることができます。

さらにこの制度では、以下に述べる「行政によるリバースモーゲージ」も有効です。経済的な理由から耐震改修できないという世帯を調べてみると、多くの場合では「今キャッシュがない」だけで、土地付の住宅や生命保険などを持っています。この人たちには土地や生命保険を担保に、金融機関から耐震補強費を借りて、まず補強をしてもらう。しかし毎月の支払いが難しいので、その分を行政が公的資金から貸し出せばいいのです。払い戻しはその世帯主が亡くなった際に一括して行えば良い。こうすることで市民の命が守られ、行政は地震時の出費を大幅に軽減できます。市民も損害を軽減できるし、仮に被災した場合も行政から手厚いケアを受ける環境が整うのです。

目黒提案の「共助」システム

最後に「自助」の制度として提案する「新しい地震保険」を紹介します。新築や適切に耐震改修を実施した住宅が揺れで壊れる可能性は著しく低くなります。またすでに説明したような目黒提案の「公助・共助」制度で、揺れで被災した場合には新築に十分な2000~3000万円という支援が行政(公助)と共済(共助)から得られますから、これで家を新築し、生活再建すればよいのです。問題は震災後火災です。そこで私の提案する制度は、揺れによる被害を免責にする地震保険です。すなわち、揺れには耐えて残ったが、その後の火災で被災した場合に役立つ保険です。

兵庫県南部地震は風の影響が少なかったとはいえ、揺れで被災した建物は全半壊で25万棟、一部損壊はさらに39万棟ありました。延焼火災建物は七千数百棟ですが、その多くは揺れの被害を受けています。揺れによる被災建物を保険の対象から免責にすると補償対象が大幅に減ることが分かります。さらに建物の耐震性が高まると初期出火率が低下するだけでなく、消火活動の条件が向上するので、延焼火災数はさらに大幅に減少します。私の試算によれば、揺れによる被災建物を免責の場合の補償対象建物数は、簡単に百分の一程度になる。現行の地震保険のように再保険制度を前提にしなくても、年間10万円の保険料が1千円になる計算です。これならば地震保険の割高感もなくなるし、火災保険の30~50%という地震保険の補償制限も撤廃できるでしょう。

認識を改めるべきこと

耐震改修費は木造住宅で平米当たり1万5千円が目安です。100?なら150万円。最近ではもっと安い工法が多く提案されています。自家用車の値段と比較してみてください。これで家族と財産を守ることができるのです。しかもその効果は10年単位で続きます。自家用車を購入する際、多くの人は強制保険はもちろん、任意保険も買うでしょう。交通事故の悲惨さがイメージできるからです。しかし耐震補強の重要性に関してのイメージは低い。さらに自動車保険は、保険ビジネスが成り立っていることからも、支払った保険料の投資対効果は1以下です。しかし現在の地震活動状況を考えると、耐震改修の投資対効果(耐震改修費とそれによる期待被害軽減額の比)が5倍~10倍という例(地域と物件)はざらなのです。

よく耐震改修に使う「お金がない」という声を聞きますが、その一方で、耐震補強と無関係なリフォームは、現在、年間70万棟の規模で、平均700万円以上かけて行われています。このリフォームの機会を活用して耐震補強をすれば、経費は半分になります。

現在のわが国のように地震活動度の高い地域や時期には、「市民一人一人が事前の努力でトータルとしての被害を減らすしくみを作った上で、努力したにも関わらず被災した場合に手厚いケアをする制度」の整備が重要です。「やられた人がかわいそうだから、なるべく多くのお金を支援してあげよう」的な制度は財政的に成り立たないし、被害を減らす効果もありません。このような制度のために、地震のたびに甚大な被害を受け、また財政的な問題に悩んでいるトルコの事例に学ぶべきです。耐震基準を守らせる仕組みの弱いトルコでは、耐震性の低い建物が多く存在しています。1999年のコジャエリ地震でも約1万8千人の犠牲者が出ました。にもかかわらず耐震補強は全く進んでいないのですが、理由は地震で壊れた持ち家に対して、行政が新しく恒久住宅を建てて供与する制度があるからです。最近の北アナトリア断層の地震活動度からは、同国最大の都市イスタンブール市を襲う地震の発生は時間の問題で、その被害額はGDPの3割(日本に置き換えて150兆円)に達すると予想されています。さらに住宅供与制度のため、GDPの4~5%(同様に20~25兆円)の予算が必要になるのです。これらの数値は、制度のあるなしにかかわらず、地震後に行政がこの規模の被災者支援を行うことが不可能なことを示しています。にもかかわらずこの制度のために、市民は全く耐震補強を実施しようとはせず、将来の地震被害を大きくする方向に進んでいるのです。さすがに問題に気づいて地震保険なども検討されましたが、これも建物の耐震性の向上なくしては機能しません。

今、流れを変えておかないと

我が国が今トルコと同様の方向に進み出しています。何もせずに弱い家に住んでいて、それが地震で壊れると生活再建費が行政から支援される制度「被災者生活再建支援法」です。これは再考すべきです。私は被災地で困っている人を助ける制度を否定しているのではありません。この種の制度を考える場合には、同時に事前に自助努力した人が被災した場合の優遇制度を整備しないと、「自助」のインセンティブがなくなり、被害が増大するとともに莫大な公的資金が無駄となることに警鐘を鳴らしているのです。

被災者生活再建支援として現行のように全壊被災世帯に300万円支援しても、これだけではもちろん足りません。阪神・淡路大震災の事例に従えば、さらに1000万円を支援する必要があるのです。今のままの状況では、南海トラフ沿いの巨大地震や首都直下地震などで、200万棟が全壊・全焼、すなわち350~400万世帯が住家を失う可能性があるのです。我が国のように、近未来に莫大な地震被害が想定される中でこのような制度が成り立つでしょうか。

私はこの制度が設立される以前から、繰り返し指摘してきたことがあります。それは次のような内容の指摘です。

今後は被災者生活再建支援制度によって支援を受ける人が出てくる。このような状況下で私が最も恐れていることは次の点だ。

防災の専門家として、起きて欲しくないが、その制度設立後の最初の地震が、数十万棟の全壊建物を生じるような地震であれば、自助努力を条件としない現行の支援制度の問題を多くの国民が認識できる。なぜならこの制度が被害抑止に全く貢献しないばかりか、莫大な予算を必要とすることがはっきりするからだ。問題は、数百~千世帯程度が支援を受ける地震が起こった場合だ。マスコミは支援を受けた被災者に支援制度の感想を尋ねるだろう。支援を受けた被災者は、「このような制度があって本当に助かりました」と涙ながらに答えるだろう。この人は支援を受けた人だ。その時点では残念だがタックスペーヤーの視点はなく、タックスイーターの視点に立っている。マスコミはさらに質問を続ける。「この制度に関して、何か要望や意見はありませんか?」支援を受けた被災者は、「300万円はありがたいが、これだけでは足りません。何とか増額できないものでしょうか」と答える。このような発言を受けて、マスコミや一般社会、そして政治家たちはどう対処するだろうか?

現在の地震学的な環境と地震被害のメカニズムを十分理解した上で、タックスペーヤーの視点から適切に発言できる人は限られている。残念だが、「もっと増額すべきだ」的発言や世論が出てくることは想像に難くない。被災者が傍らにいて、このような議論になった場合に、この流れを止めるのは容易ではない。

今見えることしか見えない多くの国民が、明日の一票を欲しい政治家たちが何と言うだろうか。「300万円では足りない。もっと増額しよう。500万円だ。600万円だ。」となるだろう。「国が300万円出すなら、地方財政から300万円程度上乗せできないか」などとなり、それを推し進めようとする地方議員が支援を集める。

防災において「情」は大切だ。しかしその原資が「公的資金」である場合には、「理」が必要だ。ローカルに近視眼短的に一見良さそうに見えても、それが長期的に、オールジャパンの防災に貢献し、納税者に説明責任を果たせるものになっているかどうかを吟味する目が必要だ。この目を持たないと、真に防災に貢献する対策を打ち立てて、これを推し進めることはできない。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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