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防災インタビューVol.27

「みんなで防災!」家庭と企業で

放送月:2008年2月
公開月:2008年9月

西川 智 氏

国交省土地・水資源局水資源部水資源政策課長、元内閣府参事官

防災のプロとして

今、私は国土交通省で水資源政策課長をやっておりますが、実はつい最近まで、内閣府の防災で災害予防と広報と国際防災協力の仕事をしておりました。防災の仕事は非常に長く、この世界に入ったのは1989年からです。それ以降、伊豆半島東方沖の群発地震、リンゴ台風、雲仙普賢岳の火砕流への対応といったこともやりました。その後の3年間はジュネーブの国連に参りまして、国際緊急援助の仕事をやっておりました。その間には、エジプトの地震、インドネシアの地震、あるいはモザンビークのサイクロン対策等々にも対応しましたし、阪神・淡路大震災が起こった時にも国連に勤めておりまして、日本に対する援助をどうすべきかということについてもかかわりました。その後、日本に戻ってきましてからは、しばらくの間、防災からは離れていましたが、2001年7月から神戸にあるアジア防災センターの所長を3年間やりました。その後2004年7月から、ついこの前の7月まで、内閣府で防災を担当しておりました。この間、平成16年の10個の台風、新潟県中越地震、インド洋の津波に対する対応などを体験させてもらいました。

そういう意味で、いろいろな災害の現場を見ることもできましたし、あるいは、その災害予防のためにどんなことをすべきかということを、ずっとやってきております。そのような中で、2つ強調したいことがあります。大事なのは、何といっても1つは命を守ること。それからもう1つは、日本の経済を守ることです。今月、お時間を頂きましたので、これからこの2つに焦点を当ててお話をしていきたいと思います。

防災訓練=生き残るために

よく防災というと皆さんは、炊き出しの訓練や避難訓練をパッと思い浮かべられると思いますが、私がつい最近まで言ってきたのは、「生き残った後の生活のための訓練ではなく、むしろ生き残るための訓練をやったらどうでしょう」ということです。

よく小学校で9月1日に避難訓練というのをやりますが、これは突然、学校の中でベルが鳴って、子どもたちは一斉に机の下に潜って、その後、地震が収まったという想定で廊下に整列して、それから整然と校庭かあるいは体育館に整列します。何年何組は何分何秒で整列できました、パチパチパチとやるのですが、ちょっと待ってください。そのように学校の中から子どもたちが逃げなければならないというのは、最後の手段だと思います。子どもたちがいる空間をもっと安全にし、逃げなくてもよくするためには、どうしたらいいかを考えるのが大切なのではないでしょうか。例えば、学校の中の書棚を固定したり、あるいは窓ガラスが割れないようにしたりして、子どもたちにとって安全な空間をつくることが大事なのではないでしょうか。それは家の中でもそうですし、職場の中でもそうです。今まで防災というと、どうやって逃げるかということをイメージしていたのですが、そうではなくて、逃げなくて済む安全な空間をどうやってつくっていくかということに焦点を当てるべきだと思っています。私はそれをここ3年間、「災害被害を軽減する国民運動」という名前をつけて、いろいろなところでPRをしてまいりました。

予防的な取組を加味した防災訓練の工夫

大地震に対する備え

私たちが生きている間に、大きな地震を多分2回ぐらい経験することになるのではないかという統計数字があります。例えば、南関東のいわゆる首都直下の地震は、向こう30年間に発生する確率は約70%です。70%というのは相当高い確率です。ただそれを恐れるだけでは仕方がありません。こうやって目の前に迫ってきている、あるいは明日あるかもしれない大地震に対して、どうやって事前の備えをしておくかを考えることが大切です。事前の備えをしておけば、恐れることはないのです。

最近は、バリアフリー、ユニバーサルデザインということがよく言われます。それは子どもたちにとっても、お年寄りにとっても、ちょっと足の具合が悪い人にとっても、使いやすい安全な空間だということだと思います。同じことは地震防災についても言えます。家の中がきちんと耐震補強されていて、廊下が広ければ避難もしやすいですし、実は安全な空間です。あるいは最近ですと、エコということが随分話題になっています。例えばエコガラスというのがあります。これは、窓のガラスが二重になっていて、その間を空間にしているものですが、その空間の代わりにビニール層を挟むと、実は地震の時に割れても絶対飛び散らないものになり、これは最近、防災ガラスということで売られています。このようなものに入れ替えるだけで、環境にもやさしいし、かつ安全な空間になります。そういったところをちょっとずつ工夫して、実は身近な空間をバリアフリーやユニバーサルデザイン対応、あるいはエコ対応にする中で、地震や災害に強い空間にしていけば、万が一、例えば明日地震があった場合でも、被害はぐっと少なくなるということが言えるのではないかと思います。

このような対策には、どうしてもお金が掛かりますが、それは安全のための投資です。廊下に手すりをつける、それと同じような感覚で、危ない窓ガラスにフィルムを貼る、防災ガラスに替える、あるいは家具転倒防止装置をつけるということは、お金は掛かりますが、それは自分と自分の家族のための投資だと思っていただければ、十分ペイするのではないでしょうか。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。