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防災インタビューVol.170

近年増加している災害から身を守るために

放送月:2019年11月
公開月:2020年3月

国崎 信江 氏

株式会社危機管理教育研究所
代表

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

自宅を守る知恵

まず、災害を防ぐためにはハザードマップを確認しましょうという話をしましたが、もし自宅がハザードマップで浸水地域にあるといった場合どうしたらいいのかという対策について話をしたいと思います。

自宅を水害から守るためには、お金の掛かることから先に話をさせていただきますと、土地のかさ上げ、盛土をするという方法であったり、建物を高床構造にして、できるだけ1階の浸水を軽減するという方法もあります。ただ高床構造やピロティ構造ですと耐震的にどうなのかという問題もあるので、耐震構造を意識したピロティ構造にしていただく必要があると思いますし、さらに屋根や屋上に上がることができるような形状にしておくというのも一つかもしれません。建て替えやリフォームを考えている方はそういった方法もあることも知っておいていただきたいと思います。土地や家をいじるよりも、より安価でできるのが塀で、浸水を防ぐ塀で建物を囲むという方法もあります。また、マンションですと定期的に大規模修繕があるように、戸建てでも定期的に住宅のメンテナンスをしていただきたいと思いますが、壁の塗り替え、張り替えのための建材を防水仕様にするというのも一つかと思います。そして室内で揃えておくといいものとしては、万一のことを考えてライフジャケットや救助用のボートがあります。これはカヤックなどのような高価なボートではなくても、子どもがプールで使うようなレジャーボートでもいいので、とにかく浮いて命を守ることができるようなものを用意しておくといいと思います。

このような事前の備えの中で、大雨や台風が迫ってきたという状況のときに何をするかというと、玄関や掃き出し窓などの浸水するであろうところに土嚢を置いて、浸水防止対策をしたり、水嚢で排水溝を覆って、下水の逆流を防ぐことも大事です。この排水溝というのはひとつだけではなく、キッチンやトイレやお風呂、洗濯機の近くなどにたくさん排水溝があるので、それら全ての排水溝を水嚢で抑えた方がいいと思います。また、窓ガラスには地震のときにも有効な飛散防止フィルムを貼ったり、万が一売り切れで売っていないという場合には、応急的に養生テープで米という文字に近いスタイルで貼って、飛散防止対策をするという方法もあります。このようにいろいろな対策がある中で、ぜひできるところから進めていただきたいと思います。

また、実際に大雨、台風が近づいてきたら、室内にある24時間換気の換気口を閉めて、雨風が室内に入ってくるのを防いでいただきたいと思います。そしてさらに窓のサッシの下から水が入り込んでこないように、新聞紙を詰めたり、雑巾を詰めたりというような対策をしていただきたいのですが、私のお勧めはペットシーツをサッシの下に詰め込んでおくという方法です。なぜペットシーツがいいかというと、ペットの尿を吸収するためのものなので、それを敷いておくと雨を吸収して、室内への浸水を防いでくれるということに役立ちます。わが家はペットを飼っていないのですが、ペットシーツを日頃から用意しておいて、いざというときにすぐに対応しています。それから、いよいよ近づいてきたというときには、できる限り電気製品を上階に上げてください。マンションの方で上階がないという方は、実はこれはどこまで有効なのかまだ分からず未知数なのですが、一応わが家でやっているのは、布団などや衣服の圧縮袋を用意しておいて、濡れては困るアルバムやオーブントースターなどの小さい物を袋の中にいれて浸水を防ぐようにしています。圧縮袋のチャックはかなり頑丈なので、水も入らないのではないかと思っています。これは一例ですが、ぜひ身近な物を使って、あらゆる浸水対策を柔軟に考えていただければと思います。

そしてもう一つ私がお勧めしたいのが、イッツコムなどが提供しているテレビプッシュというサービスです。このテレビプッシュのシステムが入っていると、例えば電源がオフであったとしても、災害情報が出たときに、リアルタイムでポンとテレビの電源が付いて、災害情報を伝えてくれるというものです。音声だと聞き逃してしまうことでも、映像によって文字情報で確認したり、映像によって災害の様相が分かったりして情報を大量に入手することができますので、こういったシステムを積極的に活用するというのも一つの手だと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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