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防災インタビューVol.35

伝えたい~神戸から東京に~

放送月:2008年10月
公開月:2009年5月

溝上 晶子 氏

早稲田大学教育学部3年、早稲田レスキューチーム(わせQ)副代表

神戸から東京へ

私は高校生の時に放送部で阪神大震災を伝える番組作りをしてきたこともあり、それを継続するために、マスコミに就職をしたいと思っていました。東京に出ることが、そのマスコミに直結することだと思っていたので、一番マスコミに強い大学である早稲田大学を受験して東京に出てきました。しかし、実際に早稲田大学に入ると、神戸と東京では防災に対する姿勢が全然違っていて、最初に出鼻をくじかれてしまいました。神戸で「防災」というと「ああ、やらなきゃいけないね」「大切なことだよね」という反応がきちんと返ってくるのですが、東京では反応どころか、日本一のサークル数を誇る大学の中で防災にかかわっているサークルというのを、私は見つけ出せませんでした。防災に関わるサークルを見つけ出せないということは、多分それほどメジャーなものではないし、どちらかといえばマイナーで、あまり大切にもされていないのだと感じました。友達からも「そんなことやって意味があるの?」と言われたのがショックで、「防災についてはもう何もできない」と思い、そこでうじうじしてしまうよりは大学生活を楽しもうと思い、2年間全く防災には関わらずにいました。

今年に入って、早稲田レスキューに出会い「そういうことをやっている人たちもいるんだ」ということが分かりました。早稲田レスキューは2007年の11月にできたばかりでしたが、代表が東京の人だったので「ああ、東京の人でもそういうことを考えている人がちゃんといるんだ」ということが、自分にとって、とても自信になりました。それまで私は神戸と東京をつなぐ懸け橋になりたいと思っており、神戸の阪神淡路大震災を東京で伝えて、東京で起こるかもしれない次の大地震に、その教訓を生かしてもらえればいいと、ずっと思っていました。今は、早稲田レスキューで活動を始め、また防災に関わっています。そして、将来的にもずっと防災に携わっていきたいと思っています。「地震火山子どもサマースクール」にも参加していきたいですし、防災教育活動もやってみたいと思っています。

早稲田レスキュー

早稲田レスキュー

早稲田防災訓練:α米配布の様子

早稲田レスキューは、WAVOCと呼ばれる早稲田大学ボランティアセンターに属している学生チームです。ボランティアセンターの中には、災害救援プロジェクトというものがあり、その中に早稲田災害対策学生チームがあります。これは早稲田を守る団体として、大学に正式に認められて設立されたチームです。今は早稲田の地域や、新宿区の危機管理課と連携を取って、災害が起こったときに地域と行政と連携を取りながら、早稲田大学での指揮を執ることを目指しています。例えば、学生がボランティアをやりたい場合に振り分けを行ったり、避難場所が分からなかったら、どこに避難すれば安全かを示したり、災害時にリーダーとして活動を行っていけるように頑張っているのが、このチームです。

まだできたばかりで、1年間の活動というのがまだ出来上がっていないので、逆に何でもできるチームだと思います。地球感謝祭というお祭りや、避難訓練や防災訓練なども行っています。また今後、早稲田の街のハザードマップを作って、それを学生や地域の人たちに知ってもらいたいと思っています。私は、このようにハザードマップを作ったり、地域の人と交流をしながら、防災について考える班にいます。もうすぐハザードマップ作りが始まりますが、この作業はけっこう難しいものがあり、試行錯誤しながら取り組んでいます。今は早稲田の街の地図を入手して、みんなで街を歩いて、どこが危ないかを書き込むイベントを企画中です。自分の街を歩いて知ることも防災の一つです。私自身も早稲田に住んでいて、学校から5分ぐらいの所ですが、自分の住んでいるまちについて自分自身も知りたいし、みんなにも知ってほしいと思います。

早稲田レスキューでは、現在27名が活動しています。実際災害に遭っていない学生も、もちろんいますが、30年以内に70%の確率で首都直下地震が起こると言われていることは、みんな知っているので、やはりそういう地震が起こったときにどうなるかというのを考えながらやっていくのが、一番大事だと思っています。

早稲田大学のイベントの一つに「100キロハイク」という、2日間かけて本庄の早稲田から早稲田大学の本キャンパスまで100キロを歩くイベントがあります。地震が起こった際に、帰宅困難者が歩かなくてはならない距離が約20キロと言われていますが、それを実感するために100キロハイクに参加したメンバーがいます。実際に帰宅困難者の気持ちになって歩くというのは大事なことですが、とても大変だったと言っていました。

私たち早稲田レスキューの活動も、後輩たちがどんどん続けてくれればいいと思っています。防災サークルというのは息が短いらしく、次に続く世代がいないということもあって、あまり生き残っていかないものだと言われています。しかし私たちの早稲田レスキューは、今も新宿区などと提携して活動をしていますので、そういう後ろ盾がある分、どんどん続いていけばいいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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