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防災インタビューVol.62

地震被害を減らす取り組み ~住宅の耐震化を広めるために~

放送月:2011年4月
公開月:2011年8月

川端 寛文 氏

愛知県住宅計画課主幹

プロフィール

私は建築の技術職員として愛知県に勤めて36年、今年、退職します。皆からは「趣味と仕事が一致している」と言われていますが、いろいろ新しい事に取り組むことができて、なかなかいい県庁生活だったと思っています。

20年前に「シルバーハウジング」というものに取り組んで、愛知県でつくったシステムが全国に広がるというような展開がありました。また10年前に「あいくる」というリサイクル資材の利用システムをつくり、これも愛知県では非常に大きく広がって、愛知県のコンクリート二次製品には全部「あいくるマーク」が付いているという広がり方をしています。公共工事でも50億円ぐらい、その「あいくる材」が使われているという成果がありました。

「防災まちづくり」に関しては、平成7年の阪神淡路大震災の後で防災担当になりまして、3年間一生懸命取り組みましたが、なかなか木造住宅の耐震改修は進みませんでした。地域で「防災まちづくり」を広めていくことで、減災につながらないだろうかと思うようになりまして、7年前に「防災まちづくりマネジメントシステム」というものを愛知県に提案して採用され、県としての取り組みに携わることになりました。それから7年間、建築の防災と防災まちづくりにずっと取り組んで今日に至った、というような状況です。

地震時の被害を減らす取り組み

各地域で自主防災会がいろいろな取り組みをしていますが、そのほとんどが避難訓練や地震後の取り組みです。それではなかなか被害が減っていかないので、地域ぐるみで地震時の被害を減らすことに取り組めないだろうかと思います。

その取り組みを大きく分けると、1番目は住宅の耐震化、2番目に家具転倒に対する対策、3番目にブロック塀や屋外の安全対策、4番目は、これが非常に重要ですが、住民相互の安否の確認体制づくりや災害時の要援護者の避難誘導についての事前の体制づくりです。そういうものに、できることから取り組んでいくことが非常に重要ではないかと考えるようになりました。

私は、この仕事を始める前には愛知県の環境マネジメントシステムの構築事務局にいたという経験がありまして、その時にこの環境マネジメントシステムは非常に防災に役立つと思いました。そのイメージを少し広げて防災に取り組もうとしましたが、地域では基本的には地震の後の対策ばかり考えています。災害時の減災といいますか、被害を減らすことに取り組むのは新しいことなので、そのきっかけというか、新しいものに取り組む仕組みが必要だろうと考えました。しかし基本的には住民が自ら考え、計画を作って実施することが、その地域にとっては非常に重要ではないかと考えています。マネジメントシステムというのは「PDCAサイクル」を実現するということです。「計画をまず作って、それを実施して、チェックして、その計画を見直す」ということを繰り返し実現することと、自分たちでやれることを持続的にやっていくことが大事だと思っています。

自分たちが計画を作るときに、ワークショップをやるのも非常に有効です。多くの人は減災が大切だと思っていても、なかなか自分から言い出せないでいるようです。1人ではなかなかできないので、ワークショップを活用して皆でやるのがいいと思います。例えば、地域にあるブロック塀が危険だと思っているものの、なかなか自分から皆に「このブロック塀は危ない」とは言えないでいたりします。しかしワークショップで「この地域で人が死なないようにするにはどうしたらいいか」ということを考えていくと、そこでは非常に簡単に「ブロック塀が危ないんじゃないか」「お年寄りの生活が心配だ」というように、思っている事がどんどん出てきて、それをどうやったら解決できるかということに取り組んでいくことができます。このようなことは非常に有効性が高いのですが、地域でやるときには、そこで終わってしまうと駄目なのです。要するに組織として取り組むものなので、ワークショップでやったものは組織の方針とすることが大事です。そのためにはワークショップのアイデアを組織として、例えば役員会などで評価して、そのうちのどれをやろうかを決めていきます。それを構成員全員に知らせ、構成員全員で取り組む形にすると非常にうまくいくということが、モデル事業で示されたということです。

「PDCAサイクル」とは

「PDCAサイクル」のPというのはPlan、計画のPです。DはDo、実行ということで、CはCheck(チェック)、AはAction(アクション)で、「計画を作って実施して、チェックして、その計画をアクション、見直すということを繰り返し繰り返し実施していくことによって、持続的に改善を進めていこう」というようなことで、これを防災に生かしていこうということです。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。