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防災インタビューVol.177

気象予報士から見た防災

放送月:2020年6月
公開月:2020年10月

半井 小絵 氏

気象予報士 女優
NPO火山防災推進機構 客員研究員

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は気象予報士で女優をしています。2011年までの9年間、NHKで気象キャスターをしていましたので、その頃のことを覚えてくださっている方もいらっしゃるかもしれません。現在はNPO火山防災推進機構の客員研究員をしており、被災地調査に行ったり、防災士という地域の防災リーダーを育てる講座の気象分野の講師をしたり、気象と防災の講演などを各地でさせていただいています。

2016年から3年間、レギュラーでニュース番組のコメンテーターを担当したことをきっかけに、防災だけではなく、日本の危機管理について国民目線で講演などもしています。その他、旅番組のレポーターとして、2020年2月には兵庫県豊岡市の温泉で有名な城崎に行ったり、ギネス世界一の雷をベネズエラに見に行ってレポートをしたこともあります。また、2016年から劇団夜想会で、演劇をやっています。内閣官房拉致問題対策本部主催の「めぐみへの誓い、奪還」という、拉致被害者の横田めぐみさん、お父さん、お母さんのことが中心の劇ですが、お父さんの横田滋さんの役を劇団の原田大二郎さんが担当され、私は拉致被害者の田口八重子さんの役をしました。2019年で4年目になります。また2019年に俳優座の公演で、アメリカで活躍した日系人の話「祖国への挽歌」に出演しました。昔、不良少年がラグビーを通して立ち直っていく「スクールウォーズ」というドラマがありましたが、その主演をされていた松村雄基さんがこの劇でも主演をされており、その妻マリアの役をさせていただきました。2020年7月にも再演が決まっていたのですが、残念ながら、新型コロナウイルスの影響で中止になりました。ただ、これはキャンセルではなく延期ということですので、今のうちに力をつけて、次の上演に臨みたいと楽しみにしているところです。このように、現在はいろいろな活動をしています。

気象予報士として

私が気象に興味を持ったのは、私の母方の祖母の影響です。昭和9年に、当時祖母が小学校5年生だった時に、室戸台風が来襲しました。私の祖母は、その時学校にいて、1時間目の授業が始まった直後に、台風によって校舎が倒壊して、2階建ての木造校舎が人の背の高さぐらいにペタンコにつぶれて、その下敷きになったそうです。そこで友達41名を亡くしましたが、祖母は偶然校舎の2階に居たことと、屋根の梁の少し尖がっている所の隙間に挟まって、けが1つなく助かりました。祖母は、友達を亡くしたというトラウマで、非常に自然災害を怖がっており、気象情報が流れる時代になったら、朝昼晩とずっと気象情報をチェックしていました。私はおばあちゃん子だったので、その祖母の影響で気象情報を子どもの頃からずっと見ていました。仕事に就いた時には、まだ気象予報士という資格はなかったので、最初、銀行員になりましたが、何か資格を持った仕事をしたいと思った時に、「そうだ気象予報士だ」と思い資格を取ることにしました。気象予報士というのは非常にマニアックで、理系の方ならばさほど難しくはないのかもしれませんが、私は文系だったので、サイン、コサイン、タンジェントなど、数Iから勉強し直し、なんとか気象予報士の資格を取り、その後キャスターになることができました。

気象予報士全てがキャスターになるわけではなく、気象予報士でも例えばスーパーに「明日何度ぐらいになるからどういう物が売れますよ」というようなことをお伝えするような担当もいたり、そのうちの1つの形がキャスターなのですが、私はもともとキャスターをやりたいと思っていましたので、オーディションを受けて幸運にも合格することができました。しかしながら、それからが大変でした。キャスターの仕事を甘く見ていまして、人が書いた原稿を読めばいいんだと思っていたのですが、気象キャスターになって1年目から、全て話す内容、使う画面、VTRがある場合はどんなVTRを使いたいかというのも自分で提案しなければいけないということを知りました。

日本列島は南北に長いので北と南では気象は全く違いますし、話す要素も天気、気温、湿度、風といろいろある中から何が一番大切かということを、ポイントを絞って話すということが最初はなかなかできませんでした。持ち時間は、およそ2分前後なので、そこに全て盛り込んで話してしまうと、見ている人には何が何だか分からなくなってしまいます。ですから本当に2分だとポイントは1つ、そのポイントを絞る時に最初は戸惑いました。

実際に経験していく中で、情報というのは本当に必要な人に必要な情報を届けることが大事であり、「伝える」ではなく「伝わる」ことが大切だということを実感しました。その上で、「ポイントを絞る」ということは、その責任も大きいことなので、なかなか難しいです。毎回災害が起こりそうな時、災害が起こった時、それをどのように伝えるかというのは、少し心の中で震えながらお伝えしていました。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。