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防災インタビューVol.107

日常生活から防災を考える~内閣府で得た防災意識~

放送月:2014年8月
公開月:2015年3月

渥美 洋行 氏

農水省 バイオマス循環資源課係長

プロフィール

2013年4月まで内閣府の防災担当をしており、防災フェアや防災ポスターコンクールといった防災意識を高めるための取り組みを担当していました。防災フェアは毎年8月末から9月の「防災の日」あたりに開催しており、昨年度は六本木ヒルズで開催しました。この時は六本木ヒルズアリーナという、とても広い広場を活用して「雪崩、津波を再現してみよう」と、ピンポン玉を使って雪崩や津波を体感してもらいました。また、内閣府と共に防災推進協議会、日本損害保険協会、日本建設業連合会の協力を得て、救命体験や防災について考えていくブースを展開しました。去年は2日間で約1万6千人の方にいらしていただき、非常に評判も良くて、やって良かったと思っています。実を言うと私も内閣府に来るまでは、あまり防災に興味を持っていなかったのですが、興味のない人たちに対してまずは興味を持ってもらうことが非常に重要です。「これって防災と関係あるの?」と思わせるような部分も入れ込みながら、まずは一歩踏み入れてもらうことを意識してイベントを開催しました。これは防災に限ったことではないのですが、興味を持って見てもらわないと、目の前にあっても全然気付いてもらえないのが人間の特性としてありますので、まずはいかに興味を持ってもらうかが大事なのかと思っています。

防災意識を高めるために

一言で防災といっても、とても範囲が広いですし、防災については全てを自分1人で何とかできるというものではないので、どこまで手をつけていいのかは非常に皆さん悩まれているのではないかと思っています。

「防災フェア」もそうですが「防災の日」が近くなると、いろいろな活動も行われています。ご存じの方も多いと思いますが、関東大震災が起こった9月1日が「防災の日」となっています。防災の日が制定されたきっかけは、昭和34年に東海地方に非常に大きな被害をもたらした伊勢湾台風です。この伊勢湾台風は阪神淡路大震災が起きるまでは戦後の中で一番被害の大きかった災害でしたので、翌昭和35年に「防災の日」が制定されました。その後、「防災の日」が広まっていく中で、9月1日と決めてしまうと必ずしも土日ではなく、人が集まりにくい、イベントがやりにくいこともあって、それを拡張する形で昭和57年に「防災週間」がつくられました。個人的には、祝日ではない中で一番知られている日が「防災の日」ではないかと思っているのですが、非常にメジャーな日になっており、テレビなどでも9月1日にはいろいろな報道もされますし、イベントも行われます。横浜の赤レンガ倉庫でも「横浜防災フェア」が開催されますし、代々木のNHKでは「NHK防災パーク」も開かれます。どちらも8月の下旬ごろに毎年開かれますので、興味のある方はぜひホームページなどで主催者に確認していただければと思います。また四谷三丁目には、東京消防庁がつくっている消防博物館があります。こちらは常設のものなのでイベントというわけではありませんが、夏休み中も特集を組んで、いろいろなイベントも含めて開催しており、入場も無料ですので、ぜひ一度足を運んでいただければと思います。親子で「夏休みの自由研究の宿題にする」ということで訪れている方も多いです。

防災意識を高めるために、まず一番良いのが「災害をイメージする」ことです。災害をイメージすることに必要なのは「生き残るため、死なないための努力」です。比較的防災対策として多いのは、非常食を準備したり備蓄をされていますが、備蓄というのはあくまで生き残ってからのことなので、まずは「生き残るためにどうすればいいか」を考えていくことが大事になっていくと思っています。それにはまず防災に対して興味を持つことが大切で、災害について少しでも知っていることが大事です。知っているのと知らないのでは、実際に災害が起きたときの対処は変わってきます。これは救急救命法についても言えることですが、一度経験していると、ある程度できるようになるものです。私自身AEDというものを内閣府に来るまではやったことがなかったので、実際にやってみるとかなり大変ですし、疲れました。基本的にはAEDがアナウンスでいろいろと指導してくれるので、その通りにやっていけばできるのですが、それがどれだけ大変かを知っているか知らないかだけで、だいぶ変わってくると思います。

同じように災害についても、自分でイメージしてみることが大事です。何かをイメージすることは日常生活において、さほど特別なことではないと思います。例えば女性とデートをする場合は、事前にデートコースを考えると思いますし、旅行に行くときにも、あそこに行こうとか、ここに行こうとか、それにはどういうものが必要で、どのようなルートで行こうかと考えていると思います。災害についても同じような形で「じゃあ、地震が発生したらどうするか?」を考えてみることが大切です。例えば「ここから物が落ちてくるな」「このガラスが、もしかしたら物とぶつかって割れちゃうかもしれないな」と考えていくことが、災害をイメージすることになってきます。物が落ちてくるなら「じゃあ、どうするか?」を今度は考えてイメージをしていくと、実際に災害が起きたときに慌てないで済むようになると思います。

災害をイメージする

実際に起こったときに慌てないためにも、災害をイメージしておくのが非常に大切だとお話ししましたが、皆さんがよく知っているドラえもんに出てくる、のび太君の部屋を頭に思い浮かべてください。のび太君の部屋には机があって本棚があるのですが、この本棚の上にトロフィーとサッカーボールが載っています。この部屋で地震が起きたら何が起きるかですが、まず本棚からサッカーボールとトロフィーが間違いなく落ちてくると思います。それから本も飛んできます。本棚が倒れる可能性もあります。椅子が飛んでくることもありますし、あとこれは半分冗談かもしれませんが、2階の押し入れで寝ているドラえもんが落ちてくるかもしれません。そうすると「こういうことが起きるな」というのがいろいろあって、そのときに「じゃあどういう対策を立てるか?」を考えていくことが重要になってくると思います。例えばドラえもんが落ちてくると考えたときにどうするかというと、ドラえもんは押し入れの中で寝ていますので、押し入れの近くで自分は寝ない、そうすると仮に落ちてきても自分は少なくとも助かるというのが一つあります。それから本棚が倒れてくるかもしれないので、まず一番いいのは、その本棚を固定するということです。同じように本棚の中の本についても、本を固定するストッパーなどもあります。本棚の一番上に関して言えば、物を載せないのが一番理想的ではあると思います。賃貸だと壁に穴を開けて固定することができないという問題もありますが、制止マットを敷いたりすればそれなりに効果があるので、多少時間稼ぎはできると思います。今すぐできることとしては、やはりドラえもんが落ちてくるのと同じになるのですが、倒れてくる所に寝ないというのが、一番早くできる手法の一つであると思います。あとは窓ガラスです。こちらは例えばボールが落ちて来たときに跳ねてガラスが割れる可能性があります。ガラスが割れると足をけがしてしまう可能性がありますし、本棚が倒れるとドアをふさがれて開かなくなってしまうこともあります。それを防ぐためにも、本棚であればドアの近くに置かないとか、ボールに関しては窓にぶつからないようにしまっておくことが大事になってくると思います。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。