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防災インタビューVol.186

災害時の混乱を回避する施策 ~餅は餅屋の災害対応~

放送月:2021年3月
公開月:2021年7月

菅野 拓 氏

京都経済短期大学
経営情報学科 専任講師

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は今、京都経済短期大学で講師をしています。私が防災という世界に関わるようになったのは、2011年の東日本大震災という大きな災害がきっかけです。この地震の際に、現場でNPOを立ち上げながら、支援活動を行っていたのが災害対応の始まりでした。それまでも、研究をしておりましたが、もう少し防災のことを研究したいと思って神戸に移り、いろいろなことをしながら、今も防災に関わっています。

東日本大震災の時は、まだ防災の研究をしていたわけではなく、ホームレス支援についての研究をしていて、全国を飛び回りながら、社会的にちょっとしんどい状況にある人の支援をしていました。震災後に防災についての研究を続けて、10年になります。災害で被災された方もしんどい思いをされており、実はホームレスとよく似た問題を抱えていることに気付き、それが縁で災害に関わることになりました。現在は京都経済短期大学で講師として、東日本大震災後に支援活動をする主体として関わっているNPOやソーシャルビジネスについて主に教えています。

災害対応を誰に任せるのか?

私たちの社会は、誰に災害対応を任せていると、皆さんは思っていますか?

まず思い付くのは地方自治体ではないでしょうか。実は、法律的にも基本的に災害対応を行う責任がある主体は地方自治体だということになっています。しかしながら、実際の災害対応を自治体に責任を負わせることで、いろいろな問題を引き起こしているのも事実です。

災害といえば、地震や大雨などいろいろなケースがありますが、他の社会問題になっているようないじめの問題や少子高齢化の問題と比べてみると、災害というのは、実にたまにしかやって来ないために、実際に自治体の職員が、大きな災害に対応する経験というのは、一生に一度あるかないかといった経験になるわけです。ですので、このような大きな災害に対応すること自体が、一般的に地域にある普遍的な社会問題の対応よりもさまざまな問題を引き起こすことになって、大きな混乱をもたらしてしまう原因ともなっています。

例えば、災害が起こったとしても、道路や河川の復旧、インフラの復旧の際は、比較的スムーズに進んでいくことが多いのです。それは、自治体の皆さんは普段から道路や河川の復旧をやっているので、災害の時もその過程を早回しすれば、やり方は分かっているので、なんとか出来ています。例えば、消防の活動や救助なども、当然普段から消防の皆さんが考えていることなので、自治体が普段からやっている仕事というのは比較的混乱が少なく、大きな災害になってもうまく回すことができます。しかしながら、毎回災害のたびに報道されているような、避難所の混乱であったり、仮設住宅の入居者の孤立の問題などは、災害のたびにその対応が問題になっています。これは、自治体の皆さんが、普段からやっている仕事ではなく、非常時しかない仕事のため、災害の混乱の中では、うまく対処ができないということです。被災者の生活再建の支援もそうですが、法律上の構造の中で、自治体が慣れない仕事をやらなければならない状況になっており、プロの知恵、慣れた人の知恵を使うことがしにくい中での対処になるため、被災者支援が混乱してしまうと言われています。そのために、毎回大きな災害が起こるたびに、避難所の問題、仮設住宅の問題が解決されず、出てきてしまうのだと思います。自治体でも前もって計画を立てていますし、対応を考えていると思いますが、実際にやってみないと具体的にどうすれば良いのかという思いに至らないことが多く、根本的に自治体だけにこの問題を任せておくことは難しいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。