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防災インタビューVol.140

気象災害から身を守るための知恵

放送月:2017年5月
公開月:2017年12月

村中 明 氏

元気象庁予報課長、CeMI環境・防災研究所

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

防災のためのヒント

例えば大雨が降ると、土砂が崩れたり、川が溢れたり、目の前の下水が溢れて水に浸かったりするわけですが、その防災対応をするときに覚えておいていただきたい3つのキーワードがあります。

1つ目は「高さ」ということです。例えば自分の住んでいる所の地面は、高い所にあるのか、低い所にあるのかということです。低い所にあれば浸水を起こしたり、川が溢れれば洪水になったりするかもしれませんが、高い所にあればそういう心配はありません。あるいは自分の住んでいるマンションが高いマンションであれば、洪水や浸水があっても上に逃げれば一時的には危険が避けられます。まずそういった「高さ」です。例えば裏に崖があるようなときには、その崖の高さが自分の住んでいる家の高さより高いのか低いのか、崩れたらどうなるのかというようなことも一つヒントになると思います。

2つ目は「距離」ということですね。溢れそうな川から自分の住んでいる場所までの距離、あるいは決められた避難所まで行くのにどれぐらいの距離があるのかというようなことです。それは裏を返すと、避難しなければいけないときに、どのぐらいの距離を移動しなければいけないのか、その間にどのぐらいの危険があるのかを把握しておくということにつながると思います。山崩れや土砂崩れを考えた場合は、その崖から自分の家までの距離がどのぐらいあるのかということも考えておく必要があります。その意味での距離、長さを把握することも大事だと思います。

3つ目は「時間」です。時間というのは、大雨が降ったときに川の水位が上昇して溢れてくるまでにどのぐらいの時間がかかるのだろうかということで、これはなかなか専門家でないと分からないと思いますが、河川事務所や気象台などに聞くと「この川は大体このぐらいの時間で溢れます」とか「このくらいの時間で水位が上昇します」というのが分かります。それから避難所まで行くのにどのぐらいの時間を必要とするのかというのも大切です。例えば健康な方が一人でそこまで15分で行けるとしても、お年寄りや体の不自由な方、あるいは子どもさんを含め家族が多いと15分で行ける所が30分になったり40分かかったりします。そうすると非常に長い時間危険に身をさらすということになってしまいます。やはりどんな条件のときにどのくらいの時間がかかるのかを考えることで、どの時刻でどんなタイミングで行動を起こすのがいいのかということを考えることもできます。そういう意味では時刻、あるいは時間という考え方も非常に大事だと思います。

この3つのキーワード「高さ」「距離」「時間」ということを常に防災を考える上では忘れずに頭に入れておいていただければと思います。このように、非日常に起こるかもしれないことを何かの機会に考えておくこと、その積み重ねが減災につながるということを覚えておいていただければと思います。

Jアラート 緊急警報システムの利用

災害から身を守るためには、情報を自ら取りに行くことが必要であるとお話ししましたが、今話題になっているものに「Jアラート」「緊急警報システム」があります。これは平成19年に総務省が中心になって作った、衛星を使って危険な状況を瞬時に国民に周知するというシステムです。地震や津波などについても、非常に重要な情報として流されますし、大雨に関する警報や特別警報などもそうです。また別の意味では、例えばミサイルが飛んでくるときにどうしたらいいのかということやテロに対する情報なども伝えられます。このようなJアラートの情報にも注意をして、そういう情報を耳にしたら、ただちに行動に起こせるように普段から考えておいていただくことが大事なことだと思います。これは気象災害に限らず、国が施策として国民一人一人の命を守る、あるいは財産を守るという立場で作られたシステムです。国民の方も、ぜひそれをうまく利用していくことが大事だと思います。この緊急警報システムの良いところは、人間が介在しなくても、設定しておくと自動で非常に早く正確な情報が流れるということです。これは防災にとって非常に重要な情報だと思います。

「油断大敵」

気象防災にとって、「危険を感じてもなかなか行動しない」ということは非常に大きな問題ですので、「まさか」ではなくて「もしも」だと思って行動をするというのが大事な基本です。

よく「自分は安全だ」と思いがちですが、それは非常に勝手な思い込みであり、いつでも危険にさらされる可能性があるということを感じておいていただくことが大事です。日本というのは非常に自然災害が多い所ですので、いつ自分の身に災害が降り掛かるかは分かりません。そのことを常に考えておいていただくと、対応の仕方が全く違ってきます。ハザードマップなどの情報についても、そういったことを考えながら利用していただくことが大切です。天候が良いときは、災害についてはついつい考えなくなってしまいがちですが、常に「もしも」を考えることが減災につながります。「油断大敵」という言葉がありますが、常に油断をせずに「もしも」に備えることが、この自然災害が多い国、日本で暮らしていく上で、非常に大切だと思います。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。