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防災インタビューVol.87

防災ガラスをすべての窓に

放送月:2010年11月
公開月:2013年7月

後藤 美恵子 氏

㈱Goto Tomorrow代表取締役

プロフィール

株式会社Go To Tomorrowという会社を5年前に自分で創立いたしまして、主にマーケティングのサポートをコンサルタントとしてやっています。特に私が得意としているのは企業の社会貢献活動で「こういった社会貢献活動をしませんか」ということを企業に提案をして、企業さんが乗ってくればそれに対するコーディネーションを全てやらせていただいています。

例えば今、私が一番力を入れてやっているのが窓の防災化です。現在、日本の窓は防災化が全くなされておりません。それではいくら耐震のビルを建てても、地震が来たときにガラスが割れて大きなけがをします。窓を防災化するためには、まず皆さんに知ってもらって、改善していく必要がありますので、そのための広報活動を行っています。

現在は、このように防災活動につながった仕事をしていますが、以前は3年間ロンドンに住んでいまして、その後、日本に戻り、15年ほどアメリカの会社のマーケティング担当として勤めました。ここは主に自動車のフロントガラスの、ガラスとガラスの間に挟むプラスチックの中間膜を造っている会社で、ガラスの効能をもっと日本で伝えていこうということで、その普及活動を主にやっていました。このように15年間、人の下で働いて、ちょうど50歳になった時に「もうこれからは自分で頑張ろう」と思いまして、全てを自分の責任で行いたいということで独立をしました。幾つか企画を立てて、その企画を持って営業に歩きまして、企画を採用してくれた会社と契約をして、今に至っているという感じです。やはり、それまでやっていた仕事のつながりもあり、今のクライアントさんは窓とガラスの会社がメーンなっています。

防災ガラスの普及を目指して

私は、災害時に割れないガラス、防災ガラスを普及させるために活動していますが、この防災ガラスは、一般には「防犯ガラス」として世の中に知られています。これはガラスとガラスの間にプラスチックの中間膜を入れて、それを大きな圧力鍋みたいなところで熱圧着をしてくっつけたもので、防犯ガラス、防災ガラス、耐震ガラスなどと呼ばれています。

一般的なガラスは、物がぶつかったり地震が起きたりすると、鋭い割れた刃先でけがをしたり、割れて窓枠から外れて落ちてしまったりします。しかし防災ガラスは、プラスチックの中間膜に割れたガラスがくっついているので、ひびが入ることはあっても、ガラスの破片として飛散したり、窓枠から脱落したりしないので、もしものときに安心です。これを利用して「泥棒も入れない」ということで、防犯ガラスとして使われています。

大きな地震が起こったときには、特に高層ビルなどはいくら耐震化していても、窓ガラスに物がぶつかります。物がぶつかれば普通のガラスは当然のように割れてしまいますし、下手をすると高層のビルの窓からパソコンが下に落ちてしまったりもしますし、割れたガラスが下に落ちて歩いている人に刺さったら命も危ないという状況です。しかし日本では窓ガラスを割れないようにする努力は素晴らしいのですが、残念ながらまだ、割れても大丈夫なガラスを採用するところまでには至っていないのです。

日本でも幾つかのビルでは、この防災ガラスが採用されている所もあります。これは何か変な話ですが、アメリカの建築家が建てたビルには使用されています。アメリカには、ビルのガラスの仕様についての法律があるからです。例えば、東京駅に建っているガラスのビル、東京フォーラムは、全部防災ガラスが使われています。しかしながら、このような防災ガラスについては、まだまだ日本では普及していません。これは、今まで業界でもなかなか「ガラスは割れる」ということを知らせてこなかったことに原因がありますが、これからは割れないガラス、ひびは入るけれど落ちないガラスというのを普及させていく必要があります。

 

防災ガラス使用の現状

住宅において防災ガラスは、防犯ガラスとして1階の窓などに使われ始めています。しかし防犯の用途として使われているので、本来は2階の寝室などに採用されると一番安心なのですが、なかなか採用されないというのが現状です。ビルでの採用状況は、アメリカ人の建築家が建てた建物には入っているのですが、まだ日本の建築家の間にはそれほど広まっておらず、日本の建築家が設計した建物にはあまり入っていないのが現状です。ただ以前に爆破があってガラスが割れて、たくさんの方がけがをされたり亡くなったという事件があった東京駅周辺の三菱村と言われる地域では、爆破対策として、この防災ガラスが使われています。また自治体でも、その使用は少しずつ広がってはきています。

最近では大手のコンビニなどでは、この防災ガラスが使われる所が出てきました。コンビニは災害時に物を買いやすい場所として重要な場所ですが、防災ガラスを使っていれば、たとえ棚がガラスに向かって倒れても、ガラスにひびは入りますが通常通りガラスがそこに残っていますので、営業は雨風も心配なく、そのまま続けていただくことができます。

このようにガラスは防犯だけでなく耐震、防災の役に立つものもありますので、お金だけでなく体も守れるガラスということで、広めていきたいと思っています。皆さんに少しでも知っていただいて「ああ、防災ガラスがあったので助かったわ」という方を一人でも増やしたいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。