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防災インタビューVol.137

割れても安全な「合わせガラス」で防災対策

放送月:2017年2月
公開月:2017年9月

武内 真弓 氏

AGC旭硝子 ビルディング・産業ガラスカンパニー

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

いざというときのための逃げ場の確保

建物は頑丈でも、家具の転倒や割れたガラスの飛散でけがをしてしまうことがあります。ぜひ、以下3点について気を付けていただければと思います。まずは、自宅の場合、逃げ道、避難する道を作っておいていただくのが大事だと思います。もちろん玄関ガラスを耐震枠にしたり、窓に「合わせガラス」を使うといった安全対策も重要ですが、開口部である窓から逃げられるように、揺れが収まるまで、まず身を守った後は、逃げ道を確保していただきたいと思います。その際には、ぜひ2方向の避難路を作ってください。

2番目には、寝ている時の地震に備えていただきたいということです。寝ている時に地震が発生すると、家具の下敷きになったり、飛んで来たテレビが当たったりする危険が大きくなりますので、耐震ジェルマットで固定したり、慌てて裸足で動くことがないように、スリッパをいつも用意したり、懐中電灯を手元に置いておくといったことにぜひ気を付けていただければと思います。窓に関して言うと、カーテンなどを閉めていただくだけでも危険性が少し減りますので、ぜひお勧めです。

3つ目は、日中の場合の地震に備えるということで言うと、シェルターのような避難ルームがあれば、そこに逃げ込めばいいのですが、キッチンやリビングルームの棚などに、耐震ラッチを付けていただくとか、強化ガラス、あるいは普通のガラスであれば飛散防止フィルムを貼っていただくというのもいいかと思います。ただ、飛散防止フィルムは10年に1度ぐらい貼り替えなければいけないし、当たり所が悪いとガラスが塊になって落下するというような危険な場合もありますので、できれば「合わせガラス」などもご採用いただければと思います。特にフィルムの場合は、ガラス屋さんなどに頼んで、表面だけに貼るのではなくて、ガラスを外してサッシののみ込み部分もフィルムが収まるようにするとより安全だと思います。断熱のために、エアクッションを窓にベタッと貼ってらっしゃる方がいらっしゃると思うのですが、水が表面にいたずらをしまして、結露でエアクッションのプチプチの跡が窓全面から取れなくなってしまったということがよくあります。ガラスメーカーでは、あまりガラスに何かを貼るということは、お勧めはしていないのですが、なるべく後のことを考えて、ガラスにものを貼る場合は十分検討いただく必要があります。

地震! その時ガラスは・・・

万が一地震の揺れを感じたら、まず窓から離れていただくことが肝要です。特に、商業施設などの場合は、頭の上に防煙垂れ壁などというようなガラスが使われている場合があります。そういったガラスや、ガラスの間仕切り、建具などからは離れてください。自宅であれば、地震の時は、固定していない家の中のものが飛んできて、ガラスが割れるという形になりますので、窓の近くにガラスが当たるような、家具や小物、資材や機材を置かないようにするか、もしくは固定してください。

もう1つ、旧耐震といわれている古い建物、昭和40年代以前の建物ですと、ガラスとサッシの間がパテというセメント状のもので固めてある場合があります。その場合、ガラスとサッシが別々に揺れないので、ガラスが割れてしまう可能性があります。そういった建物でないかどうかを確認して、もしそういった建物だったら、「2重窓」にするとか、「防災合わせガラス」に変更するというような手段がいろいろありますので、お近くのガラス屋さん、設計士、建築士などに相談して、事前に対策を取っていただければと思います。

ガラスは“割れる”

割れないガラスというのはまだないので、ガラスというのはやはり割れてしまう製品です。きちんと使い分けをしていただくというのが大前提になりますけれど、もしガラスに破損やひび割れ、欠けを発見したら、そのまま放置しておくと危険ですので、なるべく早く、人が近づけないように適切な処置をした上で、ガラス屋さんや工務店、マンションの管理会社などに連絡をして、速やかに交換してください。これからガラスを交換なさる方はぜひ「防災合わせガラス」をご利用になってください。普通のガラスは、割れた際には、本当に鋭利な破片になりますので、やはり危険です。ガラスが昔のように薄いものではないですし、簡単には割れなくなっているので、ちょっとそういったことを忘れがちですが、普通のガラスというのは、割れたら大変危険なものです。たとえ小さなひび割れや、小さな欠けであっても放置しておくと全面破損につながる場合もありますので、発見したらすぐ交換ということをお勧めしています。その際には、防災も考えて、より良い選択をしていただければと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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