1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. メディアと防災
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.212

メディアと防災

放送月:2023年4月
公開月:2023年7月

入江 さやか 氏

松本大学
地域防災科学研究所 教授

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

熊本地震で流れたデマ ―「ライオンが逃げた」

冒頭で、100年前の関東大震災で流言やデマで社会が混乱したことをお話ししました。これは決して昔話ではありません。災害時にSNSで誤った情報やフェイクニュースが発信され、短時間のうちに拡散する事例もあります。

例えば、震度7を2回観測した2016年の熊本地震の際には「動物園からライオンが逃げた」という画像付きのデマがTwitterに投稿され、自治体やマスメディアが「そのような事実はない」と打ち消しました。このデマを流した人は、最終的に逮捕されました。

関東大震災では、情報が乏しいがゆえにデマや流言が広がりましたが、現代では災害が起きれば、恐らくSNSなどで膨大な情報が流れることになります。また、誰でも世界中に文字情報や画像を発信できるがゆえに、誤った情報が急速に拡散するリスクがあります。

誤った情報やデマを避けるためには、日ごろから信頼のおける防災情報アプリを利用したり、気象庁や地元の自治体SNSアカウントを日頃からフォローしておいて、正しい情報が得られるようにしておくことがとても大事だと思います。

日常的に災害情報・防災情報に触れて ―「情報の備え」も忘れずに!

これまで様々なお話をしてきましたが、災害が起きてから、災害が迫ってからでは、情報を冷静に受け止めることは難しいですし、情報を冷静に探すことも難しいということをぜひ知っておいていただきたいです。

具体的には、災害の起きてない平常時から、気象情報や防災情報のアプリを使って、どのような情報が見られるのかを知っておいてもらいたいと思います。大学の講義でも学生にもそのように教えていますが、屋外でスポーツをしている学生も多く、レーダー画像で雨や雷の情報が見られるので便利だと喜んでいます。

もう1つ、ハザードマップで自宅や職場の災害リスクを確認して、避難が必要な場所なのかどうかを知っておくことも大切です。

そして最後に、テレビやラジオを持たない世帯も増えていますが、万一スマホやパソコンが使えなくなったときに、どのように情報を収集するかシミュレーションをしておいて欲しいと思います。災害時に情報が得られないことは、想像以上に不安なものです。防災対策として、水や食料の備えはもちろん大事ですが、それだけではなく、電池で聴けるラジオあるいはスマートフォン用のバッテリーを用意するなど、「情報の備え」も忘れないでいただきたいと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

会社概要 | 個人情報保護方針