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防災インタビューVol.33

地域防災の組織化と意識の啓発

放送月:2008年8月
公開月:2009年3月

中西 武夫 氏

元横浜市青葉区すすき野連合自治会長

要援護者災害時避難支援システムへの登録(加入)方法

要援護者としてこのシステムに登録(加入)したいと手を挙げた方には、支援のためのカードが準備されています。あて先は自治会長、町内会長あてで、その地域の民生委員の方が登録申し込みのカードを用意しています。独居の高齢者ですとか、そういう方たちのところは地域ごとに民生委員の方が既に回っていると思います。関心のある方は民生委員の方に声を掛けていただければ、カードをお届けしますし、質問にもおこたえできます。カードは区役所だけでなく区内の施設にはどこでも置いてありますので、そこでも入手できます。いざというとき心配な方やご高齢な方がいらっしゃれば、ぜひ目を通していただいて、民生委員、それから自治会長に届けていただければと思います。このカードは大切な個人情報ですので、ごく限られた人しか管理・保管いたしません。自治会長と民生委員は災害時の避難支援サポートのために保管します。災害時に怪我などをして地域の防災拠点に避難することが想定されますが、治療に当たる医師や看護師が、病歴や投薬歴など本人が気を付けなければならないことがカードに書かれておりますので、地域防災拠点である小中学校の金庫にも保管します。災害時の急場に、直ちに有効な活用ができる仕組みになっています。

自助の基本的な姿勢というのは、自分から助かろうとする強い意志と行動であり、それを助けるという発想がないと周囲も手助けはできません。カードへの登録は、ぜひ自分から積極的に手を挙げていただきたいと思います。このカードには個人情報が書かれているわけですから、きちんと管理していかなくてはなりません。一方、周りにお住まいの人々が実際に避難支援のアクションができるかできないかというのは、どこにどういう人が住んでいらっしゃるかという情報を共有していないと不可能です。とんでもないところから、笛が、呼び子が聞こえてきた時に、あらかじめ分かっていれば、すぐそのポイントに助けに行けるはずです。そういう意味で、連携が速やかになるためには、必要な情報をお互いに共有して、日常的に声を掛け合って、「お宅のおばあちゃま元気?」「このごろお買い物でも見掛けるけれど、大丈夫みたいね」というような日常的な親しい交流が、いざというときの支えあいに活きてくるわけです。お互いの共助といっても、高齢化地域では高齢者同士が助け合うわけですから、地域としてこういうシステムを活用しながら、災害時により機能的に動けるような形を整えていないといけないと思います。

いざという時に、お互いが遠慮なく共助し合うという、助け合いの共通意識・認識が、このシステムを一つのきっかけにしながら、普及していけばいいと思っています。地域の皆さんが、災害時の共助の在り方を考えるきっかけになればと、区長さんをはじめ行政の関係部署である総務課長や、福祉保健の担当職員の方々と検討しています。

緊急地震速報

「緊急地震速報」わずか数秒の行動の差が明暗を分けることもある。

最近、緊急地震速報というシステム機材がありますが、わが家もイッツコムのお勧めで、テストのときから参加させていただいております。前にお話ししましたように、いろいろな企業の方たちと、災害時のネットワークづくりなどの研究をさせていただいていた時に、テスト研究の一環として取り付けていただきました。一度、真夜中の三時ごろに猛烈な音でたたき起こされて、やはりこのくらい大きな音でないと目が覚めないな、ということを実感しました。「さて鳴ったけれど、いざというときにどうするんだ」ということを、やはり自分で考えておかないといけません。音が鳴って、びっくりしたというだけではいけないということです。速報音から実際の地震まで十秒あると、かなりの行動ができるということも分かりました。

緊急地震速報は、もちろんテレビ、ラジオとかでも流れますけれども、このイッツコムの緊急地震速報というのは結構ピンポイントで、すぐに反応してくれます。我が家は居間のテレビのところと、寝室に子機があるのですけれども、非常に明るいライトがついていまして、夜間には足元を照らしてくれる明かりになっています。平時、何でもないときにも有効ですけれども、子機の音もかなりしっかり鳴ってくれますし、テレビがオンになっているかどうかとは全く無関係に作動するので、非常に有効なシステムだと思います。

自助と言った時には耐震補強の問題、それから水、食料の確保ということがありますが、この緊急地震速報も自助のかなり有効なシステムです。十秒間に動ける範囲に、家の中でせめて安全な避難コーナーを決めておいて、即座にそこへ移動するように心がけていただければと思います。

共助・公助のベースは自助

起震車での体験。家財の耐震補強が、最強の自助と認識させられる。

自分で助かるという意志と行動の準備を、どれだけ強い意識を持って日常的に備えていくかということが一番だいじです。それがベースにないと、共助も公助も実はどうにも機能しないわけです。天井や梁、家具の下敷になって死んでしまったなら、公助も共助もないわけです。防災の最低限のところは、かなり意識的に自分がカバーしておかないと、その後の生存に結び付かないのです。やはり、サバイバルというのは自分でどうやって万全の対策をしておくかということに尽きるわけです。自助として、物理的な耐震補強、緊急地震速報、水、食料などを挙げました。それだけでなく、要援護者災害時避難支援システムのところでお話ししましたように、地域にどういうことを期待したいかなど、現在、皆さんが考えていることを地域のほうにどんどん出していただいて、「そういうケースもある、こういうケースもある」ということを地域全体が共有して、対策を講じていくことが必要だと思います。自助、あるいは共助といったときに、何がこの地域には必要なのかということを情報共有することが大切です。日ごろから気になっていることがあれば、自治会なり何なりに提言していく、そういう意見交換をすることも、自助あるいは共助につながるだいじな仕組みです。お互いに意見はどんどん出し合うということが、地域のコミュニケーションをよくするという意味でも重要な仕掛けになります。

地震は地域によって、30年に一回の周期だとか50年に一遍だとか言います。一人の人間が交通事故で死ぬ確率というのは、恐らく地震よりも、もっと高いのかも知れません。そういう確率の話をした人がいました。地震災害というのは、その確率が高いか低いかの問題ではなく、最初に述べましたように、防災を考える前に圧倒的な自然の猛威の前で無力感に陥ってしまうことが問題なのでしょう。むしろ他のいろいろな事故と違って、自分で備えをしていくことを日常化することで、防災の第一歩が始まると確信したいものです。

これまでに述べましたように、災害に強い家に住むということもだいじです。ある民生委員の方が、新築のマンションに住んでいる人には余分なことは言わず、「あなたはじっと家にいてくれ」という指導をしていくと言っていました。耐震性の低い住宅の住民と、「災害時どうするか」ということを意見交換しておく必要もあります。むしろ、それこそが「要援護」だと言う防災の専門家もいます。自然災害であり非常に強度な振動ということを考えますと、青葉区の地盤は強固だからと、何の保証もない安心感に逃げるのではなく、やはり住んでいる建物や家財の耐震補強が、最強の自助と認識することが重要なようです。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。