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防災インタビューVol.184

住民と行政の協働で考える「地域防災」

放送月:2021年1月
公開月:2021年5月

山本 美咲 氏

経済産業省
経済産業政策局 地域経済産業グループ
中心市街地活性化室 係長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

防災ボランティア活動を通して

平成30年の7月豪雨、令和元年の台風19号の際に、水害の後の避難所の運営支援や泥出しの支援に災害ボランティアとして何度か伺いました。災害の直後には運営主催者となる方がいない場合があり、避難所の中は大変ん混乱をすることも多いのですが、避難所運営のノウハウを持っているボランティアの方が集まって、災害直後に初動を回していくというようなことが行われています。私も避難所の運営支援にお伺いしたのが学校だったのですが、先生方が本当に不眠不休で対応されているような状況で、なかなか休むことができていない中で体力的にも限界がきている状態でした。そこで、同じようにボランティアとして来ているメンバーと協力し合って、何とか私たちでできることはやっていくような形で避難所の運営をさせていただきました。

私が普段防災活動で防災に対する意識を啓発しているときには、なかなか若い方に出会えないのですが、実際に災害が起こった際の災害支援をしているボランティア団体や災害支援を仕事としている組織、団体には、20代、30代の方が結構多くいらっしゃいます。「それはなぜなんだろう」と考えたところ、自分のためということは防災では後回しにされがちですが、困っている誰かの役に立ちたいと思ってる方にとっては、災害の現場というのは、緊急性もあり、分かりやすいので、動機付けしやすいのではないかと感じました。

また、災害の現場では、いろいろなプロフェッショナルの方もいますし、ボランティアでもいろいろな災害支援を経験されていて、避難所運営のプロのようになっている方もたくさんいます。このノウハウを普段の防災活動にもつなげることができたら、各知識でのノウハウを高めたり、意識啓発もできるのではないかと強く感じました。

災害ボランティア活動を通じて育む防災意識

防災活動に関わる際の動機として、「困っている誰かのために動く」というのは非常に分かりやすいですし、アクションに移しやすいのではないかと感じており、災害現場で支援活動をされているボランティアの方々とネットワークを作ることで、日頃の災害発生前の防災活動にもつなげていきたいと考えています。

特に私は行政職員というのもありますけれど、公務員の方でボランティア団体に所属して、災害現場に来られている方とかもいらっしゃって、現役の防災担当者や防災担当OBの方たちも多くいます。災害に関する知識があり、かつ避難所運営のノウハウが頭に入っている方、災害支援の経験がある方、実際に自分で避難所運営をした経験がある方も多くいるので、そういった公務員の防災担当者のネットワークをもっと災害支援に生かせればいいのではないかと実感しています。そのネットワーク自体はできているのですが、実際に災害が起こった直後にそこにどうやって向かうかというのは課題です。いきなり行っても邪魔になってしまうこともあるので、タイミングを見極めながら、必要とされるニーズを見極めながらお手伝いをするには、工夫も必要だと思います。比較的動きがとりやすい世代の職員もたくさんいますので、そういった若い世代中心にネットワークを生かして災害支援ができたらいいなと感じています。このように行政職員は知識面もそうですが、住民との対話、現場をどう回していけばいいかということに慣れている職員も多いので、災害ボランティアとしても非常に頼りになると思います。通常は行政職員が現地に派遣されることも多いのですが、災害が起こってしばらくたって態勢が整い、応援要請があってから向かうものになるので、実際は災害直後の現場が混乱している時にこそ行政職員ならではの信頼感を生かせる場面もあると思います。現場の行政職員のお手伝いを一番できるのは多分、他の地区の行政職員ですので、そういう意味でも発災直後にボランティアとして活動できたらいいと思っています。

また、行政職員に限らず、災害支援現場には、20代、30代の働き世代の若い世代もたくさんいますので、いろいろな地域にいるこれらの方たちと災害が起こる前からネットワークを通じて連携が取れたらいいなと思っていまして、実際災害現場で出会った方とオンラインで防災の勉強会などをやったりもしています。事前にネットワークを通してつながることで、各地域相乗効果で災害支援のネットワークを生かした防災計画につなげられるのではないかと感じています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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