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防災インタビューVol.215

防災とまちづくり

放送月:2023年7月
公開月:2024年1月

金藤 純子 氏

株式会社EnPal 代表取締役
岡山大学大学院 環境生命自然科学研究科 都市環境創成学コース 博士後期課程 在学

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

「いまから手帳」WEB版の発行

西日本豪雨の被災者を対象に配布された、神原咲子先生が作られた生活再建手帳の「いまから手帳」は健康手帳と生活日記が一つになったようなもので、日々の体調管理や食事の内容、また、自宅が再建するまでの経過などを記録できるものです。水害で被災すると、紙で出来ているものはすべて流れてしまい無くなってしまいます。また、避難や通院などの移動中に手帳を持ち歩くということが難しいこともあり、スマートフォンなどで使える方が良いのではないかと提案し、WEB版作成を支援協力しました。

被災した後は、ちょっとした体調の変化に気付くということが非常に重要になります。私の両親が認知症になってしまったり、私自身も頭痛がするなどの不調が続き、病院での問診で「いつから症状が出ているのか」などと医師に伝えますが、被災後の生活は、毎日いろんなことが起きすぎて記憶が飛んでしまうため、正しく伝えられないことがあります。自分の健康状態や公的支援を受けている状況などの記録や、日々の変化などを日記につけるととても役に立つと思います。また、真備町のケースでは、さまざまな役に立つ情報や、倉敷市役所のホームページのURLや、便利手帳としての機能もついています。

もう1つは、スマートフォンが使えない高齢者向けのスマホ教室を開催しました。ご年配の方々は、LINEなどのアプリが使えなかったり、指で操作をすることが苦手なのですが、一緒に学び合うことでグループができて、その後地元で開催されるイベントや教室の情報を共有する大きなグループに広がっていきます。そのためにも、スマートフォンが使えるというのはとても重要です。みんなの知識や知恵の共有ができるようになるというのも、コミュニティ作りには重要なことだと思います。
(※現在、WEB版いまから手帳はサイトを閉鎖しています)

知ることで助け合う力に

私自身、被災後に両親が認知症になり、いろんなことに気付かされました。地域の中で生かされていること、様々な方との関わりの中で生きていることに尽きますが、被災され防災活動をやっている方には「もうこんなに悲しい目に遭いたくない」、「あの時あの人に声をかけていたら助かったのに…」という後悔の気持ちがすごくあります。これからも大きな災害が起きる可能性はありますが、大規模な災害になればなるほど、地域の方がすぐに助け合うということが必要になってきます。そのためお互いを知ることがとても大事です。知るというのは、対象が人間だけではなくて、ペットや花、地域や街の歴史など、そうしたことも含めて地域でお互いを知るということが、優しい気持ちや愛する心を生んでいくのだと感じています。

防災とまちづくりが私のテーマと申しました。人がそれぞれの場所で、お互いに仲良く日々を暮らしていくということが、いざという時、もしもの時に助け合うということに繋がっていきます。「知は愛」という哲学者の西田幾多郎さんの言葉が、1番大切なことだったのだと教わり、自分も素直に知る事を大切にし、これからも活動していきたいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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