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固定IPが法人にもたらすメリットとは?導入のコツや注意点も紹介

自社サーバの運用やリモートアクセス、セキュアなネットワーク構築など、固定IPアドレスは法人のIT戦略に欠かせない存在となっています。しかし、固定IPアドレスの仕組みや具体的なメリット、活用方法については意外と知られていないかもしれません。

そこで本記事では、固定IPアドレスが法人にもたらすさまざまな恩恵や活用事例を紹介します。固定IPアドレスを正しく理解し、自社の業務効率化とセキュリティ強化に役立てましょう。

固定IPアドレスとは?法人利用のメリットを解説

固定IPアドレスは、法人のIT環境構築において重要な役割を果たします。ここでは、固定IPアドレスの基本的な仕組みや特徴から、法人利用の具体的なメリット、さらに注意点や課題について詳しく説明します。

固定IPアドレスの基本的な仕組みと特徴

固定IPアドレスとは、特定の機器に割り当てられるIPアドレスが常に一定である仕組みです。通常のインターネット接続では、接続のたびにIPアドレスが変更されますが、固定IPアドレスを利用することで、同じアドレスを維持できます。

この特性により、リモートアクセスやサーバ運用など、特定のIPアドレスが必要な用途において安定した通信環境を確保できます。

法人が固定IPアドレスを利用するメリット

固定IPアドレスは、法人にさまざまなメリットをもたらします。リモートワーク環境の整備はその代表例です。固定IPアドレスを使用すれば、出張先や自宅から社内ネットワークへスムーズに接続でき、安定した通信環境を提供します。これにより、リモートワークや外出先での業務効率が向上します。VPNを併用することで、通信の暗号化とセキュリティ向上も可能です。

自社サーバを構築する場合にも、固定IPアドレスは欠かせません。WebサイトやECサイト、メールサーバの運用が可能になり、独自ドメインを利用してブランド力を強化することができます。また、顧客データを自社で管理することで、セキュリティの向上と運用の自由度が得られます。

さらに、固定IPアドレスはIoT機器やネットワークカメラの遠隔管理にも有効です。これらの機器が常に同じIPアドレスでアクセス可能になるため、設定の手間を減らし、管理の効率を高めます。不正アクセスを防ぐため、特定のIPアドレスからのアクセスのみを許可する設定も実現可能です。

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固定IPアドレスを利用する際の注意点

固定IPアドレスの利用には、契約前にプロバイダの対応状況を確認することが重要です。一部のプロバイダでは、固定IPアドレスを標準では提供しておらず、追加料金が発生する場合があります。また、IPv6接続を利用している場合には、IPv4とIPv6の両方に対応したプロバイダを選ぶことで、将来的な互換性を確保できます。

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固定IPアドレスの主な活用例

固定IPアドレスは法人の多様な業務で活用されています。ここでは、代表的な活用例として、リモートアクセス、自社サーバの構築とWebサービスの運用、VPNを活用したセキュアな社内ネットワークの構築を紹介します。

社外からのアクセスを可能にするリモートアクセス

前述のとおり、固定IPアドレスを利用すると、社外から社内ネットワークへスムーズにアクセスできる環境を構築できます。リモートデスクトップ接続や社内LANへのアクセスでは、固定IPアドレスを設定することで接続先を明確に特定でき、安定性が向上します。

また、セキュリティ対策としては、ルーターのポートフォワーディング設定やアクセス制限を導入することが重要です。必要に応じてVPNを併用することで、通信を暗号化し、より安全な接続環境を実現できます。不正アクセスを防ぐためのファイアウォール設定や強力なパスワードの採用も忘れずに行いましょう。

自社サーバの構築とWebサービスの運用

固定IPアドレスを活用すると、サーバへの安定したアクセスが可能になり、クライアントやユーザーに同一のIPアドレスを提供できるため、運用の信頼性が向上します。また、固定IPは特定のIPアドレスだけにアクセスを許可する設定ができるため、外部からの接続を制限し、セキュリティを強化する上でも有効です。

さらに、固定IPはメールサーバやWebサーバのドメイン名と簡単に紐付けられるため、DNS設定が効率化され、運用がスムーズになります。この仕組みにより、独自ドメインを用いたメールやホームページの運用を安定して行えるようになり、結果としてビジネス全体の信頼性向上に寄与します。

VPNによるセキュアな社内ネットワークの構築

固定IPアドレスとVPNの組み合わせにより、セキュアな社内ネットワークを構築できます。VPNは拠点間通信や外出先からの接続時に、データ通信を暗号化して不正アクセスを防ぎ、情報の安全性を確保します。

固定IPアドレスは、VPNを用いた拠点間通信や社員のリモートワーク環境にも役立ちます。特に、拠点間でのデータ共有ではVPNを活用することで、重要な情報を安全にやり取りすることが可能です。VPNの設定や運用には専門的な知識が必要なため、信頼できる業者や専門家に相談することをおすすめします。

固定IPアドレス活用の課題と対策

固定IPアドレスを法人で活用する際は、セキュリティやコスト、柔軟性の課題に対応する必要があります。適切な対策を講じることで、これらの課題を解決できます。

セキュリティリスクと対策のポイント

固定IPアドレスは特定されやすいため、不正アクセスやDDoS攻撃の対象になりやすい特性があります。このリスクを軽減するには、ファイアウォールやセキュリティソフトの導入、未使用ポートの閉鎖が効果的です。また、VPNを利用して通信を暗号化し、安全性を高めましょう。

定期的にセキュリティログを確認し、最新の脅威情報を把握することも重要です。アップデートや設定変更を迅速に行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。

固定IPアドレスの設定・運用における課題と解決案

固定IPアドレスには、コストと柔軟性に関する課題があります。料金が高いという課題については、固定IPアドレスを必要最低限の数だけ契約し、他の端末にはプライベートIPアドレスやNAT(ネットワークアドレス変換)を利用することで費用を抑えることができます。

また、柔軟性の不足については、DDNS(ダイナミックDNS)やクラウドサービスを活用する方法があります。これにより、IPアドレスが変更された場合でも対応が簡単になり、ネットワークの構成や運用の自由度を高めることができます。

法人向け固定IPアドレスサービスの選び方

プロバイダやプランによってサービス内容や料金が異なるため、自社の利用目的や環境に合った選択が必要です。ここでは、接続方式や料金体系、サポート体制など、選定時に押さえるべきポイントを紹介します。

接続方式やサポート内容を比較

法人が固定IPアドレスを利用するには、プロバイダの「固定IPオプション」を契約する方法と、VPNサービスを活用する方法があります。固定IPオプションは契約中のプロバイダが提供していれば手軽に利用できますが、非対応の場合はプロバイダの乗り換えが必要です。また、多くのサービスは「PPPoE接続」で提供されていますが、通信速度や安定性を求める場合は「IPoE接続」に対応したサービスを選ぶと良いでしょう。

一方、VPNサービスを利用すればプロバイダを変更せずに固定IPアドレスを導入できます。コストを抑えられるメリットがありますが、暗号化の影響で通信速度が若干低下する場合があります。目的に応じて適した方法を選ぶことが重要です。

料金体系と費用対効果をチェック

固定IPアドレスサービスの料金は、法人向けプランの場合、プロバイダや必要なIPアドレス数によって異なります。一般的には、1つの固定IPアドレスを利用する場合、月額5,000円から1万円程度が1つの目安です。複数の固定IPアドレスが必要な場合は、料金がさらに高くなり、8個や16個のIPアドレスを利用するプランでは月額2万円以上になることもあります。

導入にあたっては、必要なIPアドレス数を明確にし、各社の料金や条件を比較することが重要です。初期費用、契約期間、サポート内容なども含めて検討することで、費用対効果の高いサービスを選択できます。また、VPNサービスを利用して固定IPアドレスを取得する方法もありますが、これらは共有IPアドレスになる場合が多く、専用固定IPとは異なる挙動や用途があるため、目的に応じて適切な選択を行いましょう。

自社に最適な固定IPアドレスを選ぶには

自社に最適な固定IPアドレスサービスを選ぶために、業務内容や利用目的を明確にし、必要な機能や付帯サービスを整理しましょう。リモートアクセスやVPN構築などの目的に応じて、各社のサービス内容と照らし合わせて検討してみてください。また、提供エリアや通信速度、接続方式(PPPoEやIPoE)なども確認が必要です。利用環境に適した安定した通信を選ぶことが重要です。

さらに、トラブル発生時のサポート体制や問い合わせ対応の質も重要なポイントです。料金については前述しましたが、初期費用や月額料金だけでなく、必要な固定IPアドレス数によって変動するため、過不足のないよう慎重に見極めましょう。

固定IPアドレスを高コスパで契約するならイッツコム!

イッツコムの「光接続サービス」は、自社光回線網を活用したプロバイダと光回線が一体型の法人向けサービスです。下り最大2Gbpsの高速通信に対応しており、IPv6 IPoEを標準搭載することで、夜間や休日のトラフィック集中を回避し、安定した通信環境を提供します。

固定グローバルIPアドレスが必要な場合には「固定IPアドレスプラン」が便利です。標準で1個の固定グローバルIPアドレスを付与し、必要に応じて4個や8個まで追加可能です。また、契約からサポートまでの窓口を一本化しているため、設定や通信トラブルが発生しても迅速な対応を心がけています。

動的IPアドレスより費用は高くなりますが、プロバイダと光回線が一体型のサービスで契約を一本化できるため、管理負担の軽減やトータルコストの削減につながります。通信の安定性、高いサポート体制、そしてコストパフォーマンスのバランスが取れたイッツコムは、多くの企業から高い評価を得ています。オフィスでの固定グローバルIPアドレス導入をご検討の際には、ぜひイッツコムをご利用ください。

まとめ

固定グローバルIPアドレスは、自社でのWebサーバやVPNサーバ、ファイルサーバの運用をはじめ、IPカメラを活用した遠隔監視システムの構築、さらにはクラウドサービス利用時の接続端末制限など、さまざまな用途で活用されています。

アドレス数を決める際には、実際に利用可能な数を正確に把握することが重要です。システム予約やルーター用に必要なアドレスを確保した上で、サービス運用に必要な分を見積もることで、無駄のない契約が可能になります。

もちろん、アドレス数が増えるほど費用は上がりますが、イッツコムが提供するプロバイダ・光回線一体型サービスなら、従来の分離型サービスと比べ、経済的に固定IPアドレスを利用できます。お客様のニーズに合った最適なプランと運用方法をご提案しますので、固定IPアドレスの導入をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。