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防災インタビューVol.57

防災ボランティアとは?

放送月:2010年9月
公開月:2011年3月

津賀 高幸 氏

(株)ダイナックス都市環境研究所、研究員

防災ボランティアについて

阪神淡路大震災の時に非常に多くのボランティアが活動をされ、この年が「防災ボランティア元年」と言われていますが、平成16年に各地で起きた水害や中越地震の際にも、ボランティアが、浸水した家屋の泥を片付けたり、地震で被害が出た家の中の片付けを手伝ったり、避難所で生活する被災者のお手伝いをしたりという活動を行いました。このように実際にボランティアが活動していく中で、少し課題も見えてきましたので、その課題の情報を共有したり、課題解決の方策を考えるために、内閣府が「防災ボランティア活動検討会」を立ち上げ、僕も事務局として、その会議に関わることになりました。
防災ボランティア活動にはさまざまな活動がありますが、災害時に被災者の暮らしのお手伝いをする活動、災害後の長期にわたる復興のための活動、災害が起きる前に日頃からできるボランティアの活動も含めて「防災ボランティア活動」と呼んでいます。このようなボランティア活動をしていく上では、災害が起きたときはこうするというような取り決め、ルールがあるわけではなく、実際には行政などが被災者の支援をする中で、手が行き届いていないところであったり、被災者が「困っている」と声に出したものの中から、必要だと認識したものに対して臨機応変に対応していくというのが、ボランティアの活動として特徴的なことだと思います。これを踏まえて「防災ボランティア活動検討会」では、「こうあるべきだ」というボランティア活動の取り決めをするのではなく、今起こっている課題を確認し「この災害のときにはこういう課題があって、具体的な解決策として、こうしてきた」という実例を話し合うことで、情報交換、交流の機会としており、これまで年に2回、合計で11回行ってきました。

防災ボランティアの課題とは

平成16年当時、ボランティアが大勢、被災地の外から駆け付けました。災害の際に、まずボランティアが最初にアクセスする拠点として、災害ボランティアセンターが立ち上がりますが、地域ごとのルールがまだ確立できていないこともあり、ボランティアの方をどう受け入れるのか、もしくは被災者とどう接点をつくっていくのかという活動の核になる部分の運営がうまくいっていないということで、課題が幾つか出てきました。災害が起きたときに、ボランティアを受け入れる側としても、やはり何らかの策を講じておくことが必要です。しかし災害はどんなタイミングで発生するか分かりませんし、ボランティアがどういう形で入ってくるかもなかなか予測がつかない中で、どのように受け入れ態勢をつくるのかというのは、やはりまだまだ課題として残っているところだと思います。
この課題について内閣府の検討会で議論された中で、地域のボランティアを受け入れる「受援力」を高めることが大事であるということが出てきました。この「受援力」というのは、地域が外部から支援を受けるための環境整備や知恵などのことで、事前にこの「受援力」を高めていくことの必要性が提案されました。これは単に災害が起きたときにボランティアを受け入れることだけではなく、災害が起きる前から備えていくことが、地域の防災力を高めることにもつながってきます。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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