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防災インタビューVol.137

割れても安全な「合わせガラス」で防災対策

放送月:2017年2月
公開月:2017年9月

武内 真弓 氏

AGC旭硝子 ビルディング・産業ガラスカンパニー

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

「ガラスパワーキャンペーン」で安全・安心な社会づくり

現在、私どもは、社会貢献活動として「ガラスパワーキャンペーン」を行っています。これは、「ガラスができる節電、温暖化防止、地震、台風対策によって、安全・安心な社会づくりを目指す」ということで進めている運動です。

そのひとつとして、「ガラスの安全・安心エコ教室」を行って、実際にガラスを割ってみるようなデモンストレーションを交えながら、いろいろなガラスについてのお話をさせていただいています。この「ガラスパワーキャンペーン」の活動は、2005年10月から始まっているのですが、地震や台風の対策として、「合わせガラス」を全国各地の避難所に寄贈するという活動もしています。最初にこの活動を始めた頃は、ネット上のゲームや投票で寄贈先の学校をスポットで選んで寄贈していたのですが、なかなか少子化や学校の複合化の問題があったり、しっかり耐震化していない建物でないとガラスを寄贈しても仕方がないので、東日本大震災以降は、被災地に寄贈するという形に移行してきています。2011年の東日本大震災の際は、福島、宮城、岩手、3県の3カ所で、自治体に選んでいただいた施設のほうに寄贈させていただきました。福島県では県立高校3校、宮城県は小中学校、岩手県では小中学校が被災してしまったので、避難所となった保育所や町民の体育館などの公共施設にも提供しています。

実際に避難所のガラスが割れてしまうと避難所として使えなくなってしまいます。3.11の時は、避難所になるべき中学校で、卒業式の練習をしていた際に、ガラスが降ってくるというような被害もありました。最近は、構造部材のほうは耐震化ということが進められてきていますが、天井やガラスなどの非構造部材は、まだまだ防災の対策が進んでおらず、そういったものが落ちてきたり割れたりということで避難所が使えなくなるという事例が2016年の熊本の地震の際にも散見されています。そのようなことがないようにという願いを込めまして、いままでに全国35カ所に「防災合わせガラス」を寄贈してきています。熊本の被災地にもガラスを寄贈したいと思っておりましたが、実は2017年に入っても割れてしまったガラスの交換工事ができていないため、寄贈することがまだ叶っておりません。そこで、「ガラスパワーキャンペーン」では、「事前防災、事前減災という取り組みを、合わせガラス、防災合わせガラスで貢献できるのではないか」ということで、まず高知市に寄贈させていただくことにしました。私たちは、今まで事前防災という取り組みはしてこなかったのですが、よくよく考えますと、この「防災合わせガラス」は、事前防災をしていくための大切なツールではないかということで取り組んだ初めての事例となります。

やはり建物自体が壊れてしまったら使えないわけですけれど、建物の耐震化が終わっていれば、次はぜひ非構造部材、天井や照明、体育館などですとバスケットゴールなども考えていただければと思います。その中でも、「防災合わせガラス」を使用してガラスが割れて落ちないようにしていくことは、避難所として避難なさる方はもちろん、ボランティアの方や皆さんに決してけがをさせない、風雨にさらさないということでは非常に有効だと思っています。

この他、このキャンペーンの一環として、去年から始まりましたのは国民防災大会で、啓発のための小冊子をお配りしたり、「合わせガラスを使いましょう」と書いた防災グッズをお配りしたり、このキャンペーンに賛同してくださる全国のガラス屋さんや、いろいろな仲間も一緒に、そういった催事があれば同じような取り組みをさせていただいています。

普段ではガラスが割れたりすることが少なくなってきているので、あまり気付きませんが、日本は地震も多く、自然災害が多い国なので、ガラスに対しても事前の対策をぜひ取っていただきたいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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