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防災インタビューVol.34

緊急地震速報を最大限に活かすには?

放送月:2008年9月
公開月:2009年4月

大原 美保 氏

東京大学大学院准教授

プロフィール

私は東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターに所属しております。この総合防災情報研究センターというのは、東京大学地震研究所、生産技術研究所、情報学環の3つの連携により今年度、新しく設置された研究センターでありまして、私自身は生産技術研究所も兼務しております。

大学の時は工学部土木工学科でした。今は学科として名前が変わってしまいまして、社会基盤学科という名前になっていますが、その中で防災に興味を持ちまして、防災研究の道に入りました。

実は私は大学1・2年生の教養学部の時代は、生物系、薬学系、農学系のところにいたので、全く自分が将来、工学部に行くとは思っていませんでした。しかしながら大学の時に橋や道路といった,東京の社会基盤施設に関する授業を取って「こういう領域があるんだな、面白いな」と思って、工学部の土木工学科に進学することにしました。私の学年は女性が多い学年ではあったのですが、入ってみたらやはり男性が多くて、自分がもともといた生物系とか農学系の世界とは全然違ったので、若干ギャップも感じつつ、またギャップも楽しみながら今もやっています。

緊急地震速報について

2007年10月1日から、緊急地震速報の一般提供が開始されました。この緊急地震速報というは、地震の発生直後に震源に近い地震計で揺れをとらえ、数秒から数十秒前までに各地に、地震の揺れが来るという情報を知らせるものです。こういった情報を家庭やオフィスなど、いろいろな所にいる人々に伝えることによって、揺れが実際に来る前に身構えたり、安全な所に避難したりして、被害を軽減することを目指しています。

緊急地震速報というのは、震源に近い地震計で取られた揺れを分析することによって、各地で大きな揺れが来ることを数秒から数十秒前に知らせるという情報です。これは世界で日本が初めて導入した画期的な技術です。これは地震計を各地に大量に設置している日本だからこその技術だと言えると思います。全国には多数の地震計が設置してあり、その数は1000カ所以上になります。これは陸上だけですが、この他に海底地震計もあります。気象庁が所有しているものだけではなく、市町村とか自治体が所有しているものや、防災科学技術研究所など、研究所が所有しているものもありまして、それを合わせると1000カ所以上になります。日本の中に1000カ所以上あるその地震計が、どこかで発生した揺れをまず真っ先にとらえて、それを使うという技術です。

緊急地震速報の発令

緊急地震速報は2007年10月1日から一般提供が開始されましたが、どのような場合にこの情報が発表されるかというと、まず地震が2点以上の地震計で観測され、最大震度が5弱以上と推定されると情報が提供されます。ただ実際に発表される内容は、地震が発生した場所や震度4以上の揺れが予測された地域の名称などです。具体的な推定震度や、どのくらい先に実際の揺れが始まるのかなどの情報は発表されません。

テレビでは「大きな揺れに警戒してください」というテロップが出ますが、具体的にカウントダウンをするようなことはなされません。それはなぜかというと、聞いている人の地域によって実際に揺れが到達する時間が違うので、遠い所では少し時間がかかるし、近い所ではすぐ来ますので、テレビのような情報を広く伝えるような媒体に対しては、到達時間や推定震度を言うことはありません。

これは、1つの地震計で感知された後に、どんどん繰り返し計算をして、緊急地震速報の精度を高めていくという技術ですので、最初に震度5弱と言った後に、繰り返し計算で震度6強というように値が変わってきてしまうことがあります。すると、何度も何度も訂正報を流さなければいけないし、速報から到達までに数十秒という場合では、訂正報を流せないので、かえって混乱するだろうということで、推定震度や余裕時間などは発表しないということになっています。

緊急地震速報の入手方法

このようなテレビやラジオでの緊急地震速報のほかに、幾つかの入手方法があります。例えば携帯電話ですと、NTTドコモがエリアメールというのをやっておりまして、機種によっては緊急地震速報が携帯に届いて、音が鳴って、速報が来たのが分かるようなものもあります。また屋外にいる場合は、テレビなどは見られませんので、例えば商業施設や駅などでは、館内放送などで知らせている場合もあります。また地域であれば防災行政無線などで、そのようなお知らせをする場合もあります。今まではテレビ、ラジオで緊急地震速報を実際に目にされたことは数が限られているかもしれませんが、今後はそういったことを実際に体験する機会も増えていくのではないかと思います。

またイッツコムなどのケーブルテレビでも、テレビ画面では一般提供と同じ情報がテロップなどで流れたり、チャイム音が流れますが、家庭用端末機を購入して家庭内に設置することで、もっと詳しい情報を入手したり、自分の家庭でテレビを消しているときにも、そういった情報を入手することができますので、いろいろ積極的にそういった情報を入手しようと行動していただくといいのではないかと思います。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。