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防災インタビューVol.125

災害時に役立つ マンションのコミュニティの形成のために

放送月:2016年2月
公開月:2016年9月

村田 明子 氏

清水建設技術研究所 社会システム技術センター

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

清水建設の技術研究所の研究員として会社に入った当初は、防災とは関係ないことをやっていましたが、兵庫県南部地震が発生した頃に、建築学会の中の火災の調査に参加させていただいて、防災に興味をもちました。実際にこの火災の調査を通して、地震が起こった際にまちが脆弱だと被害が大きくなるということが分かってきました。その後も防災に関心を持って、ずっと研究を続けています。

マンションにおけるコミュニティ

火災の調査をしていく中で、私は特にマンションに興味を持ちました。それはなぜかと言うと、マンションで火事が起こった際には、バルコニーの仕切り板を破って隣の家に逃げるということになっていますが、実際にマンションにおいては、コミュニティが出来ていないところが多いというのに、火事の際に仕切り板を叩き破って隣に出て行ったら、非常に違和感があるのではないかと思ったからです。そこから「やはり防災をやるにもコミュニティは必要だ」ということで、マンションのコミュニティについての研究をしていましたが、ちょうどその時に、東日本大震災が発生しました。

震災後にいろいろなマンションで調査をしてみると、地震が起こる前からコミュニティができていたり、いろいろな組織や団体があって、顔の見える関係ができているところでは、災害の後にとてもスムーズに対応ができたということが改めて分かってきています。
調査をした仙台のマンションにおいては、首都圏に比べて地方都市なので、マンションという形は取りながらも、昔ながらの近所付き合いやコミュニティがあり、戸建て住宅地の町内会のような形がマンションの中に出来上がっていましたので、お年寄りを助けたり、いろいろなことがなされていて、震災後に非常にスムーズな取り組みが行われたと伺いました。

これが、首都圏のマンションになると、プライバシーを重視する人間関係の中では、同じような対応をするのは難しいと思います。しかしながら、せめて、災害が起こった際に関われるように、最低限のコミュニティというか、挨拶ができるような関係をつくっておくことが大事なのではないかと思います。

大都市における大震災時の在宅避難

大都市で大地震が起こった後、マンションなどでは「在宅避難」ということが必要になってきます。この「在宅避難」を前提にして、「マンションでは、事前にどんなことをやっておくべきか」ということについてお話ししたいと思います。

東日本大震災の後、仙台の一部の避難所には、収容人数をはるかに超える人たちが集まってしまって、実際に入ることができなかったことがありました。首都圏のマンションにおいても同様のことが起きるところもあるかと思います。特に大規模なマンションでは、避難所になっている小学校の中にはとても入り切れませんので、「在宅避難」をする必要があるということになっています。

東日本大震災の後に、首都圏と仙台の14件ほどのマンションにいろいろとヒアリングをして、実際マンションでは、どのようなことがなされていたのかを調査し、今後大きな地震が起こった際に、それぞれのマンションでどんなことをしたらいいかということを考えてみました。これらの多くのマンションでは、管理組合の理事の方や、自治会の役員の皆さんが集まって、災害の対応をするための災害対策本部の機能を持った窓口をつくっていました。災害対策としては、さまざまな役割がありますが、管理組合は建物や施設の被害の点検をするようなハード的な動きをしたり、自治会の方は安否確認というような人的なことの支援をしたりというように、組織ごとに役割分担をされて動いていたことが印象的でした。

中にはきちんと組織的に、ボランティアの支援チームが、5つぐらいつくられていました。物資の受け付けや安否確認をするチーム、情報を提供、共有するためのチーム、さまざまな居住者向けのお手伝いをするチーム、炊き出しや食べ物を配るチーム、公的な避難所に手が余っている方たちのボランティアを派遣するようなチームといったものです。また、居住者のためのボランティアの中には、地震保険に入っている人のために証拠写真として、家の中の写真を撮ってあげるというようなこともありました。実際に写真を撮ろうとしてもカメラが見つからなかったり、充電できていなかったので使えないという人のために、居住者の中でカメラを使える方が、被災者のところを回って写真を撮影してあげたり、携帯電話の充電が切れてしまった人に、自動車の中に付けて充電できるキットを持っている人が充電してあげたりというように、居住者のお手伝いをするチームも活躍していました。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。