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防災インタビューVol.133

防災のための地域連携

放送月:2016年10月
公開月:2017年5月

奥田 建蔵 氏

東急エージェンシープロミックス社長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は、広告代理店の東急エージェンシーと制作プロダクションの東急エージェンシープロミックスに勤務をしています。東京都江戸川区の葛西臨海公園の近くのマンションに20年ほど住んでおります。家族は妻と大学生の女の子が1人おりまして、私は今年で57歳になります。

防災との出会い

ちょうど5年ほど前に、住んでいるマンションで理事会の順番が回ってきました。面倒で嫌だなと思いながら、渋々理事会に行くと25人くらいの方がいましたが、皆さん理事長はやりたくないと思うのか、じゃんけんで理事長を決めることになりました。実はその時にじゃんけんで負けた理事長が、大変しっかりしている方で、「奥田さん、うちのマンションは東日本大震災が起こった後にも、全く防災のことを何もやっていなくて、これはちょっとまずいんじゃないのかな」と相談を頂きました。私も確かにそうだなと思い、「それならば防災委員会を立ち上げよう」ということで始めたのが防災に携わるきっかけになりました。

私たちは、防災について学ぶために、最先端の防災の取り組みをしていて、当時内閣総理大臣賞も受賞した、江戸川区南葛西のなぎさニュータウンにお邪魔しました。ちょうど防災訓練がありましたので、見学させていただき、教えを乞うことになりました。防災訓練のやり方や安否確認の仕方、住民の方々への非常食の調理の仕方、AEDの使い方、上層階から人を降ろして来る方法など、さまざまな訓練のやり方を教えてもらいました。それをマンションに持ち帰り、なぎさニュータウンのやり方をお手本に、とにかく頑張って何とか近づいていけるように一歩ずつ始めようということで防災委員会を立ち上げました。しかしながら、立ち上げた時には、メンバーが3人しかおらず、防災の知識を持っている人がいなかったために、どういうふうにやっていいのか全然見当がつきませんでした。最初の2カ月ぐらいは、土日に3、4人で集まっては「どういうふうにやっていったらいいだろう」「どういうふうにしたら防災の体制が整っていくんだろう」と話していたことを思い出します。

スタートした時は、防災体制をつくるにも人数が足りなかったため、マンションの中で一緒に防災をやってくれる人を集めようと、「ボランティア募集」という貼り紙を書いてマンションの掲示板に出しました。すると、最初に若い学生さんや、近所で働いている看護師さん、会社員など、6、7人の方が集まってくれました。ところが次に集まる会を設定すると、1人、2人しか集まりませんでした。特に学生さんは、かわいい女性で手伝ってくれたらうれしいなと思っていたのですが、残念ながら学校に提出するためのボランティアのハンコが欲しかったということが後から分かりました。そういう参加の仕方もあるのかと、その時は思いましたが、1名、2名であっても、防災に関心を持ってくれることはやはりうれしいと思いました。

「回覧板」から始める防災

実際に防災の活動を始めようと思った時に、まずは周りの方とのお付き合いも全くないし、顔も分からない状況で、どのようにして、防災をやるということを案内しようかと考えました。その時に、みんなで話し合ったのが、非常にアナログな方法ですが、「回覧板を復活させよう」ということでした。回覧板を作って、隣のお宅に、「今度マンションで防災が始まるみたいですよ」と声を掛けていただいて、その防災の案内を見たらハンコを押して、そしてお隣の方に回していただく。これをやりますと、マンション全体で、450世帯がひと通りお隣にピンポンをやって顔を合わせて話をするという、そんなつながり方ができることを狙って、「防災の瓦版」というのをやったのが最初のスタートでした。

最初にやった時は、本当に回覧板が回って返ってくるのか、「回覧板なんて古いやり方だ」と言われてしまうのではないかと考えていましたが、これが意外に早く回りまして、1週間から10日以内に全家庭を回って返ってきました。このお隣へのリレーをやって、マンションの住民の方々の力を合わせるときちんとできるんだということが分かって、うれしくなりました。

次にやったのが、防災の中では非常に重要な安否確認の取り組みです。この安否確認のやり方は、なぎさニュータウンさんから教わりました。まず各フロアごとに名簿を作っておいて、「無事ですシール」というのを作って玄関の内側に貼っておきます。震度6以上の地震が来た際に、ご家族が家の中で無事でしたら、「無事ですシール」を玄関の前に貼り出してくださいとお願いします。それをフロアの担当の方が一軒一軒見ていって、貼り出されている所は安全だと、貼り出されていない所にはお声掛けをするといったようなシステムを作ろうということで、設計に入ったのが次の取り組みになりました。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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