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防災インタビューVol.15

地震で人が死なない構造を求めて

放送月:2006年4月
公開月:2007年10月

五十嵐 俊一 氏

構造品質保証研究所 代表取締役社長

プロフィール

新幹線補強

私は、大学を出まして、大手ゼネコンに入り、19年間勤めていました。途中、留学し、構造を専攻する機会をいただきました。日本の場合はもともと地震が多い国です。特に、関東大震災がありましたので、建物の構造と地震対策は表裏一体の関係になっています。しかし、私が、会社に居た頃、阪神大震災の直前までは、日本では地震で人は死なないと思われていて、地震というのはそんなに重要な分野ではなくなっていました。私が、その地震を専門とする部署へ配転された途端、93年釧路沖地震を皮切りに、各地で地震災害が頻発するようになり、調査の出かけては、報告書を書いていました。94年には、ロサンゼルスでノースリッジ地震がありました。建築学会、土木学会とも調査団を派遣し、私も調査団員としてロサンゼルスに行ったのですが、その大手ゼネコンから行ったのは私一人でした。当時は、それほど関心が低かったということです。

現在は、構造品質保証研究所という研究開発ベンチャー企業の社長をしています。最初、会社を作ったときには、新技術の開発というのは全く考えておらず、通常の診断、構造のコンサルティングというような仕事をやっていたのですが、それでは簡単に収益が上がるわけではないので、倒産寸前でした。今は、たまたまめぐり逢って開発した構造補強技術の「SRF」が、特許や公的機関の評価、表彰を頂き、普及し始めましたので、その技術の研究開発と、皆さんにそれをご紹介したり、あるいはマニュアルをつくって品質管理講習をしたり、耐震補強材を販売したり、そういう仕事をしています。

構造改革という言葉をよく聞きますが、政治の分野、経済の分野でも構造が大事ですが、建物や橋などの構造物では、構造が特に重要です。地震の力だけではなく、普段から重力がかかっていますから、ちゃんと支えなければいけないという意味で、大事なことです。

構造の専門家として

今回、構造計算書の偽造というのがありましたが、あれは、役所の方が一生懸命調査しても、なかなか分からないという状態でした。どうしてかというと、本当に専門家といえる人の数が日本でも、とても少ないです。それは日本だけではなくて世界的な問題なのですが、構造というのは地道で、地味な仕事です。普通建築というと、パイプをくゆらせて、デッサンして、先生と言われるような方を想像されると思うのですが、構造専門家というのは、仕事は地味だし、給料もそんなに高くないです。人前に出るのは、逮捕される時くらいです。一人前に成るまでに、数学、物理などから、コンクリートや鉄の材料の性質まで、遊ぶ暇なく、暗い研究室で実験、演習、コンピュータと格闘して実地で勉強して10年以上かかるのですから、なかなか、始めから、構造をやろうと志す人は少ないことが、問題の根本になっていると思います。

阪神大震災での被害

日本では建築士法という法律がありまして、建築士の資格を持っている方は、構造計算ができるのですが、ただ、できるというのは、法律上できるということであって、実際にできるかというと、それはできません。つまり、建築士の資格があると、どなたでも構造計算書をつくってサインをすることはできるのですが、実際につくれる人は、その中の一割もいないという状況です。

医師、弁護士、会計士、建築士など士(師)がつく方は、社会的に優遇されています。士がつく高度の専門職は、社会的に大切な役割なので、給与、待遇を保証しようという社会的意識があると思います。今、耐震偽装問題で明らかになったように、構造専門家というのも重要な専門職です。命がかかっていますから、例えばマンションは、重要な財産ですし、それがもし、たわんできたり、地震のときに倒壊してしまったら、大変なことになるので、医師と同様に、重要です。それに比較すると、現在の構造専門家と、士がつかれる弁護士、医師と、待遇や社会的な評価が、あまりにも違いすぎるので、もう少し構造の専門家に対して、社会的なサポートをしてやらないと、なかなか若い優秀な人がそちらにいかないという問題があります。是非優秀な若い方に、構造専門家、「構造士」を志して欲しい。社会でもそれを応援するようなシステムを作ってほしいと思います。

耐震強度などについての技術説明会

SRF工具と材料

私たちの会社は、新しい技術を皆さんに使っていただくための会社ですので、毎月定期的に説明会をさせていただいています。第一水曜日の3時から5時に技術説明会ということで、一般の方に耐震の補強とか、診断とか、当社の開発した新しい補強技術であるSRFとか、そういう技術内容を説明して、ご質問を受けるという機会を作っています。どなたでも無料で参加することができます。場所は、神田神保町なので、半蔵門線の神保町で降りていただいて2分くらいです。

あとは、毎週第二水曜日はちょっと専門的になりますが、SRF研究会会員を対象とした設計講習会ということで、専門の設計者の方向けに、当社の開発した補強技術であるSRFの設計法をご紹介していく講習会を行なっています。第三水曜日は品質管理講習会ということで、SRFの品質管理や、工事の説明会もやっております。第四水曜日は、木造講習会です。

講習会

二週目以降は、専門的な講習会になりますが、一般の方は第一週の技術説明会に是非お越しください。無料です。ご希望の方は、当社のURLにアクセスしていただくか、あるいは電話、ファックスで申し込みしていただけると良いと思います。電話番号は、03-5214-3431 URLは、http://www.sqa.co.jp/となります。是非皆さん、興味のある方はお問い合わせいただきたいと思います。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。