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防災インタビューVol.55

安心で安全なまちづくりをめざして ~障害者視点での防災~

放送月:2010年7月
公開月:2011年1月

横内 康行 氏

竹ノ塚あかしあの杜施設長

表と裏を使い分けないことの大切さ

障害のある人たちというのは、幸か不幸か分かりませんが、我々のように裏と表を使い分けるということができません。子どもたちも、実は小さい時は表と裏とを使いわけてはいないのです。それが、いろいろな知恵を蓄積することによって大きくなって、裏と表を使い分け、それがどこかでつじつまが合わなくなるということが往々にしてあります。これは私も経験したことでもあります。

小さいころから、いつもできるだけ表だけでいること、自分が本当に思っていることを貫いていくことが、もしかしたら住みやすい社会をつくるための1つのファクターになってくるのではないかと感じています。

ですから私は身近の障害のある人たちに対しても、常に裏と表を使い分けない、できれば表だけで、というように接しています。職員の方、家族の方、利用者の方に対しても、決して表と裏とを使い分けないようにと勧めています。

人は人を愛する心をどこかに持っている

人は人を愛する心を少なからずも必ず皆、持っています。特に、困った人を見掛けたときに助けようと思う心は、小さい時から皆、持っているはずです。どこかでそれを置いてきてしまったり、忘れてしまったりすることもありますが、何かきっかけがあったときに、それを取り戻すことができると私は思っています。それは例えば自分がけがをしたときに「ああ、こんなに不自由なんだな」と感じたり、病気をしたときに「何か大病を患った人は、こんなに苦しんでいるのかな」と思うこと、そういうきっかけであると思います。こうした経験を経て、人が人を愛する心を持ち、人を助けようとする心、あるいは相手を思いやる心を持つこと、これをどれだけ大切にしていくかが大事だと、私は若い人たちにいつも事有るたびに話をさせていただいています。

決して自分のためではなく、人のため、そして社会のために、自分の持っている力や考えをそこに出していくことによって、回り回って最後には自分の心の豊かさに必ず戻ってくるというふうに思っています。仮にそれが今、誰も気が付かなくても、それを永遠に繰り返すことによって、きっとどこかで誰かが「あなた頑張っているね」というふうに見てくれるのはないかな、と感じています。

障害は不便ではあるが、しかし不幸ではない

私の身近には、障害の重い方たちがたくさんいます。障害があるが故に、日常生活の中で、不便さは多分感じていると思います。あるいは言葉に出せずに、自分の思うことが十分に相手に伝えきれない、このような人たちもたくさんいます。しかしヘレン・ケラーは「障害は不便であるが、しかし不幸ではない」と言っています。私は、この言葉が非常に好きです。もし自分が障害者になったときに、この言葉のように「不自由ではあるが、不幸ではない」と思えるそんな空間が実際につくれれば、それは素晴らしいというふうに感じています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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