1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. 災害に強い社会をつくる
  6. 災害時に役立つ マンションのコミュニティの形成のために
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.125

災害時に役立つ マンションのコミュニティの形成のために

放送月:2016年02月
公開月:2016年9月

村田 明子 氏

清水建設技術研究所 社会システム技術センター

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

マンションの中の居住者の組織

大きな分譲マンションには、管理組合の他に、自治会があったり、自主防災組織があったりするものも結構ありますが、そのあり方はさまざまで、管理組合の中に自治会的な機能を持っている所もあれば、管理組合と自治会が併存している所もありますし、マンション自体は自治会を持たずに地域の中に自治会があって、そこに居住者の方が任意で入るという例もあります。自主防災組織についても管理組合の元に自主防災組織があるようなマンションもあれば、自治会の中に自主防災組織があるものもありますし、管理組合と自治会が連携した自主防災組織を持っているマンションもあるようです。いずれにしてもそれぞれのメリット、デメリットがありますので、それぞれの組織が全く離れているのではなくて、組織と組織が連携し合うような関係性をつくっておくことが大事だと思います。

マンションの中には、管理組合の中に自治会の委員が必ず入るようにしているマンションもあります。その場合には、防災については自治会が中心になって動くのですが、防災グッズなどを買おうとしたときに、お金を持っているのは管理組合ですので、自治会から管理組合にうまく話が通らないためにお金の出しどころがなくて、うまくいかないという話も出てきます。やはり組織がうまく連携しあって、お互いに役割分担して助け合える形になっているのがいいかと思います。

実際仙台のマンションの中でも、管理組合と町内会と自主防災組織がマンションの中にあって、それぞれにうまく役割分担して連携しながら地震の後の対応を乗り切ったというところもありました。もちろん200戸、300戸ある大規模なマンションでは、そのような組織をつくるのが理想的ですが、50戸弱の小さなマンションでは、そんなにいろいろな組織をつくるのは大変です。そのような場合は、管理組合の中に自治会的に居住者の安否確認をするような役割を持たせることが、防災にも役立ちます。そして、このような自主防災組織の位置づけについても管理組合の規約の中にきちんと明記していくことが必要です。そうでないと位置づけが曖昧になってしまい、後々問題が起こって、人間関係がうまくいかなくなることもありますので、まずは、風通しの良い組織の関係を事前に築いておくことが大切です。

マンションの生活継続力評価について

現在私は、新都市ハウジング協会で、マンションのLCP分科会の主査をしていまして、その中で、地震が起こった後、自分のマンションには、どんなリスクがあって、そのリスクに対してどんな対策ができているかを判断するための、生活継続力の評価シートを作成しているところです。まだ試作品ではありますが、自分のマンションでどこが強くて、どこが弱いのか、どんな対策をしたらいいのかをセルフチェックして、管理組合の方々がこれからどんな防災対策をしていったらいいのかを理解するために役に立つシートにしていきたいと思っています。実際に皆さんに使ってもらえるように、マンションの規模や築年数によって、それぞれの標準的な値を記したベンチマーク的なものを作るために、今いろいろなケーススタディを実施しています。

その中で考えられるリスクには、例えば地震が起こった後、けがをするリスク、ドアやエレベーターで閉じ込められるリスク、避難リスク、火災リスク、情報が届かなくなる情報不全、混乱発生といった発災時のリスクなどを考えています。それ以外に生活継続のリスクとして、停電や断水、排水不全、ガス供給停止、あとエレベーターが使えない、移動ができない、寝食、寝泊まりができない寝食困窮のリスク、このような12のリスクを考えていて、それぞれについて各マンションで対策、セルフチェックできるようなものを検討しているところです。

これはあくまで一つの試みですが、いずれにしてもマンションの中で、あらかじめ準備できることをきちっとやっておくことが大事です。もちろん管理組合、自治会などのコミュニティをつくっていくというのも大事ですし、防災訓練などをしていくことも大事です。あらかじめ水や電気などのライフラインが止まったらどうしようか、ということを居住者の皆さんで考えて準備しておくことが大事だと思います。地震の後、生活継続のために施設や設備の面、情報伝達の面、それから運営の面、そういった面から多面的に生活継続をどう支えていくかということを、地震が起こる前から考えておくことが非常に大切です。

首都圏においては、いつ大地震が起こるか分かりませんし、本当に地震が迫っている時ですので、一日も早くそういった対策を皆さんで、少しずつ、とにかく着実に進めていっていただき、一人でも多くの命が助かって、安心安全に地震の後にもスムーズに生活を継続していくことを願っています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。