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防災インタビューVol.87

防災ガラスをすべての窓に

放送月:2010年11月
公開月:2013年7月

後藤 美恵子 氏

㈱Goto Tomorrow代表取締役

防災エコガラスへの取り換え

最近、自宅のガラスをエコガラスに取り換える方が増えています。私の家も取り換えましたが、とても簡単です。エコガラスはガラスが2重になっていて、中に空気が入っているもので、断熱・遮熱をしてくれるものです。地球温暖化防止に役立って省エネになり、夏場でも中に暑さを入れない、冬場は室内に寒さを入れないという機能を持ったガラスですし、防音効果もあります。しかし使っているのが普通のフロートガラスだと、地震の際にはガラスが2枚割れてしまうことになるので、割れて飛び散るガラスの破片は倍になってしまうという、かえって危ない結果になります。この2重になっているエコガラスの片方を防災ガラスにしていただけば、防災とエコと両方できる、エコ防災ガラスになります。ぜひエコガラスを考えるときに、このエコ防災ガラスを使っていただきたいと思います。実際にはガラスの値段よりも施工費のほうが高いので、エコで取り換えられるときにガラスをエコ防災ガラスと指定していただければ、エコも防災も両方でき、家族も守れて地球も守れるようになると思います。

自宅のガラスをエコ防災ガラスに替える際には、エコガラスには今エコポイントが付いていますので、エコ防災ガラスにしていただけばお得に取り換えることができます。

アメリカではハリケーン対策として防災ガラス使用が法制化されており、ニューヨークからテキサスまでの海沿いの地域では、法律で防災ガラス、もしくは防災シャッターを使わなければいけないということが決められています。それを使っていないと、万一ガラスが割れて家が被害に遭っても保険も何も出ないということで、きちんと決められています。しかし日本では耐震化や耐震住宅というものは建築基準法できちんと制度化されており、非常に認知度が高いのですが、ガラスに関しては、そのような耐震基準もなく、風圧に対しての対策や防火についての規制はありますが、耐震ということについては全く知られておりません。これは、知らせる努力をしてこなかった業界も悪いのですが、私は5年前から何とかそれを知らせていきたいと思って、一生懸命やっているところです。

“ガラスパワーキャンペーン”

防災ガラスを普及させるための活動として、旭硝子に提案し、現在“ガラスパワーキャンペーン”というものを行っています。このプロジェクトの内容は、指定避難場所となっている学校の体育館の窓ガラスを旭硝子が寄贈して、無料で防災ガラスに取り換えるというもので、企業の社会貢献活動としてやり始めて5年になります。

このキャンペーンは「少しでも防災ガラスについて知らせていきたい」という思いで始まったもので、ホームページで募集をし、現在までに22校の体育館に防災ガラスを寄贈しました。防災ガラスに取り換えたところは、安心して避難できる避難場所になりますので、学校の生徒さんだけではなく、その地域に住んでいる赤ちゃんからお年寄りまで皆さんが安心して、万が一のときに集まっていただける場所になると思います。これは地道な活動ではありますが、とても大きな社会貢献となっています。

このキャンペーンにより、旭硝子は“日本耐震グランプリ”審査員特別賞を受賞し、2010年11月11日に永田町の日本都市センターホールで授賞式が行われました。防災ガラスの普及活動を行っている私としては、非常にうれしく思っております。

避難所にこそ、防災ガラスを

実際、過去に地震が起こったときに、避難場所の窓ガラスが割れたり、余震で割れて落ちてくるために使えなかった所がありました。学校の体育館や病院などは、どんな地震が来ようと使える場所であってほしいと思いますので、まず、そういう所だけでも法律で基準を定めていただきたいと思っています。

病院に行って、かえってけがをしたのではお話になりませんし、窓ガラスが割れて抜け落ちてしまいますと雨風が防げず、冬の時季では当然寒さも入ってきてしまいます。そこに板やビニールシートを当ててしまうと、今度は光が中に入らなくなりますので、停電の際には暗くて診療もできなくなってしまいます。しかし窓に防災ガラスさえ使ってあれば光は入りますし、雨風も防げますし、もちろん冷気や暑さも防げますので、安心して普通に診療を続けていただくことができるのです。

建物自体のことも大切ですが、窓も非常に大切ですので、防災に関して認識の高い方は、ぜひ窓ガラスもいま一度考え直していただきたいと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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