1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. 伝えたい~神戸から東京に~
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.35

伝えたい~神戸から東京に~

放送月:2008年10月
公開月:2009年5月

溝上 晶子 氏

早稲田大学教育学部3年、早稲田レスキューチーム(わせQ)副代表

「1.17ユースプロジェクト」

私は現在、早稲田大学教育学部で早稲田レスキューの活動をしている傍ら「1.17ユースプロジェクト」という活動もしています。これは私が神戸で今やっているプロジェクトで、そんなに大きなものではないのですが、震災を伝える番組制作をするプロジェクトです。

私の防災の原点とは何だろうと考えたときに、それは高校の時に作ったラジオドラマや、震災を伝える番組作りであると思います。大学に入って2年間は防災をやらずにきて、今、東京で防災にかかわっていて、次に何ができるかということを考えたときに「やはり震災に関するラジオドラマを作って、次の世代の人や、ほかの地域の人々に聞いてもらうことが一番いいかな」と思い、今年の夏に放送部のOBや後輩たちに声を掛けて、一緒に震災の番組をまた作りだしました。今回、実話を基にした一作目が、ようやく出来上がりました。このドラマは実話を基にしている分、誰が聞いても「ああ、本当にあったことなんだ」ということで想像もしやすいと思いますし、本当に大きな地震が起こったら、そういう災害があるのだということを分かってもらえたらいいと思います。いろいろな番組を作ってみたいですし、最終的には、それが防災教育の教材になればいいと思いながら作っています。それらの番組は神戸で制作、東京で編集をして、出来上がればいろいろなところに紹介したり、提供しに行こうと思っているところです。

プロジェクトを立ち上げた時は、OBの子たちが8人ぐらいと現役の高校生5人でしたが、最終的には私の高校の後輩5人と、ほかの高校の放送部の高校生たちも入れて20名余りで制作しました。毎年1本ずつでもラジオドラマを作っていけたらなと思っています。ラジオドラマを制作して、阪神淡路大震災のことを風化させることなく伝えていくことで、いろいろな人が次の災害に備え、防災について考えるきっかけになればいいと思っています。 このような伝える活動を私もずっとやる中で、もちろん嫌な記憶もたくさんあるので、その記憶につまづいて、何度も「何でこんなことをしているんだろう」と思うことはありますが、やはりこの活動が、次の災害に備えてもらうために役に立つと信じているので、そうやって信じながら活動をやっていくことが大切なんだろうと自分では思っています。

関東の人に対するメッセージ

地震火山子どもサマースクール:神戸

阪神大震災の時も、神戸の人間は「ここには地震は来ないものだ」とずっと思っていました。備えがなかったこともあって、あんなに大きな被害が出ました。関東でも最近は大きな地震はありませんが、神戸の前例もありますし、30年以内に大きな地震が来るという予想も出ていますので、いろいろなことを考えて、災害に備えてほしいと思います。

私が7歳で震災に遭った時には、子供心にいつもと違った生活が楽しいと感じたこともありましたが、やはりがれきの山や火事の現場、そこに立ち尽くす人などもたくさん目にしました。そしてその後、そういう人たちの気持ちが分かる年代である高校生になってから、神戸にある「人と防災未来センター」に行きました。そこには震災のシアターがあります。シアターで地震の揺れを映像で見て、次の部屋にはジオラマで震災のその日の朝の風景が再現されています。電柱が倒れていたり、家が崩れていたりするのですが、そこのジオラマを見た瞬間にフラッシュバックみたいにいろいろなものを思い出して、気持ち悪くなって倒れてしまいました。その時に、小学生の時に見たいろいろなことを思い出して怖くなって、地震を全然受け付けなくなってしまいました。やはりそのようなトラウマを持っている子どもたちを、これからは増やしたくはないと思っています。備えがあれば、地震が来ると分かっていれば、多少怖さが軽減されます。やはり怖いものは怖いのですが、事前に知っているのと知らないのだと全然違うと思います。「地震火山子どもサマースクール」もそうですが、子供のころ、小学生のころに、そんなふうに考える機会があることは、とてもいいことだと思います。

私たちは阪神淡路大震災の記憶を持っている最年少の世代だと言われていて、私たちが伝えないと次の世代には伝わらないと、ずっと言われてきました。だからこそ私たちの年代が震災を伝える活動をやっていくことに意味があると思っています。地震で人が死んでしまったり、家がつぶれてしまうということは、伝えるこちら側も抵抗はありますが、私たちも頑張って伝えていくので、やはりそういうものを拒否しないで、受け入れて聞いてほしいと思っています。

地震火山子どもサマースクール:京都

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

会社概要 | 個人情報保護方針