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防災インタビューVol.119

災害シミュレーションによる災害への備え

放送月:2015年8月
公開月:2016年3月

木村 正清 氏

NTTラーニング

NTTラーニングシステムズの防災プログラム

手前味噌になってしまいますが、最後に私たちNTTラーニングシステムズの防災プログラムや、皆さんに使っていただくためのソリューションとしてどんなものがあるのかということをお伝えしたいと思います。

もともと私たちは、NTTグループ向けの人材育成をやっていましたが、これを今一般企業の方々や自治体を含め、公共の場面にもノウハウを提供して、お手伝いをさせていただいています。一つは、自主防災組織のリーダーの方や企業の災害が起こったときのBCPを推進する方々やその責任者などの企業の防災リーダーの養成ということで、人材育成の面です。もう一つは、「WEBEOC」というインターネットを使ったシステムです。災害が発生した時に、実は情報が結構錯綜して、いざその災害が今どんな状況にあって、この後どんなことが起こって、そのためにどういう指示を出したらいいのかということがなかなか情報として体系化されていないという現状があったりします。これはホワイトボード上に書かれたものをイメージしていただけたら分かるのですが、いろいろな情報が右往左往して、どこに何が書いてあるのかも分からないという状況です。こういった状況の中で、私たちのほうで提供させていただいているWEBEOCというシステムを使っていただくと、災害対策室が機能的に動くようになります。もろもろの情報を体系的に整理します。もともとどんな情報が上がってくるかというのを、きちんと体系化して分類化していますので、その発生原因ごとにフォーマットを用意してあり、それに入力していくと災害対策室の中にもろもろの情報が集約して上がってきます。その集約された情報の中で、今どんな状況にあるのかというのもすぐに分かります。今どんな状況にあるのかが信号のように、赤は危険、黄色は注意、青だったらOKだというように表示されますので、ある一つの災害対策に対する状況が、今どういう状況にあるのかということが災害対策室にいるメンバーに手に取るように分かります。そうすると、どこが危ないかというのも分かりますので、刻々と状況が変化する中で、時間の経過ごとに今どういう状況にあるのかを把握して、その状況に対応するためにどうしたらいいかということを災害対策室のメンバーの中で体系的に情報を整理して、具体的に行動を指示することができるというものです。このようなシステムを企業向けに、あるいは自治体向けに提供しています。

ラーニングシステムズというと、実はこのシステムのイメージが強いのかもしれませんが、人材の育成という面でも積極的にやらせていただいております。集合研修のように集まって講義をするというのはもちろんですが、なかなか集まれない方々に向けて、インターネットで比較的手軽に、企業の中の災害対策についてeラーニングを使って学習していただくというようなシステムを含めてトータルで提供しています。これによって、一人一人の災害対応力を上げることももちろんですけれど、全体として、組織としての災害対応力を上げるということがとても大事です。私どもNTTラーニングシステムズのホームページを見れば、今申し上げたプログラムはすべて載っていますので、場面に応じて使っていただけたらと思います。それと同時に実際の導入について、コンサルティングも提供しておりますので、どのようなことでもご相談くださればと思います。

自らの身は自らが守る

最後に、われわれが提供させていただいているさまざまなソリューションの柱となっている「災害イマジネーション力の養成」というところに戻りたいと思います。災害が起こった際に、今置かれている状況から、これからどんなことが起こるかを一人一人が当事者意識を持って考えていただく、ここに尽きるのかなと思います。一人一人のこういった自助、自らの命は自らが助けるというところが出来ていなければ、組織として人々を安全に避難させるということは当然できません。「まずは自らの身は自らが守る」、ここを把握した上で、一人一人が「じゃあ、いざ災害が起こったら、どう対応したらいいか?」ということを考えることが大切です。また、その逆にその災害が発生する前にどう準備したらいいのかを考えることが実はもっと重要だと思います。意外と人は災害が発生した後、実際に行動できることというのは限られています。しかし事前に備えるということにおいては、これは限りがありません。

一人一人が当事者意識を持つことはもちろん大事ですが、皆さんはいざ災害が発生したときに、食糧や水はどれくらい持っているでしょうか。いざ停電したときに、ラジオの電池は今入っているもの以外に買い置きはあるでしょうか。普段からそういうことを考えて、いざ災害が発生しても大丈夫、例えばラジオは常に携帯して持っていけるし、買い置きの電池もある。その他に、非常時に備えて発電するシステムを持っている場合もあるでしょうし、そういったものをいざというときにすぐに持ち出せるように準備しておくことが大事です。最初にお話ししたように、いざというときに家族の安否が確認できるシステムについてきちんと知っていて、事前にその使い方までを家族間で共有しておくことも重要です。

このように、災害発生時から時間をさかのぼって考えていくと、それが結局地域の防災計画になり、地区の防災計画になり、組織であればそれがBCPになり、学校であれば初動対応マニュアルになります。そしてそれがトータルとして防災マニュアルにつながっていきます。「いざ災害が起こったらどう行動するの?」というところから逆に考えていただいて、「それだったら、その災害に事前にどう備えたらいいだろうか?」というのを考えていただきたいと思っています。そのための有効なツールが、先ほどお話しした「目黒巻」や「目黒メソッド」だということです。

電車に乗っていてもそうですが、つり革や手すりにつかまっていない人もいますが、急ブレーキがかかったらどうするのかと私は思ってしまいます。こういうことを、いつもいろいろと考えて準備をしてシミュレーションをしておくことが大切で、常にいざというときのことを考えて行動してほしいと願っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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