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防災インタビューVol.25

「次の世代」に伝える耐震と防災の活動

放送月:2007年12月
公開月:2008年7月

小田 順子 氏

東京いのちのポータルサイト理事

役所屋本舗

私はNPO法人の東京いのちのポータルサイトというところで、11月から理事をやっております。仕事は「役所屋本舗」という、ちょっと変わった名前のところで、広報コンサルタントというような仕事をしています。

実は私は3月まで区役所に勤めていました。役に立つ所と書いて役所と読むのですが、私は役に立つことを何かしたいということで役所を辞めて「役所屋本舗」で行政書士、司法書士、税理士、社会保険労務士、そして私という形で主にベンチャー企業さんが起業されるときにトータルでサポートしようという、そういうサービスを提供しています。

東京いのちのポータルサイト

5年前の2002年8月に早稲田大学をお借りしまして、当時は任意団体でしたが「東京いのちのポータルサイト」の設立総会をやりました。当初はいわゆるインターネットのポータルサイトをつくろうという構想で、防災関係者が集まってきたものでした。ところがその年の秋口にメンバーの1人が「防災は耐震補強が大事なんだ。耐震補強が進んだら自分は死んでもいい」と言いだしました。その後私たちは、さまざまなイベントを通して活動してきています。

東京いのちのポータルサイトは防災だけではなく、例えば教育関係の方やスポーツ関係の方など、実はいろいろな方がいろいろな立場で参加していらっしゃって、そういった人と人とのリアルなつながりのポータルサイト的な集まりになっています。

私がこの活動に参加するきっかけになったのは、区役所にいたころに、同じ役所関連の方で「とても面白い活動をしている方がいる」といううわさを聞きまして、2002年8月の設立総会のお手伝いに行きました。私自身は防災について全く興味も知識もなかったのですが、何だか分からないけれども人手が足りないからということで、ただボーッとお手伝いに行っただけなのですが、そこからなぜかどんどん、どんどん引きずり込まれて、今ではいのちのポータルサイトの理事というところに、なぜか行き着いてしまったという状態です。

東京いのちのポータルサイト、通称「いのポタ」なんて呼んでいますが、その「いのポタ」でやったイベントの中で、どんどん興味を持っていかざるを得なかったという形です。

2週間連続 防災セミナー

東京いのちのポータルサイトでは、2003年2月に銀座の電通ギャラリーを2週間丸々借り切って毎日、セミナーをやるという、かなり大規模なイベントをやりました。内容は防災に関することですが、その中でもとても影響力があったのが、東京大学の目黒教授のお話、プレゼンテーション、それから映像でした。それを見たことによって、その場にいたみんながみんな「耐震補強が大事なんだ」「しないとやばい」ということを強く思ったようなイベントでした。目黒先生のお話はとてもインパクトが強かったので、この時のイベントに参加した人たちが、それぞれの立場でそれぞれの思いを実現しようという動きがどんどん広がってきました。

私自身に関して言えば、実際、自分の家を耐震補強するというところまできました。やはり耐震補強というのは、お金も掛かることですし、なかなか面倒です。日ごろ仕事をしていて、そういうところまでなかなか手が回らないのですが、目黒先生のお話や映像の影響が強くて「これはやらなければいけない」と強く思ったのです。

電通ギャラリー

自分の息子たちを守るために

耐震補強

うちは息子が2人おりまして、上の子が「自分の部屋が欲しい、弟と別の部屋にしてほしい」と言いだしたのです。そこで家の中をリフォームしようということになり、壁をはがしたりするので、一応耐震診断はしてもらったのですが、やはり古い木造住宅なので、そのついでに耐震補強もやってしまおうということで行いました。

東京いのちのポータルサイトの活動にかかわってきたことで、私は地震が起きて息子がわが家の下敷きになり動けなくなっている状態というのを、なぜかリアルにイメージするようになりました。自分が助けられなくて、大声を出しても泣き叫んでも誰も来てくれなくて、息子がどんどん冷たくなっていく、みたいなところをすごくリアルにイメージするようになってしまって、それを避けるにはどうしたらいいか、もう耐震補強しかないというところに行き着いたのです。うちの場合は家の外壁に取り付けるという形で耐震補強しましたので、さほど日数はかかっていませんが、費用はリフォームと合わせて160万円でした。

しかし、耐震補強はやはり難しいです。一般の方がそんなに簡単に「じゃあ明日からやろうか」という代物ではないと思っています。でも私が感じた息子のイメージ、自分が息子を救いたいという気持ちは、多分ほかのお母さん方も皆さん同じ気持ちでいらっしゃると思うので、お母さん世代、女性、それから若い人たちに、何とか思いを伝えていきたいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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