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防災インタビューVol.158

難民支援の視点に立った災害支援

放送月:2018年11月
公開月:2019年5月

鶴木由美子 氏

認定NPO法人 難民支援協会
定住支援部コーディネーター
コミュニティ支援担当

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

現在私は、認定NPO法人難民支援協会で活動しています。難民支援協会というのは、日本にたどり着いた難民の支援をしている団体です。難民というと難しいイメージがあると思いますが、国境を越えてきた避難民であり、国境というところの違いはあるのですが、広域の避難者という意味では、災害の被災者の方と同じような共通点があります。そういう意味もあって、私たち難民支援協会では、災害時の支援活動も行っています。

難民支援協会の活動

たくさんの難民の方々が日本に住んでいるということは、なかなか知られていないのですが、難民支援協会では、日本に住む多くの難民の方々への支援活動をしています。難民として来られた理由はさまざまであり、政治的な活動をしていて亡命をした方や戦争で逃れてきた方もいますし、いろいろな背景があって逃れて来ている方がいます。このような方々は、ご自身が難民だということはおっしゃらずに過ごされている方もいるので、「隣に住んでいる外国人の方が、実は難民だった」ということも大いにあるかなと思います。日本にたどり着いて住んでいる難民の方に対して、難民支援協会では、法的な支援や生活の支援、あるいは定住していく段階でいろいろ必要になっていく就労の支援などを行っています。私たちの団体に相談に来る方は、アフリカや中東などから来ている方が多くおられますが、アフリカや中東からですと、日本よりもヨーロッパの方が近いので、なぜ日本を選ばれたのかと疑問に思う方もいるかと思います。実際にアフリカや中東からは、近くの国やヨーロッパを目指す方が多いのですが、やはり今はヨーロッパも入国が難しい部分もあって、遠く日本まで来ている方もいますし、国を出るために何とか手配した航空チケットの行き先がたまたま日本で、自分が行きたかった国ではないけれども日本に来たという方も多くいます。自国を離れ、言葉も文化も違うなかで、大変苦労をされている方も多くおられます。

災害時の支援 ~一人一人に配慮を~

難民支援の活動のひとつとして、災害が起こった地域に難民の方がいれば、その支援に行くのですが、普段難民支援で培っている視点から、「支援が届いていない人たちが必ずいる」ということを念頭において支援をするようにしています。東日本大震災でも活動しましたし、熊本の災害や西日本豪雨の広島での活動もしました。避難所に支援に行くこともありますし、在宅で避難されている方がどのような生活をされているか見に行くこともあります。例えば先に現地に入ったNPOのメンバーから、「こういう所で困っていて、協力が欲しい」と言っていただくこともありますし、実際に難民の方や外国人の方が被災者として困っているときには、自分たちでリサーチをしに行って、他のNPOの方たちと一緒に活動することもあります。

実際に被災地に支援活動に行ってみると、支援が届いていない人が必ずいるのだということを強く感じます。その方たちの中には、いろいろな立場の人がいるのですが、障害者や外国人、高齢者や子どもや女性、LGBTQの方など、普段からいろいろな制度やセーフティネットからこぼれ落ちやすい方々が、やはり災害の時も落ちてしまうということが、印象として非常に強く残っています。

例えば熊本の災害の時に、ある大きな避難所に支援に入った際に、そこに障害者の方がいて、その中でなかなかご家族も本人も適応できなくて困っていたということがありました。そういった方々に別室を用意して、少し安心した空間で過ごせるようにしたりですとか、あるいは妊婦さんや小さい子どもを抱えているお母さんたちが、大きな避難所の中で子どもが夜泣きをしてしまって皆さんに迷惑を掛けていて、すごく心を痛めていたので、そういう方にも別室に移っていただいて、少し安心した環境でゆっくり子どものケアができるようにしたりもしました。

また、西日本豪雨の際に、広島に難民の方の支援に行った時にも、文化的な違いもあり、外国人の方が、自衛隊が運営している公共のお風呂に行くことができず、発災からだいぶたっているにもかかわらず、衛生的な水にアクセスできなかったという状況がありました。それがもとで病気を発症してしまったということもあったので、実際に支援の必要な人、一人一人に合った配慮が届くというのは、なかなか難しいということを実感しました。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。